映画鑑賞感想文

濫観っていうか、乱観っていうか・・・ポリシーないですけど(^^;

『ある愛の風景』

2010-03-05 14:21:12 | Weblog
2004年 デンマーク
監督: スサンネ・ビア
出演: コニー・ニールセン、ウルリッヒ・トムセン、ニコライ・リー・コス

サンダンスやカンヌで受賞もしているんですって。ハリウッドでリメークもされていて、ハリウッドでのタイトルは『マイ・ブラザー』だそうです。

良い夫であり、良い父親であり、良い息子であり、良い兄であるミカエル。それに対して、家族の厄介者である弟のヤニック。弟は、兄を慕いながらも、反発している。そんな兄が出征、派遣先のアフガニスタンで死亡したとの知らせが留守宅に届く。悲しみに沈む家族の姿を目の前にして、ヤニックは変わっていく。兄の代わりに、父母を支え、義姉と姪たちを見守ろう努める。だが、実は、ミカエルは死んではいなかった。瀕死の状態で敵兵に捕らわれ、過酷な捕虜生活を送っていたのだ。ミカエルが味方軍によって解放され、家に戻ってくることを知らされた家族は、大喜びで彼を出迎えた。けれど、ミカエルの様子は、どこか違ってしまっていた。戦場での体験が、ミカエルの心を取り返しが付かないほど深く傷つけていたのだ・・・

というような話なんですが・・・とにかく胸が痛いです。自分がミカエルだったら・・・そう考えるだけで、発狂しそうになります。また、自分がサラ(ミカエルの妻)だったら・・・と考えても、どうしていいか分からなくて絶望的な気持ちになります。

激しい戦闘シーンなどは、あまりありませんが・・・ものすごく強い反戦の意志を感じる映画です。
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『ボルチモアの光』もしくは『奇蹟の手/ボルチモアの友情』

2010-03-05 13:51:31 | Weblog
2004年 米
監督:ジョセフ・サージェント
出演:アラン・リックマン、モス・デフ、メアリー・スチュアート・マスターソン、キラ・セジウィック、メリット・ウェヴァー、ダグ・オリアー

正確に言うと、映画じゃないんですよね。エミー賞三部門受賞を果たしたテレビ用ドラマ。だから、映画としての日本公開はなく、放送したTV局が、おのおのタイトルを付けているようです。原題は『SOMETHING THE LORD MADE』。

内容は、ボルチモアのジョンズ・ホプキンズ病院で、アルフレッド・ブラロック博士が、当時絶対に不可能とされていた心臓外科手術を世界で始めて成功させた・・・その影には、何の資格も持たない黒人助手の力があった・・・という、実話を映像化したもの。最後には、実際のブラロック博士と、助手だったヴィヴィエン・トーマス氏の肖像画が映し出されます。

ウェイトは、難病治療に取り組み、当時は触れてはならない領域だといわれていた心臓の外科手術を成功させるにいたったという、崇高な医学的チャレンジではなく・・・どっちかっていうと、人種差別を乗り越えていく博士と助手の姿を描くことにあったように感じます。

でも、熱く訴える感じではなく・・・むしろ、淡々と描いているところに好感が持てました。だからこそ、ほとんど差別意識を持たない博士であっても、差別される側にいるヴィヴィエンの気持ちを全く分かってはいないことの切なさが胸に痛く感じられるわけです。

ヴィヴィエンのお兄さんの台詞に「感謝してもらうためではなく、自分が夢中になれることがしたいんだ」というようなフレーズがあるのですが・・・人が困難なことに立ち向かって頑張れる理由の一つに、“人に高く評価されたい”ということがあるのは当然だと思うわけで・・・ヴィヴィエンの苛立ちは、しごく尤もなことだと思います。

けれど、現実には、頑張りや功績が正当に評価されないことは、人種差別がなくても多々あることで・・・そういう目にあっても、自分のモチベーションを、どう維持するのかというのが、個々人にとっては、とても大切なことなんだろうな・・・などとも思いながら、見ていました(^^;。
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