Laboratory ARA MASA のLab Note

植物観察、読んだ論文に関しての備忘録
ホームページの更新情報

論文)避陰反応による遺伝子発現誘導機構

2018-03-28 22:06:26 | 読んだ論文備忘録

Linking PHYTOCHROME-INTERACTING FACTOR to Histone Modification in Plant Shade Avoidance
Peng et al. Plant Physiology (2018) 176:1341-1351.

doi:10.1104/pp.17.01189

日陰に応答した成長の変化(避陰反応)は、bHLH型転写因子のPHYTOCHROME INTERACTING FACTOR(PIF)によるターゲット遺伝子の発現活性化によってもたらされている。中国 復旦大学Shen らは、シロイヌナズナの転写に関連した変異体の避陰反応の変化を調査し、トリメチル化したヒストンH3K4/H3K36(H3K4me3/H3K36me3)に結合するMorf Related Gene(MRG)ファミリータンパク質のMRG1およびMRG2の二重変異体mrg1 mrg2 は日陰に対する応答性が欠失していることを見出した。mrg1 変異体およびmrg2 変異体の表現型は野生型と同等であることから、MRG1MRG2 は冗長的に機能していると考えられる。mrg1 mrg2 二重変異体にpif7 変異を導入した三重変異体は、日陰条件でmrg1 mrg2 二重変異体よりも胚軸が僅かに短くなり、pif7 変異体とほぼ同程度であった。よって、避陰反応においてMRG1/MRG2はPIF7を介して機能しているものと思われる。mrg1 mrg2 二重変異体での日陰誘導遺伝子(YUCCA8PRE1IAA19YUCCA9GH3.3PAR1 )の発現誘導は、野生型よりも低くなっていたが、pif7 変異体ほど低くなってはおらず、pif7 mrg1 mrg2 三重変異体での発現誘導はpif7 変異体と同程度であった。よって、pif7 変異はmrg1 mrg2 変異よりも上位にあると考えられる。PIF7 およびPIF1PIF3PIF4 の発現量はmrg1 mrg2 二重変異体と野生型との間で同等であり、MRG1MRG2 の発現もpif7 変異や日陰処理によって変化することはなかった。各種アッセイからMRG2と脱リン酸化されたPIF7が物理的に相互作用をすることが確認され、日陰処理によるPIF7の脱リン酸化がMGR2との相互作用を調節していることが示唆される。PIF7とMRG2のターゲット遺伝子への結合をクロマチン免疫沈降(ChIP)解析によって調査したところ、PIF7は日陰条件に応答してプロモーター領域にあるG-box(CACGTG)シスエレメント領域への結合が増加することが判った。一方、MRG2は、日陰に応答してPIF7結合領域よりも下流のコード領域で結合量が増加した。また、ヒストンのメチル化状態をYUCCA8 遺伝子で調査したところ、H3K4me3とH3K36me3は5'-末端と遺伝子領域内に多く見られ、MRG2結合領域と重複していた。白色光条件と日陰条件でH3K4me3とH3K36me3の量に有意差は見られないことから、日陰条件に応答したMRG2の増加はH3K4me3とH3K36me3の量的変化によるものではないと思われる。H3K4-メチルトランスフェラーゼの変異体atx1-2 とH3K36-メチルトランスフェラーゼの変異体sdg-8 では日陰処理によるMRG2のYUCCA8 遺伝子への結合量が僅かに減少しており、基底レベルのH3K4me3とH3K36me3がMRG2の結合促進を引き起こしているものと思われる。pif7 変異体ではYUCCA8 遺伝子へのMRG2の結合が大きく減少しており、MRG2の結合にはPIF7の関与が大きいことが示唆される。MRG2はヒストンアセチルトランスフェラーゼ(HAT)ファミリータンパク質のHAM1/HAM2と相互作用をしてターゲット領域のヒストンH4K5のアセチル化(H4K5ac)をもたらし、転写を活性化させることが知られている。日陰処理1時間後のYUCCA8 遺伝子の幾つかの領域においてH4K5acが増加し、他にもH3K9acとH3K27acの増加も観察された。しかし、日陰処理によるH4K5acの増加はmrg1 mrg2 二重変異体で大きく減少し、pif7 変異体、pif7 mrg1 mrg2 三重変異体では完全に失われた。以上の結果から、以下のモデルが考えられる。日陰に応答して脱リン酸化されたPIF7がターゲット遺伝子プロモーター領域のG-boxに結合し、このPIF7がH3K4me/H3K3meに結合するMRGと相互作用をし、MRGは更にHATと相互作用をして日陰応答遺伝子のヒストンのアセチル化、そして転写の活性化が引き起こされる。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

