ミヤコグサ(都草)
Lotus corniculatus L. var. japonicus Regel
マメ科ミヤコグサ属
北海道、本州、四国、九州、琉球、朝鮮、中国、ヒマラヤに分布する多年生草本。茎は束生し、無毛で、直立するか、やや地をはって斜めに立ち上がる。葉は互生し、有柄の3出複葉、小葉は楕円形あるいは倒卵形、全縁で先端は急に小さくとがる。基部は鈍形。葉柄の基部に1対の葉状の托葉がある。葉腋から花柄を出し、先端に1~3個の鮮黄色の花を咲かせる。花は典型的な蝶形花であり、栽培条件下においては、翼弁が開かずに自動自家受粉をする。萼は筒状で先は裂ける。土堤や路傍、芝地などに生え、神奈川県内では山地の高所を除いて全域に広く普通に分布している。和名の由来として、牧野植物図鑑には、「昔この草が京都大仏の前、耳塚のあたりに多かったので、この名がついたのであろう」とある。
ミヤコグサは、1) ゲノムサイズが小さい (0.47 Gb)、2) 世代期間が短い、3) 種子生産が多い、4) 植物サイズが小さい、5) 人工授粉が容易である、6) アグロバクテリウムによる形質転換が可能であるといった特徴から、マメ科のモデル植物として用いられており、岐阜市の長良川河畔由来の「Gifu B-129」と沖縄県宮古島の東平安名崎由来の「Miyakojima MG-20」の2つの系統は、世界中で実験系統として利用されている。
ミヤコグサとよく似た変種のセイヨウミヤコグサ(L. corniculatus L. var. corniculatus)は、ヨーロッパ原産で日本各地に分布しているが、関東以北の日本海沿岸や北海道によく分布している。1つの花序につく花の数が7個までと多数の花がつくこと、茎や葉に毛があること、がく裂片が筒部と同じかやや短いこと、などの形態でミヤコグサと区別される。セイヨウミヤコグサは基本的には自家不和合性で4倍体だが、ミヤコグサは2倍体。
2024年5月2日 神奈川県横須賀市観音崎公園
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