『監視者たち』

2013年 韓国
監督：チョ・ウィソク、キム・ビョンソ
出演：ソル・ギョング、チョン・ウソン、ハン・ヒョジュ、ジュノ

凶悪犯の行動監視を専門とする特殊犯罪課犯罪組織監視班に配属されたユンジュ。班には、ベテラン班長サンジュンを中心に類まれな記憶力と鋭い洞察力を備えたプロフェッショナルな監視者たちが揃っていた。そして、彼らの新たなターゲットは、頭脳明晰で冷酷なジェームズの指示のもと、大金で仕事を請け負う犯罪グループだった・・・

面白かったです。特に監視班は全員すごく好かったです。けど、犯罪者グループの方がなぁ～。チョン・ウソンを据えて、なんでこんなに勿体ないことになったんだろう。ある意味、潔いというか、だから監視班に焦点が集まったとも言えるのかな。でも、彼らの背景とか、一応作ってたみたいなのに、それが活きてないのは勿体ないでしょ、やっぱり。それに、ジェームズに仕事をさせる元締めみたいな人の芝居が、コントみたいで白けるんですよね。黒幕もいるみたいなのに、それもほったらかしだし・・・。でも、まっ、全体として、とても面白かったから好いんですけどね。

『特捜部Q 檻の中の女』

2013年　デンマーク
監督：ミケル・ノルガード
出演：ニコライ・リー・カース、ファレス・ファレス、ソニア・リクター、ミケル・ボー・フォルスガード、ソーレン・ピルマーク、トロールス・リュービュー

コペンハーゲン警察殺人課の刑事カールは、強引な捜査で部下の一人を殉職させ、もう一人を寝たきりにしてしまう。その責任をとり、未解決事件の資料を整理するだけの部署「特捜部Q」に左遷される。しかし、その資料の中の、自殺と判断された女性議員失踪事件に違和感をもち、助手アサドと共に独自の調査に乗り出した・・・

最初は、左遷された主人公のカールに同情できず、楽しめないかもって思ったんですが、助手のアサドが魅力的な人だったので、少しずつ映画の世界に馴染んでいくことができました。最終的には、とても面白かったです。きっと、シリーズものだと思うので、次作次々作も見てみたいです。とってもいいコンビだと思います。失踪した議員役のソニア・リクターも魅力的でした。

『チョコレートドーナツ』

2012年　米
監督：トラビス・ファイン
出演：アラン・カミング、ギャレット・ディラハント、アイザック・レイバ、フランシス・フィッシャー、グレッグ・ヘンリー、クリス・マルケイ、ドン・フランクリン、ケリー・ウィリアムズ、ジェイミー・アン・オールマン

ドラッグクイーンのルディは、母親が麻薬使用で掴まり一人ぼっちになったダウン症の少年マルコの面倒をみているうちに、彼に家族同様の愛情を感じるようになる。そこで、恋人である弁護士のポールの助けを借りて、正式に養育権を得ようとするのだが、同性愛者に偏見をもつ社会は決してそれを許そうとはしなかった・・・

実話なのだそうです。今だと、もう少し事情が違ってきていると思うんですが、1970年代に、本当にあったことなんだそうです。ラストは、なんとなく予想出来てしまって・・・ふむ。自分以外の人にも見てほしくなる映画ですね。

『ヴァチカン美術館 天国への入口』

2013年　伊
監督：マルコ・ピアニジャーニ

カトリックの総本山であるヴァチカンの管理するヴァチカン美術館が所蔵する美術品を紹介するドキュメンタリームービー。

決して美術に造詣が深いわけじゃないけど、ヴァチカン美術館に関しての一般的な知識くらいはある・・・という、わたし程度の人間に、ちょうど程よい映画でしたよ。ヴァチカン美術館には行ったことがありますが、覚えているものあり、記憶にないものあり・・・映画で知ったことを踏まえて、もう一度、見返したいと思いました。
こういうタイプの映画が、つなぎに意味のないアーティスティックな映像を挟みこむことに否定的な方なんですが、この映画に関しては嫌ではありませんでした。一時間強という上映時間も、集中力が途切れない範囲で嬉しかったです。