論文)日陰に応答した胚軸伸長の分子機構

2018-03-20 19:53:13 | 読んだ論文備忘録

TCP Transcription Factors Regulate Shade Avoidance via Directly Mediating the Expression of Both PHYTOCHROME INTERACTING FACTORs and Auxin Biosynthetic Genes
Zhou et al. Plant Physiology (2018) 176:1850-1861.

doi:10.1104/pp.17.01566

TEOSINTE BRANCHED1, CYCLOIDEA, and PCF(TCP)ファミリー転写因子は、植物の成長過程の様々な局面において重要な役割を演じており、幾つかのTCPについてはその作用機作が明らかとされている。中国 蘭州大学Li らは、シロイヌナズナの24種の全てのTCPについて35S プロモーターで過剰発現させた形質転換体を作出し、表現型を観察した。その結果、TCP17 を過剰発現させた系統(TCP17-OX )は、葉身が細くなり、花の形態が異常になり、花粉稔性が低下するといった様々な異常を示すことを見出した。また、TCP17-OX 芽生えは、長日条件で胚軸が野生型よりも長くなった。しかし、暗所で育成した芽生えは表現型の変化を示さなかった。これらの結果から、TCP17は明所での胚軸伸長の促進に関与していることが示唆される。光質を変えてTCP17-OX 芽生えの胚軸伸長を見たところ、連続白色光(Wc)と低R:FR光(周囲の植物による日陰の状態)で伸長が促進された。TCP17と類似性の高いTCP5およびTCP13の過剰発現個体もWcと低R:FR光条件で芽生えの胚軸が野生型よりも伸長した。tcp17tcp5tcp13 の各単独変異体では日陰条件に対する応答変化は見られなかったが、tcp5 tcp17 二重変異体は日陰での胚軸伸長が低下し、tcp5 tcp13 tcp17 三重変異体(3tcp )では更に日陰に対する応答性が低下した。日陰に応答して発現する遺伝子群(PIL1IAA19IAA29GH3.3 )の発現は、TCP17-OX 芽生えで増加しており、3tcp 変異体では減少していた。これらの結果から、TCP17、TCP5、TCP13は日陰に応答した胚軸伸長の促進において冗長的に影響していると考えられる。Wcで育成した芽生えを日陰条件に移すと、TCP17 転写産物量は急速に減少したが、TCP17タンパク質の蓄積量は増加した。TCP17タンパク質は26Sプロテアソーム経路によって分解される不安定なタンパク質で、分解はWcによって促進されることが判った。したがって、日陰ではTCP17タンパク質の分解が遅延して蓄積すると考えられる。日陰による胚軸伸長にはオーキシンが関与しており、日陰で育成している3tcp 変異体をオーキシン処理することで胚軸伸長が回復した。また、Wcで育成したTCP17-OX は野生型よりも内生オーキシン量が多かった。また、Wcで育成した3tcp 変異体の内生オーキシン量は野生型よりも少なく、日陰条件に移してもオーキシン量の増加は見られなかった。これらの結果から、TCPは日陰によって誘導されるオーキシン生合成を制御していると考えられる。日陰による成長促進にはPHYTOCHROME INTERACTING FACTOR(PIF)転写因子が関与している。TCP17 を過剰発現させたpif4 変異体もしくはpif1,3,4,5pifq )変異体の日陰育成芽生えの胚軸は、TCP17-OX のものよりも短くなった。また、PIF4 を過剰発現させた3tcp 変異体は、PIF4 過剰発現系統と同様に恒常的に日陰応答を示した。したがって、TCP17はPIFに依存して避陰応答を制御していることが示唆される。日陰条件でのTCP17-OX 芽生えのPIF4PIF5 の転写産物量は野生型よりも増加していた。しかしながら、これらの転写産物量は3tcp 変異体で減少していなかった。したがって、TCP17はPIF4PIF5 の発現を正に制御しうるが、これらの転写因子の発現は他の未同定因子によっても制御されていると思われる。また、これらの転写因子の変異体でTCP17 の発現量は変化していなかった。クロマチン免疫沈降(ChIP)-qPCR解析の結果、TCP17はPIF4PIF5 のプロモーターに結合し、この結合は日陰処理によって増加することが判った。よって、TCP17はPIF4PIF5 のプロモーター領域に直接相互作用をし、日陰条件でのこれらの発現を促進していると考えられる。また、TCP17はオーキシン生合成酵素をコードするYUC2YUC5TUC8 のプロモーター領域と相互作用をしてこれらの遺伝子の発現を直接活性化していることが判った。したがって、TCP17は日陰に応答してPIF転写因子遺伝子やオーキシン生合成酵素遺伝子の転写を促進し、胚軸伸長を制御していると考えられる。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

