ときにあるどうしようかという瞬間、この選択で今後の
行き先も左右する難しい選択を迫られることもあります。
そこで人間は難しい問題の選択には、悩むことと同様
実は哲学的にも精神医学的にも自由選択というのはなくて
宇宙が始まって以来その素粒子の配置と量によりそれはもう
既に決まっていたことであり、選択しているというのは人間の妄想
だといいます。
よく若い時には重い石を拾えとか分岐点ではより困難な道を選択する
という考え方もあります。
珈琲の場合は、よくしがらみからどうしてもこのイベントに参加してほしいという要望と
それに参加することから商売の方向性が左右されたり、取引相手が固定化
するなど色々と制約の方が多くなる傾向があります。
ある宿泊施設の珈琲を作るといった簡単なことでもそれをやることで
出来なることが意外と多かったりと自由業とか自営業を堪能していると
いうケースでも実はちっとも自由でなかったり固定客とか販路を求めて
営業するのも自らの自由を捨てたり狭めることに直結しています。
こんな珈琲がほしいとかこんな味を求めているといった要望は少ない
のですが、逆にそれを突き止めていく作業は困難ですが楽しいものです。
多くの人が集まるところで出す珈琲では当然味にこだわって独特の味の
ものを出す人はいません。
2000年の沖縄サミットの時に珈琲を監修したのはバッハで、いろいろ試して
意見を求めた結果バッハブレンドになったという話などもあらかじめ用意
されたストーリーのように感じます。
日本では最高のコーヒーというのはジャマイカのブルーマウンテンという
概念が強くあり、お客様用に最高の物を提供するという事で今でも来客用に
ブルーマウンテンを注文される方が多くいます。
例えばお客様用なのでこれこれを下さいという方にいや今ならこの豆の方が
おいしいですし有名コンテスト一位の豆ですから人気と名前も間違いありませんと
売り込んでいいかという問題ともいえない事象があります。
そこでする味についてのあれこれでその店の価値が決まるのでは
ないでしょうか。
それと現地農園と直接取引という喫茶店や豆屋が多く見かけられますが、
それを真に受けて喜んでその豆を買う人たちです。
ちょっと考えればその農園が世界一の栽培人で毎年極上の珈琲を生産すると
したらそれはその豆がブルーマウンテンのようにもてはやされることでしょう。
ブルーマウンテンは度重なるハリケーン被害でほとんど日本に入ってきていません。
入ったとしてもかつてのような上質な豆かというとランク上もNO1グレードのもの
はありません。ハワイコナもエクストラファンシーランクの物はまったく入りません。
このように農産物が常に世界の一位を維持し続けるという事はないのです。
現在でいえばパナマのエスメラルダ農園のゲイシャ種ですが、これもブランド化が
強まればその味と値段の乖離は今後開くといっていいでしょう。
それを地方の喫茶店がわざわざ現地に赴き特別栽培を依頼して直接豆が届くなどと
いう幻想に簡単に騙されている人は自分は味なんてわかりませんというのを発表して
いるのと同じです。
似たような話はいくらもあります。
いちいち指摘しませんが、豆の履歴をああだこうだ説明される店は敬遠した方が
良いというのは昔から変わりません。
豆のチャート図も入試とか苦しんだ人が考えたものなのかまともに相手にする価値も
ありません。人のコメントもそのチャート表のようなコメントを残す人には要注意です。
とはいえ昨今今まではずっとヨーロッパ限定とか北米限定で全く入ってこなかった
良質豆が入って来てそれが今までの概念を変える味だったという事が最近多くあり、
一部の人が作ろうとするブランド化とは違った豆の動きも確かにあります。
となるとよいよ消費者の選択は味の理解という自身の定規が正確か問われる場面も
出てきます。より良い選択のお手伝いができるよう今後とも情報と味について
お伝えしていこうと思います。