古い西部劇を見るとなぜかほっとするのはなぜでしょう。
ハラハラドキドキの展開でも必ず騎兵隊や正義の味方の
ヒーローが現れて救われるという予定調和のせいでしょうか。
実際には無法地帯と暴力に支配され、銃での解決がすべての
力の強いものだけが生き残れる世界ながらただ無法者だけなら
社会というのは成立せずただ原野だけがそのまま続く死の世界が
広がっていたことでしょう。
やはりそこに社会が築かれ法の支配があったから永続性がうまれ
存続可能な人の住める街となったはずです。
西部劇では原住民はその生き方として存在は認められても開発と
定住には邪魔な存在で駆逐され分離し閉じ込めて彼らの土地に
新しい国を築いたわけです。
昨日見たのはジョンウェインの『ホンドー』という映画ですが、
スターウォーズにもホンドーというキャラクターが出てきます。
それも賞金稼ぎとか海賊とか身代金目当ての誘拐とか懸賞金を
かけてとらえるといった西部劇テイストの話が出てきます。
西部劇の英雄のワイアットアープも賞金稼ぎの賭博師でガンマンであり、
その銃の腕を見込まれて町の依頼で保安官になった民間委託の無法者です。
一説には毒を以て毒を制するという町の実力者の政策であり、それが
後に正義の伝説にすり替わったということですが、似たようにことが
西部という時代には多くあった事でしょう。問題はそれを正しいことと
信じ込ませるように西部劇には必ず正義がなされ悪の原住民や無法者を
駆逐します。それが正しい正義の国アメリカの歴史のよう。
スターウォーズでは共和国制度から突如強大な権力を持つ独裁政治
が現れてそもそも多くの意見が衝突する共和制では人々の望む安定と
平和が得られないという失望から圧倒的な専制性を一人の人間に認めて
しまうという民主主義の限界を示すような歴史の流れを見せるのですが、
そもそもの主人公自体がその滅びゆく世代でありヒーローであるという
なんとも危うい展開なのです。
チャンバラと不思議な術を使うジェダイマスターこそが正義と平和を
悪の帝国から救うという単純な正義と悪の戦いなはずですが、今現在
自由平等基本的人権を共有する西側先進諸国が圧倒的正義の国として
悪のタリバンとかイスラム国などのテロ国家はもともと独裁的な支配者の
国を西側諸国がことごとく破壊し民主化をなしたとしているもののその
後訪れた混乱は地元の人たちからすれば暴力と破壊の連続でまともな生活が
望める国ではなくなり、国を出るしかなくなる人々が続出したのです。
故郷をなくした人には誰のせいという考えは当然怒り矛先には米を先頭と
した世界の体制に向けけられるでしょう。ソマリアでは実際に生きるために
本来の沿岸の漁師から身代金目当ての海賊になり、もともと武器など持たない日本の
船など実に良い標的となり彼らの活動源ともなっています。
西武の平原を武力で原住民を追い出し開拓して行った今までのやり方と
何ら変わらない現在の世界での振る舞いといえるでしょう。
『ホンドー』でアパッチに向けたジョンウェインの台詞が消えていく生き方だ
というものです。今のイスラム原理主義の人たちもその消えていく生き方の人たち
なのでしょうか。スターウォーズで共和国から独裁者が生まれるとき、それと
協調した勢力に通商連合という一団がいます。この人たちは海賊や賞金稼ぎの私軍から
財産を守るのが目的で戦いはそもそも望んでいないという設定です。それが逆に
シスの帝国に組み入れられていくのですが、映画で解らない独立星系連合とか
インターギャラクティク銀行連合などが軍事力を持ち帝国に組み込まれている
となっていますが、現在の銀行団や企業グルーブが西側先進国の集団と酷似して
いると言えます。
こうなるともう今までの西部劇では我々も納得して安心してみていられないので
『ミッションインボッシュブルホールアウト』では新しいテイストが加わりました。
それはどんな困難なミッションでもこなすスーパーヒーローの特殊武器が最先端の
技術に裏付けられた秘密の武器と優秀な仲間だけでなく、それより仲間を大事にする
という安定感と安心感を見る人たちに約束したことです。
例え任務を危うくしようとも味方の命を最優先にする優しさがあるから存在意義があると
する新志向が導入され『ローンサバイバー』で部族の掟である「パシュトゥーンワーリ」に従い
タリバンから救われる話とも共通していて、そもそも海兵隊にある仲間を決して見捨てないという
信頼感があるから任務に命懸けで臨めるという根底のものと似ています。これは愛のため愛する祖国
愛する家族のため戦うの言い換えに過ぎません。
さて、そんな考察をする中、昨日はどうにか昨日歩いた距離をずっと膝をだましだまし走り切り、
歩きにはない爽快感を感じました。不安はこの膝痛がバスケ練習の11日に起きたことでそれが
今まで続いているという不安と不快は如何ともしがたく、納得いかないしつこさです。
まあゆっくりごまかしながら付き合うしかないのでしょうか。
今やるべきことは月末事務などいつもの定例のごたごたと夏の整理です。
ここのところのマンデリン研究で溜まった焼き豆がありますのでこれは
吉田道の駅に出品します。どうぞご堪能ください。