学会)第65回日本生態学会大会(札幌)

2018-03-15 23:20:14 | 学会参加

第65回日本生態学会大会が2018年3月14日から18日までの5日間、札幌コンベンションセンターで開催された。本会議場での開催は2011年以来7年ぶりである。2011年は大会開催中に東日本大震災が発生し、帰宅困難者が出たことを思い出す(私は、仕事の関係で3/11の前に地元に戻ったのでそうならずに済んだ)。一般公演は15日から始まり、17日は総会、授賞式・受賞講演会、18日は公開講演会「極限に棲む生物の生き様 – 身近な生態系の成り立ちを知るヒント」が開催される。

 

札幌開催の学会ではお馴染みの会場の札幌コンベンションセンター。今回は大会の看板等は何もなかった。看板がなくても関係者はやってくるので不要といえば不要だ。

 

今年は3月に入って暖かくなってきたので、札幌も例年より積雪は少ないのかもしれないが、雪は残っており、歩道はベチャベチャだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

論文)地上部への遠赤色光照射による根系の変化

2018-03-12 21:29:04 | 読んだ論文備忘録

Far-Red Light Detection in the Shoot Regulates Lateral Root Development through the HY5 Transcription Factor
Van Gelderen et al. The Plant Cell (2018) 30:101-116.

