映画鑑賞感想文

濫観っていうか、乱観っていうか・・・ポリシーないですけど(^^;

『ジョン・カーペンターの要塞警察』

2010-03-02 12:24:48 | Weblog
1976年 米
監督:ジョン・カーペンター
出演:オースティン・ストーカー、ダーウィン・ジョストン、ローリー・ジマー、マーティン・ウェスト、トニー・バートン、ナンシー・ルーミス、キム・リチャーズ、ヘンリー・ブランドン、チャールズ・サイファーズ

日本では、劇場未公開だそうです。原題は『Assault on Precinct 13』です。

移転中で、すでに僅かな署員が残るだけの警察署が、狂信的な若者たちの集団によって襲われる。生き残った警官たちと、たまたまアクシデントで署内に一時的に収監されていた護送中の凶悪犯たちが力を合わせて、必死の防衛をはかる・・・

というような話ですが・・・わたし、かなり好きです!

正直、「おいおい」と言いたくなるような、ズサンなところは幾つもあるんです。けどね、そういうの、別にイイやと思わせる雰囲気があるんです。それは、ちょっと香港映画のそれに似ているかな。観客を仲間に引き入れてくれる感じとでもいいましょうか・・・「おいおい」の部分も、いい意味でのスキになっているんですよね。ほら、完璧な人って、愛しづらいけど、スキのある人って、そこからはまって大好きになっちゃったりするでしょ(笑)。

作りはいたって簡単。前半は、複数の出来事が、舞台となる警察署に向かって、収束していくんですよね。で、もちろん後半は、襲撃に対する防衛です。そこには、これまた香港映画お得意の、本来は敵同士であるはずの男たちの間に通う友情にも似た感情とかね・・・そういうのもありーので、とってもワタシ好みなのでありますよ。上映時間も90分と、わたし的ベストですしね(^^;。

それに、ちょこちょこっと笑いのポイントなんかもあるんですよ。別に、面白いことは言わないんですが、間がね・・・あれは笑いを意識した間ですよ。そういうセンスも、大好きです(^^)。

大作じゃないし、これといってどうってこともないんだけど、妙に惹かれるなぁ~って感じで、ほんと、わたし、好きでした、この映画、はい。
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『夜の牙』

2010-03-02 12:04:38 | Weblog
1958年 日本
監督:井上梅次
出演:石原裕次郎、岡田真澄、月丘夢路、浅丘ルリ子、白木マリ

場末のカード下で診療所を開いている杉浦健吉役が裕さん。その弟分のスリの三太が岡田さん。三太が、スリから足をあらってニューフェイスに応募したいけど、前科があるから兄貴の戸籍を貸してよと、杉浦に頼み込む。それで、杉浦が戸籍を取りに区役所にいったら、なんとすでに死亡届が出ていて、彼は死んだことになっていた。事情を調べていくと、生き別れになっていた弟が、彼を死んだことにして、叔父の莫大な遺産を独り占めしたのではないかという疑惑が浮上してくる。しかも、そのことを調べようとする彼の前には・・・そんな話です。

でも、まっ、裕さんの映画を見るのは、裕さんのファンだけだろうし・・・筋なんてどうでもいいですよね(爆)。少なくても、わたしはそうですよ。裕さんは、亡くなるまで、ずっとずっと大根役者でしたけど・・・それでもいいんです、彼は。演技がどうたらこうたらというのを超えた魅力が、石原裕次郎という人にあるので、それでいいんです(爆)。

素敵な裕さんが、喋って動いて、ちょぉ~カッコよくて可愛いから、それで十分に満足・・・そういうことなのであります(^^;。
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『ハモンハモン』

2010-03-02 11:44:15 | Weblog
1992年 スペイン
監督: ビガス・ルナ
出演: ペネロペ・クルス、アンナ・ガリエラ、ステファニア・サンドレッリ、ジョルディ・モリャ、ハビエル・バルデム、フアン・ディエゴ

