≪ 2019・8・8 掲載記事 ≫
少~し、数年前から、気になっていた。
その昔、昭和42年。このような、当時の表現で言うなら、コケティッシュな、はたまた、キュートな顔立ちで、レコード・デビュー。
公称にせよ、80万枚を売り上げたというのは、そう、ふくらませた数字では無い。
今と違い、ラジオやテレビで歌い、流される曲は、3番のうち、1番と3番の、それも、短縮版。
それ以外、一切聴くことが出来ない時代。
聴きたければ、レコード店に行って、ドーナツ盤を、購入して、自宅で、針を落として、聴くしかない時代。
紅白歌合戦にも、出場した。
続く、「砂の十字架」、「恋の綱渡り」
これも、ヒットした。
流れに乗って、GSの「ザ・ジャガーズ」を、バックに歌い、映画にも、出演。
わが世の春を、謳歌(おうか)し続けた。
「ザ・ベストテン」にも、出た。
だが、人生、上り坂が有れば、下り坂が、必ず、ある。
売れていた者にとって、自然の摂理とはいえ・・・・・。
目先を変えてフォークグループの、六文銭や、ミュージカル俳優の、細川俊之とも、合唱も試みたが・・・・。
「いかしてる」という、誉め言葉も、時代を感じさせて、懐かしい。
後年、「ベルサイユの、トラック姐ちゃん」なる、時代を匂わせる題名の映画に出て・・・最後は、ヘアヌード写真集と、「日活ロマンポルノ」の、その名も、「待ち濡れた女」に出た時には、何とも、複雑な想いが、胸をよぎった。
以降・・・・CDでの、再編集モノを、幾たびか、発売。
レコードをかけられなくなった、往年のファンが、購入して、オシマイ。それも、4年前までで、事実上、終了。
テレビの、歌謡番組も、8年前に、このように出て、終えたきり、みかけていない。
声も、声量も、声の伸びも、墜ちていなかったのだが・・・・・。
所属事務所というより、所属までせず。
出演依頼があれば、その事務所を通じて、出る、出ないの、可否を判断して、出たりもしていたようだったが・・・・。
今年に入って、その「業務提携」も、打ち切ったのか、彼女の顔写真と、名前が、消え去った。
すでに、71歳にも、なっていた。
夢・・なんとかで、かつてヒット曲を持っていた、老齢歌手たちが、パックで、全国各地を巡るコンサートにも、参加せず。
他と違い、3曲も持っているのだから・・・・とも、想ったのだが・・・・・。
直接、今を、聞き質すしかないかなあ・・・と。
父の後、母も、24年前に死去。
もともと、実家の敷地は、広く、実家には、弟と、その妻の家族が、そのまま住み、敷地内に、元々建てていた、晃子の家は、白亜の豪邸と言ってもいい、デカい、L字型の家。
だが、親交は、隣接していながら、まったく、無い。
挨拶すら、交わさない。
何がそうまでさせたのかは、知らないが、絶縁状態であることには、変わりがない。
晃子の家の中には、エレベーターも備わっていると、テレビ番組で、かつて、紹介されたそうだが、観ていないので、真偽は、分からない。
金銭で、多く使ったのは、外車の、買い替え。
そのぐらい。
なので、引退していても、晩年の暮らしぶりは、はてさて・・・・・。
かつては、恋愛が報じられもしたが、今は、通い同棲も、無い。
独り身のようだ。
入院や、闘病は、聞いていない。それは、弟の嫁に、確認していた。
先日、その豪邸の、インターフォンを、押した。
今まで、一度も出ることは無かったのに、この日は出たあ!
「はい」
元歌手とは思えぬ、太い、普通の、そこいら辺の、オバサン声。
やはり・・・・・71歳かあ・・・・・。
---歌が聴けなくなって、もう、数年も経っているんですが?
「ん?歌あ? もう、とっくに、辞めたわよお。歌う気持ち、もう、全然、無いもん」
---いつごろ、そう決めたんですか?
「もう、ずいぶん前よ」
---それで、業務提携もやめた?
「そうそう。出てくれと言うトコロも、なくなったし」
---でも、夢グループみたいな、みんな揃って、並んでというのも、あるじゃないですか?
「ああいうの、私、出るつもり、ないもん」
---じゃあ、もう、完全、引退、廃業宣言したと?
「そうですね」
「もう、どこにも、頼まれても、出る気ありませんから」
---失礼ですが、今後の食べてゆく生活は?
「生活う? それは(笑い)・・・・・大丈夫です。心配してもらわなくても」
見上げれば、まごうこと無き、豪邸。
家賃、ゼロ。いざとなれば、独り身。
売り食いして行けば、他界まで、まず、間違いなく、充分に、食べていける。
病も無く、太いが、元気な、あっけらかんとした声を聴いて、一安心。
外に、出てきてもらっての、写真撮影なんて、・・・・拒否、だろうなあ・・・。
かつて、歌わなくなった頃。
他の取材の帰り、豪邸の前にちょこっと寄ってみたら、家の真向いの近所の家の前に、彼女がいた。
大きな白い犬を、可愛がっていた。その家の、犬とか。
顔、すっぴんなのに、観るに十分、耐えられる顔。年齢より、若い顔。
でも、「撮っていいですか?」と聴いたら、即座に、顔の前に、両手を覆い、バッテン、駄目のサイン。
で、辞めた。元気だったし・・・・・。
という、引退報告記事です。
かつての、歌う動画、
今でも、充分、観られます
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≪ 2020・11・18 追記 ≫
上記、中村晃子の歌声、ヒット曲も含め,8曲。
NHK-FM、「歌謡スクランブル」昭和歌謡コレクションの後半
本日、午後1時20分過ぎから、「中村晃子 特集」として、久びさに、流れます。
かつて、ファンだった方、懐かしいと感じられる方
お聴きになってみたら、どうでしょうか・・・・