【ボリショイ劇場 リニューアル記念公演 バレエ「眠りの森の美女」全2幕 TV放送キャストと、ごく私的些末雑感】
かなりどうでもいい系の感想です。軽い気持ちで読んでちょ。
音楽:チャイコフスキー
原振付:プティパ
改訂振付:Y.グリゴローヴィチ
美術、照明、衣装が総じてロシア人以外の人々。イタリア系?
床にも模様がある舞台装置は、昔のラブロフスキー版「ロミジュリ」の、ださいダイス柄以来。
まあ、好きにしてって感じ。
指揮:シナイスキー(昔のボリショイのDVD「ライモンダ」の指揮者で出てた人みたい。たぶん、'84年頃の海外公演のもの。)
※'02年来日公演での「眠り」旧グリ版は、1幕の妖精美女軍団の踊りが、派手派手!で、主役の登場前に、ボリショイの踊らせまくり振付に、降参してしまう気持だった。今回は、そういうボリショイの強力なカラーが緩和され、世間一般、標準版の眠りに戻りつつあるような。今のダンサーのコミカルさが目に付いた。
※JAブログ経由で、この公演のゲネレポが出ていた。直前にグリゴロ氏が、マスコミを入れなかった、ダンサーたちの出来に怒ってた、と。その状況が、舞台見て、納得できた。本番前、マスコミの取材が、邪魔な時もあると思う。グリゴローヴィチに限らないけど、そういう舞台、への責任意識の高い人の関わる舞台を観たい。以前のアレクセイ・ファジェーチェフとかも、舞台への意識は高かった。前回のブルラーカも、そういう所はちょっとあったみたいだけど。
フィーリンの方向性の問題が、うちわでちょい話題になったけど、放送見た限り、バレエ団の変化を感じた。私もグリゴローヴィチの居る間は見るけど、その後はどうなるか分らないと思ってる。ベジャールのバレエ団は、ベジャールの死後、何かが変わった。そういうことには、注意を払いたい。
<出 演>
オーロラ姫:スヴェトラーナ・ザハロワ
(スターの貫録。この人の為のTV放送みたいな公演だが、あとでじっくりみて、と。先に2月の日本公演出演ダンサーの些末事項チェックをしてみた。)
デジレ王子:デヴィッド・ホールバーグ
リラの精:マリア・アラシュ (目線使いが昔と違う。紫のチュチュは、役にあってる)
以下、気づき事項、気分次第で。
1幕。
<あらすじ:城では祝宴が開かれる。妖精たちが招待されるが、式典長は、うかつにも悪の精カラボスを招待するのを忘れてしまった。・・>
★キャストの表示に、妖精たちの名が無い。以前の「優しさの精」とかと、今回の台本の設定が変わって無ければ、こんな感じかな?(2幕のディベルテスマン場面も、TV放送の字では、ダイヤの精、サファイヤの精、等の名が無かった。)
1番目:優しさの精 白いチュチュのファニーフェイス:ダーリヤ・コフロワ
2番目:無邪気の精 チナーラ・アリザーデ 目立たない。
3番目:元気の精 淡いグリーンのチュチュ 名不詳。優雅な感じの人
4番目:寛大の精:黄色チュチュ '02年に、この役をニーナ・カプツォーワが踊り、動きにも愛らしさを強調。対して、今回の若いダンサーは、愛らしさよりも、ファニーフェイスでいたずらっぽいキャラに見えた。
5番目:勇気の精 赤いチュチュ:エレーナ・アンドリエンコ きびきびした踊り。
この人だけは、「勇気の精」という名にあった踊り。(後の人は、あんまり役名と舞踊の質がリンクしないが、若いので、まあ、かわいいか。)さすがキャリアが長く、この人と、カラボスが出ると舞台が安定して、ほっとした。
・とにかく子役が可愛い。花のワルツの小さな女の子たち。あのかわいさは素なのか、アルカイックスマイルなのか?これを見るだけでも笑顔になる。
・悪の精カラボス:アレクセイ・ロパレーヴィチ
(舞台を引っ張る存在感で、分りやすく面白いが、恐くない。エンタメ系、女装カラボス。
そういえば、ロイヤルバレエの女性が演じるカラボスは、美人、グラマラスだが、女の嫌な面が見える役作りで、対照的だった。
なお、黒い手下たちの衣装・扮装が一人一人違う。珍しい。)
・国王:アンドレイ・シートニコフ
・王妃:クリスティーナ・カラショーワ
(スタイルが良いのは良かったが、10年前のダンサーより庶民的な王妃?自慢のオーロラ姫を見て笑うと、白い歯が見え、貴族にしては品が無いが、美人なのは良かった。)