doi:10.1105/tpc.17.00771

密植された植物は周囲の植物が反射する遠赤色(FR)光をフィトクロムが検知してシュートの伸長を促進させる。しかしながら、その際の根系の成長変化については不明な点が残されている。オランダ ユトレヒト大学Pierik らは、地上部にFRを含んだ光(WL+FR)を照射したシロイヌナズナ芽生えの根は、白色光(WL)を照射した対照よりも側根密度が低下し、側根数、側根長が減少し、主根も短くなることを見出した。側根を発達ステージ毎に分けて調査した結果、WL+FRは側根原基の出現を抑制していることが判った。フィトクロム変異体のphyA-501 変異体とphyB-9 変異体ではWL+FRによる側根密度の低下が見られず、phyA-105 変異体の側根密度はWL照射下の野生型と同等、phyB-9 変異体の側根密度は恒常的に低く、WL+FR照射した野生型と同等であった。しかしながら、地上部のWL+FRに対する応答を見ると、phyA-501 変異体は野生型よりも応答性が高くなっており、phyB-9 変異体はWL照射、WL+FR照射に関係なく恒常的に胚軸が野生型よりも伸長した。WL+FRに応答してphyBの下流で胚軸伸長を制御しているPIF4、PIF5、PIF7の三重変異体pif4 pif5 pif7 はWL+FRによる胚軸伸長が起こらないが、側根密度は減少した。これらの結果から、フィトクロムはWL+FRによる側根密度の減少に関与しており、WL+FRによる胚軸伸長は根での応答とは連動していないことが示唆される。WL+FRを根に照射しても主根や側根の形態は通常の光を照射した場合と同等であった。根に赤色(R)光を照射するとWLを照射した場合と比べて側根密度が低下するが、地上部にWL+FRを照射し根にR光を照射すると更に側根密度は低下した。したがって、根へのR光照射は地上部に照射したFR光を中和せず、FR光が根に直接伝達されたのではないと考えられる。最近の研究で、光形態形成の正の制御因子として機能するELONGATED HYPOCOTYL5(HY5)はシュートから根へ輸送されることが報告されている。HY5 とそのホモログのHY5 HOMOLOGHYH )の変異体を解析した結果、hy5 hyh 二重変異体は側根密度が野生型よりも高く、WL+FRを照射しても密度の低下は起こらないことが判った。よって、HY5 は側根形成を抑制し、FR光による側根密度の低下に大きく関与していることが示唆される。WL+FR照射した芽生えの側根原基はHY5タンパク質の蓄積量が多くなっていた。また、WL+FR照射した芽生えでは地上部と根の両方でHY5 転写産物量が増加しており、HYH 転写産物量は地上部では増加していたが、根での増加は見られなかった。側根形成にはオーキシンが関与していることから、芽生えを育成する培地にオーキシン(IAA)を添加したところ、低濃度のIAA添加によってWL+FR照射による側根密度の低下が解消され、WL照射と同程度の側根密度となった。オーキシン生合成遺伝子を過剰発現させた系統やオーキシン生合成遺伝子をノックアウトした系統は、WL照射下での側根密度に差異が見られるが、何れの系統においてもWL+FR照射による側根密度の低下が起こった。WL+FR照射によって地上部においてオーキシン生合成遺伝子YUCCA8 の発現量が増加したが、根ので発現量は増加しなかった。したがって、WL+FR照射による地上部でのオーキシン生合成の変化は根での応答に影響していないと考えられる。DII-venusYFPを用いて側根原基周辺のオーキシン濃度を詳細に解析したところ、WL+FR照射によって側根原基自体のオーキシン量の変化は見られなかったが、発生初期の側根原基を覆う皮層細胞のオーキシン量は減少した。側根原基を覆う皮層のオーキシン応答は原基が皮層を貫通する過程において重要である。そこで、オーキシンに関連して側根出現を制御している因子の変異体を解析したところ、AUXIN RESPONSE FACTOR19(ARF19)、 INFLORESCENCE DEFICIENT IN ABSCISSION(IDA)、LIKEAUX1 3(LAX3)、PIN-FORMED3(PIN3)の変異体はWL+FR照射による側根密度の減少が少ないことが判った。PIN3とLAX3はオーキシントランスポーターであり、細胞膜に局在している。側根原基を覆う皮層細胞膜のPIN3とLAX3はWL+FR照射によって減少し、この減少はhy5 変異体では見られなかった。したがって、HY5は、側根の出現にとって重量な領域である皮層細胞の細胞膜に局在するPIN3、LAX3のWL+FR照射による減少に関与していることが示唆される。以上の結果から、地上部が検知したFR光は側根原基においてHY5の蓄積をもたらし、この蓄積によって原基を覆う皮層細胞のオーキシントランスポーターLAX3、PIN3の量が低下してオーキシン含量の低下を引き起こし、オーキシン含量の低下によって細胞の分離に関与するIDA の発現量が低下して側根の出現が抑制され、側根密度の低下が起こると考えられる。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

