リーメンシュナイダーを歩く 

ドイツ後期ゴシックの彫刻家リーメンシュナイダーたちの作品を訪ねて歩いた記録をドイツの友人との交流を交えて書いていく。

67. ドレスデンへ

2017年05月01日 | 旅行

2016年・ドイツ14回目の旅 No.31

      

              

           フライベルクの聖母子像


▼ドレスデン 10月31日~11月2日(2泊)
 ◆10月31日(月) 今日は打率5割  15242歩
 

 アイゼナハからドレスデンまで超特急で2時間半。朝から疲れるのはいやだったので坐席の予約をしておいたのですが、結構空席も多い状態で予定通り11時37分に到着。ドレスデン中央駅は工事がほぼ終わった感じで広々としていました。インターシティーホテルは駅前で、ありがたいことに午前中でもチェックインできました。
  駅に戻って構内のアジアレストランで昼食。今日の目的地はここから列車で30分ほどのフライベルクにある「モーンハウプチェの聖母子像」を見ることでした。リーメンシュナイダーの弟子、フランツ・マイトブルクの作品です。
 フライベルク駅は大きいのですがゴミが散らかり、大通りには人影がありませんでした。月曜日なのにこのさみしさは何でしょう。地図の通りに歩いて行くと少しずつ人の姿が見られるようになりました。旧市街に入ったようです。マリアドームに着くと、その隣にアンネンカペレがありました。ここに私の見たい聖母子像があるはずですが、目の前で若い男の子がドアの鍵を閉めて自転車に乗って行ってしまいました。どうしたものかと見回すとドームの前に白髪の女性がいたので、「この教会のマドンナを見たいのですが」と声をかけてみました。すると「それなら鍵を取ってきて入れてあげましょう」と向かいのショップに入っていき、鍵を開けてくれました。写真を写しても良いですかと尋ねると、「どうぞどうぞ、フラッシュ無しでね。」という返事。外は肌寒かったのですが中は暖かくてホッとしました。その女性は「申し訳ないけど10分か15分後にまた来るのでそれまで鍵を閉めさせてもらいます。」というので驚きながらも「わかりました。」と返事をしました。鍵を閉めて彼女が出て行ってしまうとちょっと不安になりました。でも忘れられることはないだろうと、すぐに撮影にかかりました。マドンナ(写真・上・左)は正直大分風化もしていて美しいとは言えませんでしたが、台を支える天使(写真・上・右)が私の弟の小さい頃に似ていて印象的でした。

  ちょうど15分経ったときに若い女性が来てドアを開けてくれたのでホッとしました。私たちが出るとすぐにまた鍵を閉め、「隣のドームもご覧になるのならチケットを買ってください」といいます。カペレの中にはパンフレットがなかったこともあり、少し時間があったのでドーム内も見ることにしました。ただ、時間があまりないのでツアーではなく個人的に見たいと言うとそれでよいとのこと。写真を写すのなら更に2ユーロのチケットが必要と言うことで私の分だけ買いました。中に入ると先ほどの白髪の女性がツアーを案内していました。私たちは静かに回りを見せてもらいました。たくさんある彫刻に、昔はこの地域の相当権威ある教会だったのだろうと思いを馳せました。

 3時9分の列車に乗ってドレスデンに戻り、王宮美術館に向かいました。トラムで下車する駅がわからず一駅先まで行ってしまって、歩いて戻ることになりました。
 この美術館にもリーメンシュナイダーの弟子、ペーター・デル(父)の「キリストの復活」というレリーフがあるはずなのですが見つかりません。一人に尋ねると次から次へと仲間が集まって頭を寄せ合い、4人ぐらいの館員がスマホでしきりに検索してくれたのですが結局わかりませんでした。どうもこの作家の作品はニュルンベルク、ゴータに続いて見付けられず、不満足感が残ります。私が根拠にしているのが2004年にヴュルツブルクで発行されたカタログですから、その後12年経って今もそのままあるとは限りません。でも移動したのならその移動先ぐらいは知っておいてもらいたいと思ってしまうのです。こんなに大きな美術館でも作品の所在がわからないというのが残念でした。


   三津夫が写した王宮美術館内の作品 

 トラムで駅まで戻ったのはホテルで2日間のフリーチケットをくれたからです。これがなければ歩いて帰ったでしょうけれど、日頃の足の疲れも溜まっていたので、ありがたいプレゼントでした。夕食にはホテルの隣にあるビルの新しい中華料理店に入ってみました。若いドイツ人の男の子が担当で明るくサービスしてくれましたが、味はまぁまぁ。また来ようねという気持ちにはなりませんでした。どこに行ってもなかなか「ここなら」という中華料理店が見つかりません。私はチャーハンが大好きなのですが、日本でもあの香り高いチャーハンを作れる人が本当に少なくなっているようです。ドイツでそれを期待しても無理なのはわかっているのですが、重たい肉料理は苦手なのでつい中華料理店を探してチャーハンを注文してしまうのです。

※ このブログに掲載したすべての写真のコピーをお断りします。© 2015 Midori FUKUDA, Mitsuo FUKUDA

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