・式典長 カタラビュート:ヴィターリ・ビクティミロフ
(いかにも間違って招待客リスト漏れを起こしそうな、そそっかしそうなキャラ。最初は、下手な芝居にはらはらしたが、だんだん調子に乗って面白くなった。良くも悪くも、この役がこんなに目立ったの、はじめて見た。)
※この役に代表されるように、全体に、旧版に比べ、舞踊から演技で見せる方向に、ややシフトしたような気がした。例えば英国ロイヤルとか、欧米のバレエ団を世界の潮流と見て、そちらシフトかしら?とも思った。美術もだし。
また、彼の他、その次のシーンで、糸巻きを持って踊る庶民の女性たちの踊りのノリノリ感は、ボリショイの新しい世代の得意なものが、良く出ている。
[1幕。花婿候補の4人の王子と、オーロラのローズアダージョ]
ボリショイの「眠り」のこのシーンの王子たちは、'02年の来日公演でも、全然王子に見えず。(帽子がカウボーイみたいだった。)それで、「扮装もしぐさも王子に見えない」事には免疫あったし、王子たちは'02年よりは、動きはまし。で、今回もやはり扮装が、「どこの国の王子?」と首をかしげたくなる。頭にターバンとか。インド?
※なお舞踊評論家で、「所作」という言葉を使う人がいるが、これは、元々は能楽の用語の為、私は使わない。今の舞踊評論家の中には、芸術に関係ない仕事の人が居るので、舞台芸術に知識のない人もいる。が、言葉は意味があるから、大事だと思う。
<メインのザハロワは、見せ場のテクは、そつなくこなした。愛らしい姫の「演技」。プロ意識の笑顔。でも、新国立客演の時は、心からの笑顔だった。ネット画像より、TV放送、高画質録画は、眉間のしわまで見えちゃうから、心からの笑顔の公演が映ると、もっと良いけど。画像残るだけまし!>
1番目:カリム・アブドゥーリン(ゴールド衣装。頭の羽毛が一番でかい。タイの皇子とか?一番どうでも良かった。)
2番目:パーヴェル・ドミトリチェンコ (赤い服。そのままくるみの皇子でもやるかい?と言いたくなる騎兵のような上衣。帽子に毛皮つき。東欧の王子とか?。)
3番目:ウラディスラフ・ラントラートフ (シックな深い赤紫系の服。背にヒョウ柄。表情が優しい。ザハロワとちょいアイコンタクト。)
4番目:ユーリ・バラーノフ (やはりターバン。緑衣装。キャリア上、一番大人っぽい。この場は、ザハロワ中心で、王子たちは目立たないけど、よく見ると4人の王子の中では一番良い?姫を情熱的に見つめたり、・・。あれ?バラーノフ、日本公演の時と違う。相手がアレクサンドロワの時のクラッススの女性に対する淡白さや、アラーシュのライモンダ姫に横恋慕するアブデラフマン役の時の、目力だけのオーバーアクトお笑い系と違い、ザハロワのオーロラを恋し、心配する情熱的な目。ましなサポート。バラーノフはザハロワが相手の方がいい?とか? 地味だけど、よく見ると、別人のように男らしくかっこよかった。どっちがほんとなの?)
第二幕
白いねこ:ユリア・ルンキナ
長ぐつをはいたねこ:イーゴリ・ツヴィルコ
フロリナ王女:ニーナ・カプツォーワ
(翌公演日の主役だけに、愛らしさと安定感。でも、TVに出るなら、「黄金時代」のリタ役の、色っぽい大人演技の方が、もっと見たかった。)
青い鳥:アルテム・オフチャレンコ
(とりあえずこのポジション位が適役そう。)
赤ずきん:アナスタシーシャ・スタシュケヴィッチ
(達者な出来。)
おおかみ:アレクセイ・コリャーギン
ここらへんで、後ろで「森の木の絵」を抱えた小さい男の子たちが、「森の木」の演技をしていて、ぬっとぼけた設定で、可愛くて笑えた。そのうち絵の「木」たちが、左右に身を振り、森の木が揺れているような、ぬっとぼけた踊りを披露。ますます愉快。子役が上手い。これは旧版には無かった気が。
シンデレラ:ダリーヤ・コフロワ (日本公演、ライモンダの夢の場のヴァリ等に出ていた、ファニーフェイスの女の子。)
フォーチュン王子:カリム・アブドゥーリン(ここは、さすがに普通にボリショイの男性らしく決めてた。)
かなりどうでもいい系の感想です。軽い気持ちで読んでちょ。
音楽:チャイコフスキー
原振付:プティパ
改訂振付:Y.グリゴローヴィチ
美術、照明、衣装が総じてロシア人以外の人々。イタリア系?
