ハマナデシコ(浜撫子)
Dianthus japonicus
ナデシコ科ナデシコ属
別名:フジナデシコ(藤撫子)
一般に海岸の崖や砂地に生育する多年草で、本州(太平洋沿岸、一部日本海側西部の沿岸部)から沖縄および中国に分布する。茎は数本が直立して叢生し、強壮で下部は木質化する。葉は対生で非常に短い柄があり、卵形ないし長楕円形で先端は短い鋭形、厚く光沢があり、全縁で両面とも無毛だが縁には毛がある。茎の先に集散花序を付け、多数の紅紫色の花を密集する。花弁は5個、倒卵形で先端が歯牙縁となる。雄しべは10個、花柱は2個。
和名の「ハマナデシコ」は海辺に生えるナデシコであるから、「フジナデシコ」は花の色に基づいたものである。属名の「Dianthus」は、dios (神)+anthus (花) で、神聖な花の意、種小名は「japonicus(日本の)」で、命名者はスウェーデンの植物学者、博物学者、医学者で、リンネの弟子のCarl Peter Thunberg(ツンベルグ、ツュンベリー、トゥンベリ)。Thunbergは、1775年~1776年に日本滞在して植物採集を行ない、多くの論文を発表、「日本植物誌 (Flora Japonica)」を著している。
「増補改訂 牧野新日本植物圖鑑」では、本種は「フジナデシコ」の和名で記載されており、「ハマナデシコ」はカッコ書きとなっていた。図鑑の解説には、「ハマナデシコには同名の別種がある」とあったが、図鑑からは別種に相当する植物の記載を見つけられなかった。
2024年6月9日 神奈川県横須賀市観音崎公園
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