DIARY yuutu

yuuutunna toki no nikki

映画『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』(1960年):シーモアは自分がもたらした死の責任をとって、決死の戦いを食人植物と行い敗北した!シーモアの不幸な運命の物語だ!

2021-06-15 15:14:56 | 日記
※映画『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』Little Shop of Horrors(1960年、アメリカ)

売れない花屋の店員シーモアと食人植物“オードリー・ジュニア”の愛憎の物語。その植物は肉食性であり、人間のように話すことが出来る。そしてその植物は「人間を食べる」ためにシーモアに殺人を要求する。
(1)
スキッド・ロー(ロサンゼルス)のムシュニク花店の店員シーモアは、主人のムシュニクに、まるで奴隷のようにこき使われている。シーモア青年の心のよりどころは同僚の女店員オードリーだ。彼女は気のいい金髪娘だ。シーモアは名前も知らない日本の植物を、家から珍種として花店に持ってくる。それを彼は“オードリー・ジュニア”と名づけた。日が沈むと、その植物“オードリー・ジュニア”は口を開く。シーモアがそのつぼみを何気なくつついたところ、何とそのつぼみが彼の指先に喰いつく。そして血をピチャピチャ吸いはじめた。
(2)
カンコ鳥が鳴いていたムシュニク花店は“オードリー・ジュニア”を見ようと、連日押すな押すなの大盛況となった。ところがしばらくして“オードリー・ジュニア”が、突然枯れそうになった。血をやらなかったからだ。店主ムシュニクは、“オードリー・ジュニア”の面倒をちゃんとみるよう、シーモア青年に厳命した。そこでシーモアは自分の血を“オードリー・ジュニア”にやる。“オードリー・ジュニア”は「腹が減った。食わせろ」と盛んに要求し、いくらでも血を求める。シーモアは困り果て、どうしたらいいか夜の町に出かけ考える。
(3)
シーモアは鉄道の敷地に至り、困り果て茫然として石を投げると、偶然、人(鉄道員)の頭に人に当たってしまう。その鉄道員がふらふらと線路に入り、電車にはねられる。シーモアはその死体を花屋に運び“オードリー・ジュニア”に食べさせる。ところが死体を食べさせているところを、秘かに主人ムシュニクに目撃されてしまう。ムシュニクは明日、警察に届けようと決意する。
(4)
ところが翌朝、奇妙な植物“オードリー・ジュニア”の見物人で花店が大繁盛する。「これで大儲けできる」と知って、主人ムシュニクは気が変わり、警察に届け出るのを辞める。人を食べた翌日、“オードリー・ジュニア”は一挙に4倍に成長した。人気が一層高まる。
(5)
シーモアはたまたま歯痛になり歯医者に行くが、歯医者(ファーブ先生)と喧嘩し、誤って歯医者を殺してしまう。困ったシーモアは彼を花屋に運び、“オードリー・ジュニア”に食べさせる。かくて①鉄道員、②歯科医、2人の失踪事件で警察の殺人課が捜査を始める。他方で女店員オードリーは、立派に大きく育った“オードリー・ジュニア”を見て、飼育したシーモアを尊敬し、シーモアに恋するようになった。
(6)
刑事が花屋の主人ムシュニクに事情を聴きに来た。「シーモアが死体を“オードリー・ジュニア”に食べさせる」のを目撃していたムシュニクが心配になり、シーモアを問い詰め、「あの化け物を何とかしろ!」と言う。その時、南カリフォルニア花鑑賞会の役員が“オードリー・ジュニア”の飼育員シーモアに会いに来る。「記念トロフィーが贈呈されます」とシーモアに伝えた。
(7)
オードリーがシーモアの家を訪問する。2人は結婚するつもりだった。その夜、花店の主人ムシュニクが“オードリー・ジュニア”の不寝番をしていた。「大食いの化け物」と主人が言うと、“オードリー・ジュニア”は「メシを寄こせ」と言い返した。主人が「食わせない」と言うと、「覚えてやがれ」と“オードリー・ジュニア”が脅す。その時、拳銃強盗が押し入る。主人は「札は植物のなかにある」と強盗を騙す。“オードリー・ジュニア”の開いた口を覗いた強盗がのぞき込むと、強盗は食人植物に食べられてしまう。主人ムシュニクは助かった。
(8)
シーモアとオードリーが花屋で、夜、食人植物“オードリー・ジュニア”の寝ずの番をする。だが“オードリー・ジュニア”の変な声が聞こえ、シーモアが「自分の腹話術だ」と本当のことを言わなかったので、オードリーは怒って帰ってしまう。その後、“オードリー・ジュニア”がシーモアに催眠術をかける。シーモアは外に、“オードリー・ジュニア”の食べ物(死体)をさがしにいく。シーモアが石を投げると、それが偶々当たって娼婦を殺す。シーモアは、娼婦の死体を運び、店で“オードリー・ジュニア”に食べさせる。
(9)
翌日、花屋でシーモアのトロフィー贈呈式が行わることになっていた。刑事2人も来る。やがて南カリフォルニア花鑑賞会の役員が、やって来た。その時、“オードリー・ジュニア”の口が開き、4つの花が咲く。その花のそれぞれに失踪者の顔が現れる。①鉄道員、②歯科医、③強盗、④娼婦。トロフィー贈呈式は大混乱。
(10)
シーモアが逃げる。刑事2人と花店の主人ムシュニクが追いかける。シーモアはうまく3人から逃れ、花店に戻って来る。シーモアは「俺の人生をメチャクチャにした!」と怒り、ナイフを持って、「メシを食わせろ」と口を開ける“オードリー・ジュニア”の口の中に自分から入り、食人植物を殺そうとした。しかしシーモアは“オードリー・ジュニア”に殺され食べられてしまう。死んで花となったシーモアが、「俺は4人を殺すつもりなどなかった」と言う。

《感想1》花店の店員シーモアに殺人の意図はなかった。①鉄道員は事故死、②歯科医も事故死、③強盗は店主ムシュニクの正当防衛、④娼婦も事故死だ。
《感想2》食人植物“オードリー・ジュニア”の出現は「日本産の種子を偶然、家でシーモアが植えた」ことによる。シーモアは食人植物であることなど、知らなかった。
《感想3》結局、シーモアは自分がもたらした4人の死の責任をとって、最後の戦いを食人植物と行い敗北した。シーモアの不幸な運命の物語!また①鉄道員も、②歯科医も、④娼婦も不運だった。なお③強盗は自ら強盗に入ったので、相手の正当防衛で死ぬのは(不運な面もあるが)自業自得だ。

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする