昨日は雨の中なので誰も来ないだろうとのんびりと朝を
楽しもうとしていたところ続々と注文やら在庫報告やらあり、
皆さんこの台風の準備として珈琲の確保もしたかったらしく、
焙煎も何度もすることとなりました。
そうするとそんな時に限り、時間を見つけてやっと来たので
ぜひ売ってくれと久方ぶりの顔の人が来たり、またその人が
忙しそうなのにぜひ一杯飲ましてくれと言ったり、ならんだ
豆から意外なことを言ったりと面白い日でした。
この暑さですし、本格的でうまさを実感できる豆をと大粒豆を
中心にじっくりと焼いた豆が並んでいた様を人々は随分色が
違うんですねと妙なことをいうのです。
同じ大粒豆でも焼き色が違うのは当然。
ケニアレッドマウンテンは夏でも深煎りです。一方コロンビアは
中深煎りで、同じ程度の焼き方でもその色はコロンビア独特の
淡い明るい茶色です。逆にタンザニアスノートップは夏は深煎りにして
アイス対応にしたりしますが、今大粒のアフリカ豆は希少であり、
シティぐらいでその味の醍醐味を一番引き出した焼き方ですが、色は
同じ時間で止めてもコロンビアより濃いこげ茶というより黒い豆です。
更にマンデリンは焼く前のオリーブ色から焼き上がりは明るい茶色で
その妙をみると人々はもともと土っぽいとか苦いだけという印象の
マンデリンに対して違う印象を抱くようです。それにこれは少し
寝かして油が回った感じになったマンデリンのうまさは格別なのに
それに触れた感想を言う人はいません。
つまりはまだまだ珈琲の魅力を知らずにただ多くの並んだ焼き豆の
迫力に喜ぶ程度で試飲してその一端に触れ多くの人がただびっくりと
します。まず、多くの人が聞くのが豆の保存の仕方をこの暑さで
冷蔵庫に入れたらいいのかと心配して聞くのですが、逆に普段そんな
味が変わって困ってるのでしょうか。それはまったくなく、ただの
観念的なイメージで冷蔵庫にという発想が出てきたり、マスコミの
健康に良い飲み物という戦略を真に受けた話をするのです。
スーパーにある味のチャート表なども間違った観念を作っているひとつで
それを真に受けて豆の味の質問をされます。普段飲んでどういう風に
あのチャートのようなイメージにあなたの頭では感じていますかと逆に
聞かれると何を話されているのかわからない顔をします。
神の雫風に珈琲をじゃあ表現してみてというとほとんどの方が私は味が
解らないからと逃げに回ります。なにも劇画風にといったからといって
気の利いたことを言わなくてはならないわけでも文学的なものを求めて
いるのではなく、どんなかと考えて頭に何を思ったかを聞きたいのに、
これはただごとではないのです。
それではと私が自分の感想を少しいうとそうそうと色々と会話が広がり
ますが、普段からそういう風に感じて何を思い何を感じたかが重要で
他所で飲むとそんな感情の広がりが起きる以前に雑巾のしぼり汁のような
味の物を平気で飲まされるケース多くがっかりとするのです。それも
さも焙煎に気を使った専門店のような店でもそんなのがよく出てくるのです。
珈琲の味の話というのは実はどこも簡単にできない状況で少しでもこれを
神の雫風にしていきたいものです。