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アイリアノス『ギリシア奇談集』:「芸術に関するテーバイの法」(画家・彫刻家への罰金)!「恩義を忘れなかった人々」(青銅で黄金)!

2021-06-20 15:18:06 | 日記
※アイリアノス(200A.D.頃)『ギリシア奇談集』(第1~14巻)岩波文庫

第4巻(04)「芸術に関するテーバイの法」:へたくそな画家・彫刻家への罰金!
テーバイには、画家・彫刻家に、「実物以上に勝れた作品」を制作することを義務づけた法律がある。「実物よりも劣った似姿」を刻んだり描いたりした者には、法律で罰金1000ドラクメが課せられる。
《感想》当時、1ドラクメで「2日暮らせた」という。1000ドラクメは2000日分の生活費だ。画家・彫刻家はこのような罰金があって大変だ。肖像画や彫刻は、今で言えば、「お見合い写真」のようなものだったのだろう。あるいは法律で罰金を課すことによって、画家・彫刻家の技量を保障しようとした。( 国家試験の代わりだ!)

第4巻(05)「恩義を忘れなかった人々」:「緋色の外套」と「祖国サモス島の支配者」!
ダレイオス(1世)が私人であった頃に、シュロソンから「緋色の外套」を貰った。ダレイオスがペルシア王(位前522-前486)となった後、シュロソンはダレイオスの力で「祖国サモス島の支配者」にしてもらった。(シュロソンは兄王によってサモス島から逐われていた。)「青銅で黄金」のたぐいだ。
《感想》「青銅で黄金」とは、「青銅の武具」(牛9頭の値打ち)を「黄金の武具」(牛100頭の値打ち)と交換すること。「海老で鯛を釣る」と同趣の諺だ。
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『白川前日銀総裁が英議会で証言、金融緩和「超長期化」の末路』(『週刊ダイヤモンド』2021/6/19号):「超金融緩和策」がコロナ終息後もずるずると続くと、「ゾンビ企業」が生き続ける!

2021-06-20 13:54:44 | 日記
(1)《インフレ率を押し上げようとした日本銀行》は、完全に失敗した!
米財務長官でハーバード大学のローレンス・サマーズ教授は2019年8月の論文で「インフレ率を押し上げようとした日本銀行の広範囲の努力は完全な失敗となった」と述べた。だが実は、米国の多くの高名な経済学者たちはかつて、日本経済の低迷の原因は不十分な金融緩和策による低インフレ率にあると、日本銀行を激しく批判した。今やサマーズ教授は「金融政策によりインフレ率をいつも定めることは、中央銀行にできない」と誤りを認めた。
《感想1》「米国の多くの高名な経済学者たち」は単に誤りを認めればいい。(気楽なものだ!)日本経済は日銀の超金融緩和の結果、企業のゾンビ化が進みつつある。(後述)

(2)「超金融緩和策」の結果責任を負うべきは黒田日銀総裁と安倍首相だ!
黒田東彦(ハルヒコ)日銀総裁は2013年、「超金融緩和策」を実施。大胆な緩和策を行えば「2年程度でインフレ率2%の目標は達成可能だ」と信じていた。(『ドキュメント日銀漂流』西野智彦著)そして「アベノミクス」推進のため、安倍晋三首相(当時)が、黒田東彦(ハルヒコ)を日銀総裁に選んだ。
《感想2》日銀の「超金融緩和策」の結果責任を負うべきは黒田東彦日銀総裁と安倍晋三首相(当時)だ。

(3)黒田日銀総裁は、米国の経済理論に追随し、日本にきちんと目を向けない!
だが黒田氏が信じた経済理論は、日本の構造的要因を知らない(上述したような)当時の米国の経済学者らが構築したものだ。(ア)インフレ率伸び悩みの主因は日本の賃金の伸びが不十分だった点にある。(日本には賃上げより雇用の維持を強く重視する労使慣行がある。Cf. 非正規雇用4割、正規でもリストラあり。)また(イ)世界最速の日本の高齢化・生産年齢人口減少に伴う需要の縮小もインフレ率を上昇させない。(米国の生産年齢人口は今後も増加する。)
《感想3》愚かな日銀総裁。米国の経済理論に追随し、日本にきちんと目を向けない「洋学紳士」だ。Cf. 中江兆民『三酔人経綸問答』(サンスイジンケイリンモンドウ)1887年。洋学紳士(紳士君)、東洋豪傑(豪傑君)、南海先生が議論する。