『ゲットバッカーズ』

2014年　米
監督：ジョン・ハーツフェルド
出演：ダニー・アイエロ、トム・ベレンジャー、ローレン・コーハン、ケヴィン・コナリー、テリー・クルーズ、ケイリー・エルウィズ、ケルシー・グラマー、オマリ・ハードウィック、エリザベス・ヘンストリッジ、トーマス・ジェーン、ライアン・クワンテン、ネリー、デヴィッド・オハラ、キーラ・セジウィック、トム・サイズモア、シルヴェスター・スタローン、ダニー・トレホ

表舞台に出てこない著者が書いた啓発本が、いろんなところで人々の人生を変えていく・・・というお話。

詳しく粗筋を書いたら、ものすごく長くなります。だって、なんというか、散漫な話なんだもん。何が言いたいんだか良く分からないし、登場人物の誰のこともシッカリ描き込まないから誰にも共感できないし・・・最後の纏め方なんてイラッとするほど強引だし。
何が言いたいんだか分からないけど、作っている人たちには見えている世界があるんだろうなってタイプの映画でもないんですよ。そういうのだと、わたしには合わないけど、きっと感じる人には特別なプレゼントのある作品なんだろうって、褒めないまでも悪く言うのは差し控えるんだけど、これは正直、ダメっしょって思っちゃいました。群像劇の一つ一つが全部お粗末なんだもん、まいっちゃう。
で、なんでこんなに文句を言うかというと、わたしがトム・ベレンジャーのファンだからです。良さそうな役で、すごく期待したから、ガッカリ感がすごく大きくなっちゃったのでした。

『殺人の疑惑』

2013年　韓国
監督：クク・ドンソク
出演：ソン・イェジン、キム・ガプス

病院長の幼い息子が誘拐され、生きたまま遺棄して死に至らしめられた残虐な誘拐殺人事件。犯人が見つからないまま15年がたち、いよいよ時効が迫ったため、警察は犯人の声を公開し、市民に情報提供を呼びかけた。ジャーナリストを志すダウンは、その音声を聞き、父親のスンマンの声に酷似していることに驚愕する。貧乏な中でも苦労して自分を育ててくれた優しい父が、あんな残酷な事件を起こせるはずがないと自分を納得させようとするが、どうしても疑念が拭いきれず、父のことを調べ始めると・・・

いや～、ドキドキしましたよ。こんなに優しいお父さんが犯人のはずがない。きっと何か事情があって話がヤヤコシクなり誤解が生じているんだ。それを、ダウンが解き明かしてくれるんだ。そうに違いない、でも・・・って、まるで主人公のダウンのような心理状態で、成り行きをハラハラしながら見てしまいました。疑ったり、でもそうじゃないことを願って違う解釈を試みたり・・・観客に、そうさせる父親を、キム・ガプスさんが見事に演じていたってことですね。途中、どうしても怪しく感じられて・・・もしかしたら、誘拐された子がダウンじゃないかとか考えて・・・でも、遺体が出てるし、年齢も合わないし、男との子女の子の違いがあるし、違うかって思ったり・・・そううことも、後から考えたら、作り手側の誘導だったんだなって分かります。いや～、面白かったですよ。

『絶叫のオペラ座へようこそ』

2014年 カナダ
監督：ジェローム・セーブル
出演：ミニー・ドライバー、アリー・マクドナルド、ミート・ローフ、ダグラス・スミス、ブランドン・ウラノウィッツ

大絶賛をあびた舞台の初日に惨殺されたミュージカル女優。その息子と娘は、母と組んでいたプロデューサーの経営する子供向け俳優養成キャンプの調理場で働きながら育った。ある年、母が殺された日に上演されていた「オペラ座のたたり」が、キャンプの参加者によって再演されると聞き、娘はどうしても出演したくなり、キャンプ参加者を装ってオーディションを受ける。嘘はばれてしまうものの、チャンスを与えられた彼女だったが、再び惨劇が・・・

B級ホラーだろうと思っていたのですが・・・まあ、そうではあると思うんですが・・・意外に面白かったですよ。音楽が好かったですね。それと、出演者が次々に虐殺される話なのに、ミュージカルの部分がやけに健康的で明るい、そのチグハグさ加減が、欠点じゃなく魅力になってました。いや～、なんか楽しんじゃいました