2008年 米
監督: サム・メンデス
出演: レオナルド・ディカプリオ、ケイト・ウィンスレット、キャシー・ベイツ、マイケル・シャノン、キャスリン・ハーン
たぶん、お互いに大きな夢を持ち、そんな相手を尊敬し合い、結婚したであろう二人。けれど、結婚してしまえば、二人に現実がのしかかる。キラキラ輝いていたはずの夫は、平凡なサラリーマン。女優になりたかった妻も、趣味で演劇まがいことをするのが精一杯な平凡な主婦。二人は、そんな自分の状況に、そして愛した相手の姿に苛立っています。そんな中、妻は起死回生の案を思いつきます。家族でパリへ行こう!!今の二人の環境を根こそぎ変えてしまおう!! そんな妻の提案に、夫は戸惑いながらも最初は賛成します。けれど、そんな折も折、夫の提案が会社で認められ、重要プロジェクトに参加するよう求められるのです。さらに、妻の妊娠も発覚します。夫の気持ちが揺らいでいるのに気づいた妻は、大きな失望、いや絶望を感じます。そして・・・
というような話です。舞台は1950年代のアメリカなのですが、現在の日本でも、30代以上のご夫婦なら、何かしら感じるものがあるのでは・・・などと思います。
多くの人は、現実に中に自分を飼いならす術を学びます。この映画で、夫はそれができる人だったけれど、妻はそれが出来なかった。かといって、妻は、自分一人で自分の思いを貫いていくだけの強さも我侭さも・・・厳しくいえば覚悟もなかった。だから、彼女は内に向かった崩壊していくしかなかったわけです。
この夫婦が欲しがった、というより妻が欲しがった、人と違った個性的な生き方をするには、それなりの覚悟が必要です。どうしても、そうしか生きられないのなら、彼女は家族を捨ててでも、そうするしかなかった。人に後ろ指をさされようが、彼女の為に深く傷つく人がいようが、彼女自身がとても寂しい思いをしようが、結局どん底に落ちて惨めに死のうが、彼女はそうするしかなかった。けれど、彼女は、それをする覚悟はなかったわけです。だから、夫にそれをさせたかった。そして、自分はそれに付いて行きたかった。なのに、それが叶わなかったら、絶望してしまった・・・。
自己実現だとか、夢だとか、そういうのに拘っているけど、実際にはリスクを恐れて、あるいはプライドが傷つくことを恐れて、何も行動しないで御託だけ並べている・・・というのが、大人といわれる我々の現実かもしれず・・・それに比べれば、彼女は、まだ何かしようとしただけマシなのかもしれませんが・・・彼女の甘えや弱さに、どうしても同情できず、後味が悪いと感じる映画になってしまいました。
そうそう、レボリューショナリー・ロードは、夫婦の家のあった場所の名前です。
監督: サム・メンデス
出演: レオナルド・ディカプリオ、ケイト・ウィンスレット、キャシー・ベイツ、マイケル・シャノン、キャスリン・ハーン
たぶん、お互いに大きな夢を持ち、そんな相手を尊敬し合い、結婚したであろう二人。けれど、結婚してしまえば、二人に現実がのしかかる。キラキラ輝いていたはずの夫は、平凡なサラリーマン。女優になりたかった妻も、趣味で演劇まがいことをするのが精一杯な平凡な主婦。二人は、そんな自分の状況に、そして愛した相手の姿に苛立っています。そんな中、妻は起死回生の案を思いつきます。家族でパリへ行こう!!今の二人の環境を根こそぎ変えてしまおう!! そんな妻の提案に、夫は戸惑いながらも最初は賛成します。けれど、そんな折も折、夫の提案が会社で認められ、重要プロジェクトに参加するよう求められるのです。さらに、妻の妊娠も発覚します。夫の気持ちが揺らいでいるのに気づいた妻は、大きな失望、いや絶望を感じます。そして・・・
というような話です。舞台は1950年代のアメリカなのですが、現在の日本でも、30代以上のご夫婦なら、何かしら感じるものがあるのでは・・・などと思います。
多くの人は、現実に中に自分を飼いならす術を学びます。この映画で、夫はそれができる人だったけれど、妻はそれが出来なかった。かといって、妻は、自分一人で自分の思いを貫いていくだけの強さも我侭さも・・・厳しくいえば覚悟もなかった。だから、彼女は内に向かった崩壊していくしかなかったわけです。
この夫婦が欲しがった、というより妻が欲しがった、人と違った個性的な生き方をするには、それなりの覚悟が必要です。どうしても、そうしか生きられないのなら、彼女は家族を捨ててでも、そうするしかなかった。人に後ろ指をさされようが、彼女の為に深く傷つく人がいようが、彼女自身がとても寂しい思いをしようが、結局どん底に落ちて惨めに死のうが、彼女はそうするしかなかった。けれど、彼女は、それをする覚悟はなかったわけです。だから、夫にそれをさせたかった。そして、自分はそれに付いて行きたかった。なのに、それが叶わなかったら、絶望してしまった・・・。
自己実現だとか、夢だとか、そういうのに拘っているけど、実際にはリスクを恐れて、あるいはプライドが傷つくことを恐れて、何も行動しないで御託だけ並べている・・・というのが、大人といわれる我々の現実かもしれず・・・それに比べれば、彼女は、まだ何かしようとしただけマシなのかもしれませんが・・・彼女の甘えや弱さに、どうしても同情できず、後味が悪いと感じる映画になってしまいました。
そうそう、レボリューショナリー・ロードは、夫婦の家のあった場所の名前です。