もう一本、ペネロペを。しかも、これは『赤いアモーレ』と対極な感じの、若さ溢れるペネロペのナイスなバディー前面押しの一作です。たしか、ペネロペの初主演作じゃなかったでしたっけ。

話はねぇ~・・・説明、必要かな(爆)。下着メーカーの御曹司と恋して彼の子を妊娠したペネロペ。でも、御曹司の母は二人の結婚に猛反対。なんとか別れさせようと、金で雇った若者にペネロペを誘惑させる。でも、彼女自身が若者の肉体に夢中になり、もうペネロペとは会わないでなんて言っちゃう。まっ、それくらいまでなら、ギリギリ許容範囲なんですが・・・なんでだか、御曹司とペネロペのママが出来ちゃったり、御曹司パパがペネロペにキスしちゃったり・・・だんだん、ただのヤリタイ放題になってしまう映画なのであります。

でも、それが映像的に汚くはないというか・・・情熱の国スペインだから、これもアリなのかと、なんか納得させられる勢いみたいなものもあり・・・いいんじゃないでしょうかと・・・そう思う次第なのであります(^^;。
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『赤いアモーレ』

2010-03-02 10:47:51 | Weblog
2004年 イタリア
監督: セルジオ・カステリット
出演: セルジオ・カステリット、ペネロペ・クルス、クラウディア・ジェリーニ

外科医ティモーテオの勤務する病院に、バイク事故で意識不明になった娘のアンジェラが運び込まれてくる。最悪の状況の中、彼の胸に去来したのは、かつて燃えるように愛し合ったイタリアという名の女との日々だった。尊敬される仕事、美しく聡明な妻、親しい友人たち、すべてを手に入れた人生の勝者であはずなのに、心に押し寄せる虚しさに蝕まれていたティモーテオを、イタリアが救い上げくれたのだった。

というような話です。で、当然、イタリアを演じるのは、某監督に女性の完成形とまで言わせた美の化身ペネロペなわけですが・・・みなさまの期待に反して、まったく美しくないのです、ペネロペ。下品な化粧、ダサい服装、口元にも細工をして、美しいはずのペネロペを徹底して不細工に作り上げています。ペネロペ本人も、目元に力を入れない芝居とか、バタバタした歩き方とか、素敵な女にならないよう最大限の努力をしています。

それに対し、ティモーテオの奥さん役のクラウディア・ジェリーニは、実にゴージャスで、美しさがキラキラと輝くよう撮られています。(老けたメイクは、ちゃんとオバサンだったから、この映画ではメイクアップ班の功績は大きいですね!)

なんで、こんな素敵な奥さんがいるのに、あんなクソしょうもない場末の女に惹かれるのか・・・そう思わせるための見た目のコントラストが、ほんと凄いのです。けど・・・外見的に、そこまで差をつけておきながら、気持ちがちゃんとティモーテオに添っていくように、細かい日常の描写で、奥さんに対する何となくな反感とか、イタリアに対するジワジワッとした好意が、観客の中に生まれるように作られているんですよね。それは、実に巧いなぁ~と思いました。

もっとも、あそこまで野獣のようになるティモーテオには、正直、ちょっと引きますけどね。イタリアとの最初の関わりは明らかに強姦だし・・・雨の中の再会の時も、抑えきれない思慕というよりは、利己的な肉欲のイメージが先行するし。それに何より、なんで娘が死ぬかもしれないという時に、イタリアのことを思い出すかなっていう、一番根本的なところが、わたしには理解できなかったんですが・・・

とにかく、ペネロペの「そこまでしましたか」という“醜女の深情”の芝居に圧倒されて、他のことはみんなどうでもいいと思えました。きっと、今まで、さして彼女に興味を持っていなかった映画ファンも、これですっかり彼女の虜になっちゃったんじゃないでしょうか。美しいペネロペはもちろんですが・・・醜女も素晴らしいペネロペなのでした(^^)。
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