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浮世博史『もう一つ上の日本史、近代~現代篇』(84)-3 百田氏の誤り③:日本国憲法のGHQ案は、憲法研究会案(憲法学者の作った憲法草案)を下敷きにしている!

2021-06-18 11:50:39 | 日記
※浮世博史(ウキヨヒロシ)「もう一つ上の日本史、『日本国紀』読書ノート、近代~現代篇」(2020年)「敗戦と戦争」の章(315-384頁)  

(84)-3 百田氏の誤り③:日本国憲法のGHQ案は、憲法研究会案(憲法学者のグループ)を下敷きにしている!(326-327頁)
C-4 百田氏は日本国憲法のGHQ案作成の過程について、「民生局のメンバー25人・・・・の中に憲法学を修めた者は1人もいなかった」と述べ、《問題である》と指摘する。しかしGHQは民間の「憲法研究会案(憲法学者のグループ)」を下敷きにしている。だから、民生局のメンバー25人の中に「憲法学を修めた者」がいないことは指摘すべき大きな《問題でない》。GHQ案は、そもそも憲法学者の作った憲法草案を参考にしている。以下、詳しく見よう。(326-327頁)
C-4-2 「マッカーサーが憲法改正を示唆した段階で、日本の政党や団体、あるいは個人がさまざまな憲法草案を作成した。」(326頁)
(a)保守政党の自由党案・改進党案:明治憲法とほぼ同じで、松本試案とあまり変わらない。
(b)憲法懇話会案(社会党・文化人グループ):天皇の統治権を制限した上で、天皇制を存続させる。
(c)共産党案:天皇制廃止と共和制を定める。
(d)憲法研究会案(憲法学者のグループ):天皇制存続・国民主権で、天皇は「国家的儀礼」を執り行うとする。
C-4-3 GHQは(d)憲法研究会案を高く評価した。日本国憲法のGHQ案は、「都合のいい抜き書き」でないだけでなく(既述)、憲法研究会案(憲法学者のグループ)を下敷きにしているので、民政局のメンバーに「憲法学を修めた者」がいないことは、指摘すべき大きな《問題でない》。(326-327頁)
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