想風亭日記new

森暮らし25年、木々の精霊と野鳥の声に命をつないでもらう日々。黒ラブは永遠のわがアイドル。

ふたりの関係

2012-01-12 11:26:31 | Weblog

関係は、親子です。
産んではいませんが、うさこはぷ~ちゃんこと親分のおっかあです。
親孝行とは子が親を超えることと教わりました。
超えるとは、ちゃんとした人になって大人になることです。
ちゃんとしたというのは、金持ちのことではありませんし
家を持って車をもって大きな会社で肩書きのある名刺を持って
いることでもなく、どこそこの主でもなく、心根のことです。

生きながらにして成仏すれば先に死んだ親を供養し仏様神様の
元へ極楽往生して下さいと案内できます。
生きて成仏する、これは古来から高僧達の悲願でしたね。
そんな難しいこと何言うてるねん、とツッコマナイで下さい。
美い心根、美を求めて生きる心、美とは表面のことではない
ですね、根っこです。それは成仏への道ですけんね、難しい
難しいと言い過ぎです。難しくありません、むしろこっちの方が
優しく健やかではないかと思います。
修羅を生きるのは、難しい、そう思います。

成仏はいい心根で生きていること、ぷ~ちゃんは、成仏した犬。
ですからおっかあ孝行してくれています。
うさこは犬神さまに導かれていますよ。
怒んないで、こっちだよ、こうだよ、といろんな要望を出して
くれるので、従っているうちにやさしい気持ちを思い出すことが
できるのですね。譲りっぱなしで、譲るここちよさを知ります。
どんどん手ぶらになっていきます。



夜更け、夜中、明け方、よく起こされます。
もう親分は高齢犬になって、用足しの時間が定まっているようで
いないので、外に出たいときに起こしにきます。
フラフラのまま寝間着にコートをひっかけていっしょに庭へ出ます。
毎晩そういうことで、寝たんだか寝てないんだか、ベッドにいる
時間は変わらないのに睡眠不足な感じで身体の調子がイマイチです。

自分のやることをやっちまうと、そばですやすやと寝始めます。
起きていると、なんかちょうだいコールをしてまとわりつき、
かわいい顔をして近づいてくるのですから、人であれば都合の
いいヤツということになるのでしょうか。
でもぷ~ちゃんは人ではありません。犬です。そして子どもです。
ずっと、生まれたときからずっと、年を取ってもずっと、子ども。
子どものまま、まっすぐにこちらへ向かってきます。

生きるのにはおっかあのやさしさが必需品です。
やさしさを食べていきていられるのがこの犬です。
他にあれ買ってこれ買ってと言わないし、与えられることを喜び
として不平不満を言いません(吠えませんし辛抱強いのです)
そうやって毎日毎日やさしさをひっぱりだしてくれるのです。

親子のようで相棒のようでトモダチのようで、先生のようでも
あります。(あ、先生はカメでじゅうぶんですから先輩とでも
言っておきましょう)ふたりの関係は、おわりのないずっと
つづく風景のようなものなのです。

「男でもなく女でもなく長年の友人でもなくてましてや他人の気楽さ
もない、そうまるでふたりは風景」by浅川マキ[ふたりは風景]
別れる歌ではあるけれど、分ち難い関係ですね。
そう、身体は別れていくけれど、続いていくのだということは
ふたりがよく知っている。
マキさんの歌声を夜中ずっと聴いて、いろんなことを思いました。





コメント
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