(4)政府・日銀が「インフレ率をあげる」と言えば「自分の賃金や年金が増えていく」と予想できないので、多くの消費者は生活防衛的になり節約に傾く!
(ウ)日本では「自分の賃金や年金が増えていく」と予想する楽観的な人は少ない。そういった状況下で、政府・日銀が「インフレ率をあげる」(年率2%で上昇すれば30年後、物価は81%上昇)と強調すれば、人々は「自分の生涯の実質賃金は目減りする」と不安が募る。多くの消費者は生活防衛的になり節約に傾く。
《感想4》「インフレを起こす」つまり「物価を上げる」などと政府・日銀が言うのは、生活者の敵だ。賃金も上がらず(Ex. 非正規雇用4割、正規でもリストラあり)、年金が増えていかない状況で、物価が上がれば誰もが困る。

(5)アベノミクスは、国民の生活(実質民間最終消費支出)を、改善しなかった!
2019年(コロナ危機前)までアベノミクス下の7年間で実質民間最終消費支出は、累計でたった0.8%しか伸びなかった。その前の2012年までの7年間は、世界金融恐慌(2008リーマンショック~)、東日本大震災(2011)、ユーロ危機(2010ギリシア危機~)と危機の連続だったのに、実質民間最終消費支出は累計で3.5%伸びた。
《感想5》超金融緩和を「第1の矢」と呼んだアベノミクスは、国民の生活(実質民間最終消費支出)を、改善しなかった。何もしなければ、むしろ実質民間最終消費支出は拡大したはずだ。「インフレを起こす」・「物価を上げる」などと政府(アベノミクス)・日銀が言うので、人々が心配し消費にカネを回せなくなった。しかもそもそも賃金も上がらなかった。(Ex. 非正規雇用4割、Ex. 正規でもリストラあり!)

(6)「超金融緩和」は政府にとって大変居心地が良い:(a)利払い費を気にせず財政拡張、(b)超低金利で円高回避、(c)超低金利(債券価格の上昇)による株価上昇!
政府・与党はやがて「インフレ目標の実現を目指すことは得策でない」と察知する。(2018年安倍首相が日銀総裁に再任した黒田氏に「2%にこだわることはない」と伝えた。)だが、それはまた「間違っても出口なんて考えるなというメッセージ」でもあった。超金融緩和は政府にとって大変居心地が良い。国債の発行金利がゼロ%近辺あるいはマイナスであれば、(a)利払い費を気にせず財政拡張を(当面)行える。また (b)超低金利で円高回避が可能。さらに(c)超低金利(債券価格の上昇)は株価上昇をもたらす。
《感想6》政府・与党・日銀は「超金融緩和」(2013年~)を続ける。そして「コロナ危機」(2020年~)が発生し、超金融緩和・財政拡張が世界各国で採用された。

(7)「超金融緩和策」がコロナ終息後もずるずると続くと、「ゾンビ企業」が生き続ける!
だが、超緩和策がコロナ終息後もずるずると続くと、いったい何が起きるのか?中央銀行の「アグレッシブな緩和」(超金融緩和)で「クレジットスプレッド」(証券などの発行体の信用力に基づく利回り差)が圧縮され、本来は資金を適切に配分するクレジット市場の機能が低下する。《生産性の向上につながらない投資》の比率が高くなり、いわゆる「ゾンビ企業」が生き続ける。超金融緩和の「長期化」は、経済の新陳代謝を低下させ、一国の経済の生産性を低下させる。
《感想7》「クレジット市場」が「資金を適切に配分」し、経済の新陳代謝を促進し、経済の生産性を向上させるためには、超金融緩和は終了させなければならない。Cf. 日本の「失われた30年」!

(8)超低金利や財政支出に長期間依存すると、生産性の低い企業が増え、それらを支えるために金融緩和や財政支援策がさらに必要になる:日本の悪循環!「失われた30年」!
コロナ危機下で多くの先進国が金融緩和と財政拡張策を大規模に実施した。それによって主要13カ国の企業倒産件数は、過去の景気後退とは正反対に、減少している。超低金利や財政支出に長期間依存すると、生産性の低い企業が増え、それらを支えるために金融緩和や財政支援策がさらに必要になる。特に日本は金融緩和を30年以上実施してきたため、既に悪循環が生じている。日本の悪循環が他国で増えないためには、金融・財政政策の正常化(超金融緩和の終了)が、アフターコロナ期の世界的な課題となるだろう。
《感想8》日本企業は、超低金利や財政支出に長期間依存し生産性が落ちている。「失われた30年」!2009 年以降、日本は香港、台湾.よりも 1 人当たり所得水準が低い。かつては世界の15%を占めていたGDP(1989年15.3%)も30年間で6%(2018年5.9%)へと縮小した。
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