金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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7:那須正幹 『ヨースケくん―小学生はいかに生きるべきか 』

2018-03-23 19:29:48 | 18 本の感想
那須正幹『ヨースケくん―小学生はいかに生きるべきか (for Boys and Girls)』(ポプラ社)
★★★☆☆

【Amazonの内容紹介】

授業中、トイレにいきたくなったら…
つい、カンニングしてしまったら…
お父さんがリストラされたら…
マラソン大会でびりになったら…
小学生が生きていくのは、けっこうたいへんです。
日々、てつがくする小学生、ヨースケくんの物語。

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連作短編なのだけども、ひとつのエピソードが後につながっていくことはなく、
投げっぱなしだったのでちょっと拍子抜け。
1話1話の積み重ねにあまり意味はないので、
気軽にちょこちょこ読みたい子にはいいかも。

大きな事件は起こらず、小学五年生の男の子の目を通して見た
学校や家庭での出来事が描かれている。
小学生のころ、こういうことを考えたなあ……という場面が
ところどころにあったので、現役小学生が読むと
共感できるのかも。
お父さんのリストラ?に心揺れる
「紅茶を飲むヨースケくん」が可愛らしかった。

那須正幹さん、ズッコケ三人組にははまらなかったけど、
小学館の雑誌で連載していた「とうがらし探偵団」はおもしろかったなあ。





コメント (2)
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6:黒柳徹子 『トットちゃんとトットちゃんたち』

2018-03-23 19:29:25 | 18 本の感想
黒柳徹子 『トットちゃんとトットちゃんたち』(講談社青い鳥文庫)
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

ユニセフ親善大使黒柳徹子さんが出会った忘れえぬ子どもたち――
「あなたのお幸せを祈っています」死にそうなその子は、
なんの不満もいわずに、それだけいった。

黒柳徹子さんがユニセフの親善大使として訪れた、
飢餓や戦火、災害、貧困に苦しむ国々。
そこで出会った忘れえぬ子どもたち……。
私たちがあたりまえと思うことが、けしてあたりまえでない世界の現実。
ここに書かれていることは、とてもつらく、せつないけれど、
あなたに知っておいてもらいたいことです。

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仕事で読んだのだけど、もう苦しくて苦しくて、胸が痛い。
自分が無知で、いろんなことに無頓着で、
自分のことしか考えていないという事実をまざまざと見せつけてくる本だ。

タンザニア、ニジェール、インド、モザンビーク、カンボジアとベトナム、
アンゴラ、バングラディッシュ、イラクにエチオピア、
スーダン、ルワンダ、ハイチ、ボスニア・ヘルツェゴビナ……
と政情不安や貧困、内紛の起こっている国として知ってはいたけれど、
実はよくわかっていなかった国々。
いったいどうしてそうなったのか、という事情から
人々が置かれている状況まで、子供にもわかる言葉で書かれているこそ
胸に迫る。
「クルドの魂」の章で泣いてしまった。
南アフリカ共和国はアパルトヘイトで悪名高いけれども、
その正当性を守るために、反政府組織を支援することで
周辺の黒人政権の国々を崩壊させていったことも
初めて知った。

「黒柳徹子 ユニセフ」って、中学生くらいのころに
一時期さかんに耳にして、学校でも寄付のようなことをやっていたけど、
自分もふくめ、中学生は現状を全然わかっていなかったと思う。
この本があったらずいぶん違っただろう。
そして、この本が書かれてから15年以上たったけれど、
調べてみると問題が解決するどころか
新たな紛争の勃発でさらにひどいことになってしまった国もあって
つらい。

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