床にも模様がある舞台装置は、昔のラブロフスキー版「ロミジュリ」の、ださいダイス柄以来。
まあ、好きにしてって感じ。
指揮:シナイスキー(昔のボリショイのDVD「ライモンダ」の指揮者で出てた人みたい。たぶん、'84年頃の海外公演のもの。)
※'02年来日公演での「眠り」旧グリ版は、1幕の妖精美女軍団の踊りが、派手派手!で、主役の登場前に、ボリショイの踊らせまくり振付に、降参してしまう気持だった。今回は、そういうボリショイの強力なカラーが緩和され、世間一般、標準版の眠りに戻りつつあるような。今のダンサーのコミカルさが目に付いた。
※JAブログ経由で、この公演のゲネレポが出ていた。直前にグリゴロ氏が、マスコミを入れなかった、ダンサーたちの出来に怒ってた、と。その状況が、舞台見て、納得できた。本番前、マスコミの取材が、邪魔な時もあると思う。グリゴローヴィチに限らないけど、そういう舞台、への責任意識の高い人の関わる舞台を観たい。以前のアレクセイ・ファジェーチェフとかも、舞台への意識は高かった。前回のブルラーカも、そういう所はちょっとあったみたいだけど。
フィーリンの方向性の問題が、うちわでちょい話題になったけど、放送見た限り、バレエ団の変化を感じた。私もグリゴローヴィチの居る間は見るけど、その後はどうなるか分らないと思ってる。ベジャールのバレエ団は、ベジャールの死後、何かが変わった。そういうことには、注意を払いたい。
<出 演>
オーロラ姫:スヴェトラーナ・ザハロワ
(スターの貫録。この人の為のTV放送みたいな公演だが、あとでじっくりみて、と。先に2月の日本公演出演ダンサーの些末事項チェックをしてみた。)
デジレ王子:デヴィッド・ホールバーグ
リラの精:マリア・アラシュ (目線使いが昔と違う。紫のチュチュは、役にあってる)
以下、気づき事項、気分次第で。
1幕。
<あらすじ:城では祝宴が開かれる。妖精たちが招待されるが、式典長は、うかつにも悪の精カラボスを招待するのを忘れてしまった。・・>
★キャストの表示に、妖精たちの名が無い。以前の「優しさの精」とかと、今回の台本の設定が変わって無ければ、こんな感じかな?(2幕のディベルテスマン場面も、TV放送の字では、ダイヤの精、サファイヤの精、等の名が無かった。)
1番目:優しさの精 白いチュチュのファニーフェイス:ダーリヤ・コフロワ
2番目:無邪気の精 チナーラ・アリザーデ 目立たない。
3番目:元気の精 淡いグリーンのチュチュ 名不詳。優雅な感じの人
4番目:寛大の精:黄色チュチュ '02年に、この役をニーナ・カプツォーワが踊り、動きにも愛らしさを強調。対して、今回の若いダンサーは、愛らしさよりも、ファニーフェイスでいたずらっぽいキャラに見えた。
5番目:勇気の精 赤いチュチュ:エレーナ・アンドリエンコ きびきびした踊り。
この人だけは、「勇気の精」という名にあった踊り。(後の人は、あんまり役名と舞踊の質がリンクしないが、若いので、まあ、かわいいか。)さすがキャリアが長く、この人と、カラボスが出ると舞台が安定して、ほっとした。
・とにかく子役が可愛い。花のワルツの小さな女の子たち。あのかわいさは素なのか、アルカイックスマイルなのか?これを見るだけでも笑顔になる。
・悪の精カラボス:アレクセイ・ロパレーヴィチ
(舞台を引っ張る存在感で、分りやすく面白いが、恐くない。エンタメ系、女装カラボス。
そういえば、ロイヤルバレエの女性が演じるカラボスは、美人、グラマラスだが、女の嫌な面が見える役作りで、対照的だった。
なお、黒い手下たちの衣装・扮装が一人一人違う。珍しい。)
・国王:アンドレイ・シートニコフ
・王妃:クリスティーナ・カラショーワ
(スタイルが良いのは良かったが、10年前のダンサーより庶民的な王妃?自慢のオーロラ姫を見て笑うと、白い歯が見え、貴族にしては品が無いが、美人なのは良かった。)
・式典長 カタラビュート:ヴィターリ・ビクティミロフ
(いかにも間違って招待客リスト漏れを起こしそうな、そそっかしそうなキャラ。最初は、下手な芝居にはらはらしたが、だんだん調子に乗って面白くなった。良くも悪くも、この役がこんなに目立ったの、はじめて見た。)
※この役に代表されるように、全体に、旧版に比べ、舞踊から演技で見せる方向に、ややシフトしたような気がした。例えば英国ロイヤルとか、欧米のバレエ団を世界の潮流と見て、そちらシフトかしら?とも思った。美術もだし。
また、彼の他、その次のシーンで、糸巻きを持って踊る庶民の女性たちの踊りのノリノリ感は、ボリショイの新しい世代の得意なものが、良く出ている。
[1幕。花婿候補の4人の王子と、オーロラのローズアダージョ]
ボリショイの「眠り」のこのシーンの王子たちは、'02年の来日公演でも、全然王子に見えず。(帽子がカウボーイみたいだった。)それで、「扮装もしぐさも王子に見えない」事には免疫あったし、王子たちは'02年よりは、動きはまし。で、今回もやはり扮装が、「どこの国の王子?」と首をかしげたくなる。頭にターバンとか。インド?
