梅様のその日暮らし日記

その日その日感じた事や世間で話題の事について自分なりの感想や考えを書いていきます。

ホームレス二態

2014-11-11 12:42:45 | 日記
  松原団地駅始発電車に乗る。5:15分。先頭車両の方が乗り換えに便利なのですが、なぜかこの車両はいつもおしゃべりなお婆さんたちが団体で乗っているので、これを避けて3両目に乗ることにしました。かなり空いていて空席もありますが、やはりお婆さん達の姿が目立ちます。この人たちは本当にこれからお勤めなのでしょうか・・・・謎です。

   空席に座って少したつと、なんとなく朝のさわやかな空気には馴染まない人物の姿が目に入ってきました。髪の毛は見苦しいほど伸びてはいないのですが、細くて頼りない無精ひげの長さは10センチほど。しかしスカスカの生え方をしています。年の頃はどう見ても30歳位。まだ若いです。

   上半身に身に着けている物は薄汚れた長袖シャツ1枚のみ。肌着は来ていません。下の方はボタンがないらしくはだけたままで、細い体に似合わずたるんだお腹が丸見えです。ベルトをしていない綿パンは薄汚れ、社会の窓が開いています。更に下の方に視線を移すと、トイレのサンダルにしか見えない履物を裸足につっかけており、靴下をはいていません。

   男がなぜ?と言いたくなるような見事な外反母趾で、右足の親指は人差し指の上に乗っています。左足の薬指は骨折した後曲がったままになっているようで、その隣の小指はどこかにぶつけたのか、真っ赤に晴れています。汚れきったあしの更に踵の方は角質が白く固まり、そこにいくつものヒビが入っています。

   この若さでなぜ?しかもホームレスといえば真夏でもありったけの服を着込んで悪臭をまき散らすのが本来あるべき?姿です。しかし彼は上着すら身に着けてはいないのです。この年なら仕事を見つけることはできそうな気がしますが、二重の意味で謎のホームレスです。

   一方、草加市民会館前の植え込みには、これまた信じがたいホームレスが住んでいます。私が当地に引っ越してきてから7年になりますが、彼はこの間一貫してここに居を構えています。すぐそこには水道があり、毎朝きちんと体をふき、頭を洗って、清潔を心がけているので、知らない人が見たらホームレスには見えません。

   夜になると自転車とリヤカーでブロックした中に、大型犬ラブラドールレッドリバーと一緒に寝ています、以前は黒と茶色の二頭だったのですが、茶色い方は死んでしまったのでしょうか、現在は黒のみがいます。この犬は、おやじ狩り対策兼、真冬の暖房替わりと思われます。本人も清潔感にあふれ、外見も健康そのものです。犬の方も手入れと栄養が行き届いています。とてもホームレスの飼い犬には見えません。

   ここで夜を明かした後彼は、自転車でリヤカーを引きつつ、犬と共に駅の無効側にある公園へと移動します。晴れていれば概ねそこで一日を過ごすようです。黙っていればホームレスには見えませんが、働いている気配は全くありません。知らない人間が見たら、ごくごく当たり前の生活をしている中年男性にしか見えないでしょう。

   ある人が言うには、彼は恐らく生活保護費を受給されているのではないかということでした。受給するにはどこかの家に定住し、住民票が取れることが必要なので、何らかの策を弄して、どこかに共住していることにしてあるのでしょうか。

   彼らに一言ずつ声を掛けるとしたら・・・・

   若者よ、人生先は長いのだ。働き口を見つけなさい。

   おじさん、ちゃんとしたアパートに住んで、働き口を見つけなさい。本当に生活保護を受けているのなら、そんな詐欺めいた人生は男として恥ではないのですか?

   この二人、「きちんとした正統派?ホームレス」になりきれない中途半端な人たちとして、なんとなく私の記憶に残る人物なのでした。