Laboratory ARA MASA のLab Note

植物観察、読んだ論文に関しての備忘録
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植物観察)箱根

2024-06-26 11:05:20 | 植物観察記録

箱根へバイケイソウの観察に行ってきました。箱根のバイケイソウは開花が始まったところなので、訪花昆虫の観察をしました。以前から見られるように、訪花昆虫としてはハネカクシが多く見られました。花弁の基部に口をつけていたり、花上でじっとしているハネカクシもいましたが、多くの場合、せわしなく花の表裏や花茎のあたりを動き回っていました。ですので、ハネカクシはバイケイソウの花の蜜や花粉を摂食するのではなく、花の発する臭いにつられて訪花しているのではないかと思われます。また、今回は、以前に見られたような、2頭のハネカクシが重なって交尾しているような様子は見られませんでした。時期的に交尾の季節ではなかったのかもしれません。花の発する臭いに集まるということでは、クロバエやキンバエも訪花しており、背中に沢山の花粉をつけていました。ですので、バイケイソウの花は独特の臭いを発することでハネカクシやハエを集め、ポリネーターとして利用しているのではないかと思われます。ヒメハナバチの訪花も見られ、ヒメハナバチについては明らかにバイケイソウの花粉を集めているように見えました。アリも訪花していましたが、小さすぎて雄しべに接触することはなく、アリについてはポリネーターとしての貢献は殆どないと思われます。他にも、コメツキムシやハムシの訪花が見られました。

 

 

ハネカクシは花上にいる個体もあるが、花の周囲をうろついている個体も見られる。

 

 

 

ハエは背中に大量の花粉をつけている。ヒメハナバチはバイケイソウの花粉を集めている?

 

 

アリは小さすぎてポリネーターとしての貢献は低いか

 

 

コメツキムシは背中に花粉をつけている。ハムシ?はポリネーターとしてい小さすぎるか

 



今年のように花成個体数が少ないときによく目立つ?のだが、同じくらいの草丈の2株もしくは3株が並んで開花していることがある。これは同じ親から生じた2~3個の子ラメット(わき芽)が同じような生長をして同じ年に花成したものと思われる。実生が花成するまで何十年もかかるとされているバイケイソウは、このようなクローン繁殖によっても個体数を増やしている。

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