懐かしのバレエ

バレエ、パフォーミングアーツ等の感想、及び、日々雑感。バレエは、少し以前の回顧も。他、政治、社会、競馬、少女マンガ。

カメラワーク2

2012-02-20 17:14:33 | バレエ
バレエ公演、「ライモンダ」に行った後、昔のビデオ(DVDじゃないんです・・。)を探し出して、昔の「ライモンダ」公演の画像を見てみました。これは、一度はDVDは出てる筈と思うけど、現存するかは不詳。2本あって。

①1本は、ボリショイバレエ団、アメリカ公演の市販映像。1980年代後半頃か?
ライモンダ姫:R.セメニャーカ 騎士ジャン:I.ムハメードフ、敵役アブデラフマン:G.タランダ。3幕の、脇役の4人の騎士のヴァリのザンレール大会もなかなかのもの。

②もう1本は、バレエ団の'88年来日公演を、当時のNHKが収録したTV放送分。
姫:N.べスメルトノワ 騎士ジャン:Y.ヴァシュチェンコ アブデラフマン:タランダ

この2本を今回見て、両方取っておいてよかったと。
華やかなスター性だけなら、3人とも粒ぞろいなのは、①だけど、②は、タランダのアブデラフマン、フォーカス映像。

①と②の間に、タランダの演技にさらに磨きがかかったのか、はたまた、カメラワーク(時折アップで表情の演技を捉え、かと言って全身の表情を映し落とさないよう、舞踊に合わせて映し、時に空間を支配する踊りの迫力も、臨場感を落とさずに映しだしてる。)のプロの妙技なのか?
②の脇役フォーカス映像の方が、よりタランダの踊りにグッときます。

昔なので、今のNHKのスタッフの方とは違うかもしれませんが、これは、よくぞ、よくぞこんな風に撮ってくれた、と思います。
バレエ公演のTV放送は、あればあるだけでも有り難いものですが、日本人の仕事はきめ細かく、特に昔のバレエ番組の一部は、解説やインタビューも含めて、よく出来ていたと感心します。

(直近では、ニーナのラストジュリエット公演のTV放送も、撮った方、編集した方々腐心の成果を凄く感じました。細かい工夫が有り難かったです。)

今回のザハロワは、カメラ写りが良く、人気・実力安定していて、日本で見られないなら、TV放送で出てきても良いな、と思ってます。

さて。①もいいけど、②も意外と面白かったのは、一つの作品は、特にグリゴローヴィチ作品のような立体的な集団創造性の強い振付家のものは、別キャストで見ると、作品が多角的に見えて面白いかな、と。
自分は、好みで言えば、ベスメルトノワよりセメニャカ、ヴァシュチェンコよりムハメードフだったのですが。好き嫌いを別にすれば、べスメルの方がアダージョダンサーの才があり、タランダとの気持ちの共有が見えるとか。ヴァシュチェンコ、ソロの横跳び大技はできなくても、「自分は王子様なんだ!」と思ってるので笑えるというか、シャイなうぶな男性を演じるムハメドフとは異質で、アダージョも堂々としていて面白いとか。

どっちがいいとかより、Aもあれば,Bもある、という感覚で見れます。べスメルトノワは、もう少し若い時のを見た方がベターですが。

それにしても、タランダの②の画像は、圧巻で、見てしまってショック。

踊りの一瞬一瞬ほとんどの瞬間に気合いが入ってる。ジャンプなどの時の一挙手一頭足すべてに覇気を込めて踊ってる。ライモンダ姫を見る時の、目。憧れ焦がれる噴き出す想い。かと思うと、時に威圧的に振りあげられる両腕から、「危険な男」である事も表出することを忘れない。
主役を喰う悪役でなく、あくまでも敵役のポジションを守りながら、MAXで舞台を盛り上げてゆく。ムハメドフに比べ、ジャンプは異常な高さではなく、技術的に超絶技巧は入ってないけど、
踊り見てると迫力にぐいぐい引き込まれる。

男性としての魅力はいうまでもなく。

これを見る前に、来日公演を見て、本当に良かったです。でも、ドミトリチェンコが良かったとか聞くと、やっぱ観たかった・・・。懲りない性分。




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