※なお舞踊評論家で、「所作」という言葉を使う人がいるが、これは、元々は能楽の用語の為、私は使わない。今の舞踊評論家の中には、芸術に関係ない仕事の人が居るので、舞台芸術に知識のない人もいる。が、言葉は意味があるから、大事だと思う。
<メインのザハロワは、見せ場のテクは、そつなくこなした。愛らしい姫の「演技」。プロ意識の笑顔。でも、新国立客演の時は、心からの笑顔だった。ネット画像より、TV放送、高画質録画は、眉間のしわまで見えちゃうから、心からの笑顔の公演が映ると、もっと良いけど。画像残るだけまし!>
1番目:カリム・アブドゥーリン(ゴールド衣装。頭の羽毛が一番でかい。タイの皇子とか?一番どうでも良かった。)
2番目:パーヴェル・ドミトリチェンコ (赤い服。そのままくるみの皇子でもやるかい?と言いたくなる騎兵のような上衣。帽子に毛皮つき。東欧の王子とか?。)
3番目:ウラディスラフ・ラントラートフ (シックな深い赤紫系の服。背にヒョウ柄。表情が優しい。ザハロワとちょいアイコンタクト。)
4番目:ユーリ・バラーノフ (やはりターバン。緑衣装。キャリア上、一番大人っぽい。この場は、ザハロワ中心で、王子たちは目立たないけど、よく見ると4人の王子の中では一番良い?姫を情熱的に見つめたり、・・。あれ?バラーノフ、日本公演の時と違う。相手がアレクサンドロワの時のクラッススの女性に対する淡白さや、アラーシュのライモンダ姫に横恋慕するアブデラフマン役の時の、目力だけのオーバーアクトお笑い系と違い、ザハロワのオーロラを恋し、心配する情熱的な目。ましなサポート。バラーノフはザハロワが相手の方がいい?とか? 地味だけど、よく見ると、別人のように男らしくかっこよかった。どっちがほんとなの?)
第二幕
白いねこ:ユリア・ルンキナ
長ぐつをはいたねこ:イーゴリ・ツヴィルコ
フロリナ王女:ニーナ・カプツォーワ
(翌公演日の主役だけに、愛らしさと安定感。でも、TVに出るなら、「黄金時代」のリタ役の、色っぽい大人演技の方が、もっと見たかった。)
青い鳥:アルテム・オフチャレンコ
(とりあえずこのポジション位が適役そう。)
赤ずきん:アナスタシーシャ・スタシュケヴィッチ
(達者な出来。)
おおかみ:アレクセイ・コリャーギン
ここらへんで、後ろで「森の木の絵」を抱えた小さい男の子たちが、「森の木」の演技をしていて、ぬっとぼけた設定で、可愛くて笑えた。そのうち絵の「木」たちが、左右に身を振り、森の木が揺れているような、ぬっとぼけた踊りを披露。ますます愉快。子役が上手い。これは旧版には無かった気が。
シンデレラ:ダリーヤ・コフロワ (日本公演、ライモンダの夢の場のヴァリ等に出ていた、ファニーフェイスの女の子。)
フォーチュン王子:カリム・アブドゥーリン(ここは、さすがに普通にボリショイの男性らしく決めてた。)