懐かしのバレエ

バレエ、パフォーミングアーツ等の感想、及び、日々雑感。バレエは、少し以前の回顧も。他、政治、社会、競馬、少女マンガ。

宣伝について

2013-04-21 01:39:41 | バレエ
バレエ公演に行くか迷って、参考までに以前のバレエ画像を見た。
友人がくれた、過去のTV放送録画分らしいんだけど。

「シルヴィ・ギエム 限界への挑戦」というタイトルの、ドキュメンタリー。2009年フランスの会社の制作。

(DVDは、もしかしたら出てた?かも。今あるか分らないけど。バレエDVDは、品切れが早い。)

・2007年12月、来日公演の舞台の部分映像。
「白鳥の湖」共演ニコラ・ル・リッシュ、東京バレエ団

・2007年ヨーロッパの野外劇場での、アクラム・カーン振付のコンテ作品の舞台。
・日本での地下鉄や電車での移動風景。
・日本の公演の合間に、陶芸等でくつろぐスターの表情。
・抽象的な、ラッセル・マリファント振付のコンテ作品の舞台。

・そして、演劇的要素の入った、ルパージュ振付「エオンナガタ」。
初演までの練習風景。

ざっと、こんな感じの内容だったと思う。

この「エオンナガタ」は、その後日本でも上演されたんだけど、自分は行かなかった。
まず、主人公のデオン・ド・ボーモン、ルイ王朝時代のスパイ、この人に馴染みがなかった。
女装の騎士、シュバリエ・デオンの名は、興味本位程度の読み物で知ってたが、それ以上のことは、ぜんぜん知らなかった。

そして、なぜ、ギエムがこの女装の騎士を演じるのか?
それが、どうもよく分らず、昔のヨーロッパの女装の騎士、それに和物の女形風の意匠も加味する、というアイデアが、私には荒唐無稽に思えてしまった。

で、ドキュメンタリーを見ると、その辺の距離感をもう少し、縮められたかと思った。

ドキュメンタリーそのものは、大変よく出来ていて、ギエム、ルパージュ、マリファントの3人が、創造的な空気の中で作品をだんだんに作り上げていくプロセスが、映像として見ごたえのある写りになっていて、撮った人、上手いな、と思った。

TV放送は、必ずしも公演の上演前の宣伝の時期に行われるものでもないし、タイアップもしてないが。

名のあるクラシックダンサーの、コンテの幕物の公演。
上演機会が多くはないので、その際には、観客と上演側の距離感を縮められるような、作品の上手な紹介や、事前の宣伝があるといいかも?、とちょっと思った。

宣伝も大事だけど、一方、公演中のパンフの演目紹介も、もっと作品をわかりやすくきちんと紹介できる記事が書ければ、より良い、とは、公演に行ってパンフ買った時、思う。
(NBSさんは、どちらかといえば、公演パンフの内容は、しっかりしてる方だけど。日本のバレエ公演全体が、コンテの解説とかは、弱い傾向だし、舞踊ライターで新しい人が書いてもいいのかな?とか、主催者さんの方で関係者に取材して書ければ、とか思う。既存のクラシック系の批評家のテリトリーでは、ないのかも?)

でも、現実的に考えると、コンテの場合は、日本初演のものなど、紹介記事そのものが、主催者側にとっては、なかなか難しいのかもしれない。

さて。
私の疑問、なぜギエムが、騎士デオンの話を演じるのか?は、結局、分ったわけではなかったけれど。
興味本位の文でしか知らなかった、女装のスパイだったデオンの生涯については、このドキュメンタリーで、多少知ることが出来た。

このドキュメンタリーで、最も私的に感激したのは、ギエムの抱える衣装デザイナー(アレクサンダー・何とかという男性)の優秀さ、だったけど。

ギエムと踊る、4人の男性ダンサーたちとのデュオのドキュメンタリーでもあり、ギエムとそれぞれの男たちとの関係性の魅力が、よく引き出されていた。
また自然が随所に織り込まれ、映像の印象を上げていた。

いい公演は、いい宣伝があれば尚いい、と思うのは、コンテで、ピンと来ない作品もあるから、ということもある。良し悪しがはっきりあるのが、コンテ。贅沢ですが。

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