論文)脱ユビキチン化酵素による根の成長制御

2018-03-03 09:52:49 | 読んだ論文備忘録

Regulation of the stability of RGF1 receptor by the ubiquitin-specific proteases UBP12/UBP13 is critical for root meristem maintenance
An et al. PNAS (2018) 115:1123-1128.
doi:10.1073/pnas.1714177115

ユビキチン化は、タンパク質の分解シグナルや機能調節を担う翻訳後修飾の1つである。この修飾は可逆的であり、脱ユビキチン化酵素(DUB)によって脱ユビキチン化されることでタンパク質の機能が回復する。シロイヌナズナゲノムには64のDUBがコードされており、これらは5つのサブファミリーに分類されている。以前の研究で、DUBのユビキチン特異的プロテアーゼ(UBP)サブファミリーをコードするUBP12UBP13 が、植物の免疫応答、日長感応花成誘導、ジャスモン酸シグナル伝達に関与していることが報告されている。中国 河北師範大学のTang らは、シロイヌナズナのT-DNA挿入ubp12,13 二重変異体の表現型を観察し、この変異体は非常に小型で、4週目以降は成長が止まり、その後徐々に枯死していくことを見出した。ubp12,13 二重変異体の根は非常に短く、分裂組織の幹細胞ニッチに異常が見られ、皮層細胞数が減少していた。これらの結果から、UBP12UBP13 は根分裂組織の発達制御に関与していることが示唆される。シロイヌナズナの根分裂組織の維持に関与する因子の発現を観察したところ、ubp12,13 二重変異体ではPLETHORA 1PLT1 )およびPLT2 の発現が低下していることが判った。また、ubp12,13 二重変異体でPLT2 を発現させることで部分的な表現型の回復が見られた。よって、UBP12UBP13PLT1 /PLT2 経路の上流で作用し、根分裂組織の大きさを制御していることが示唆される。UBP12/UBP13の基質となりPLT1 /PLT2 の発現を制御する因子を同定するために、UBP13と相互作用をするタンパク質を酵母two-hybrid法で選抜したところ、ロイシンリッチリピート(LRR)型受容体様キナーゼ(RLK)でペプチドホルモンROOT MERISTEM GROWTH FACTOR 1(RGF1)の受容体であるRGFR1とそのホモログのRGFR2が見出された。ベンサミアナタバコを用いたアッセイから、UBP13とRGFR1/RGFR2は生体内においても相互作用をすることが確認された。ubp12,13 二重変異体ではRGFR1タンパク質量が対照よりも減少していた。RGFR1タンパク質はRGF1処理をすることでユビキチン化が促進され、量が減少するが、ubp12,13 二重変異体をRGF1処理をするとRGFR1タンパク質は検出限界以下に減少した。また、野生型植物およびubp12,13 二重変異体をプロテアソーム阻害剤のMG132で処理することでRGFR1タンパク質量が増加した。UBP13 を過剰発現させることでRGFR1タンパク質量はわずかに増加し、RGF1処理によるRGFR1タンパク質のユビキチン化が低下してRGFR1タンパク質の代謝回転が遅くなった。したがって、UBP13はRGFR1の脱ユビキチン化を制御しており、RGFR1の安定に貢献していると考えられる。野生型植物の芽生えをRGF1処理をすると主根は波打って伸長し、PLT2タンパク質量が増加し、根分裂組織皮層細胞の数が増加するが、ubp12,13 二重変異体芽生えはRGF1処理に対して非感受性であった。また、ubp12,13 二重変異体でRGFR1 を過剰発現させることでubp12,13 二重変異体の根の表現型が部分的に回復した。以上の結果から、UBP12、UBP13はRGFR1を脱ユビキチン化し、RGF1によるRGFR1のユビキチン化と拮抗することでRGFR1タンパク質量の維持に関与しており、このことがRGF1-RGFR1-PLT1/PLT2シグナル伝達経路を介した根分裂組織の発達を制御していると考えられる。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする