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植物観察)ネムロシオガマ

2024-06-23 14:59:49 | 植物観察記録

ネムロシオガマ(根室塩竈)
Pedicularis schistostegia
ハマウツボ科シオガマギク属

北海道の根室地方と礼文島の海岸近くの草地などに生える半寄生の多年草。全草に軟細毛が多生する。葉は茎に互生、羽状に深裂し、裂片もさらに羽状に深裂し、縁部には鋭鋸歯がある。茎上部に淡黄白色の花を密につける。花冠は上下の二唇形で、上唇は舟形で、下唇より長くなり先端部は下方に反曲する。下唇は上唇よりも幅広となり葉状で浅く3裂する。

和名の「シオガマ(塩竈)」は、「花だけでなく葉までも(浜でも)美しい。浜で美しいのは(宮城の)塩釜」ということに由来する。

シオガマギク属は、クロンキスト体系とエングラー体系では、ゴマノハグサ科に分類されていたが、APG分類体系になって旧ゴマノハグサ科の半寄生植物は全てハマウツボ科に移動した。ハマウツボ科は、以前は全寄生植物のみで構成されていたが、全寄生性の途中段階である半寄生植物も含まれることになった。

シオガマギク属植物は、アーバスキュラ菌根(AM)菌との共生に必要な遺伝子を失っているが、AM菌の宿主となる植物が近傍に存在している時にシオガマギク属植物のAM感染が促進されることがわかった。すなわち、AM菌と宿主植物のネットワーク形成が、AM菌感染経路を失ったシオガマギク属植物へのAM菌感染に寄与していることが示された。(https://bsw3.naist.jp/research/index.php?id=2384

昔、礼文島に行った時に、地元のおばあさんが自宅の庭に植えるために採ってきたというネムロシオガマを見せてくれた(盗掘ではない)。その時見たネムロシオガマの根が鮮やかな黄色をしていたのを今でも覚えている。ただ、シオガマギク属は半寄生植物なので、庭に植えてもうまく育たなかったのではないだろうか。

環境庁RDB2000 絶滅危惧II類

2024年6月16日 北海道礼文島

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