ジャムパンが好きです。
あるところで売っているジャムパンをめぐって、まだあるか売り切れか
ドキドキしながら行くと、10中9回は売り切れているという希少なパン。
この方はミミをいただくのでジャムパンでもクリームパンでもアンパンでも
かまやしないのですが‥。
希少なジャムパン、なに、たいしたことありません、無名のどこにでもある
パンです。なのに、それが食べたくなるのです。
売り切れているということは、その価値がわかる人が、同じ嗜好の人がほかに
たくさんいるということか、そう思ったりもしましたが、違いました。
高速道路のパーキングエリアの売店なのです。
他にたいして売っているものがないのです。おみやげの饅頭やらはあるが
サンドイッチやおにぎりや助六寿司にまじってフツーのパンもあるけど
それ全部合わせても全体に品目が乏しい売店なのです。
レジのおばちゃんに、せっかく楽しみにしてるのにいつもないよーと言うと
「今日は売り切れました、すぐに売れきれるときとそうでないときとある
けど今日は終わりました」と毎度答えが決まってます。
いつぞや「あったー」とレジで言うと、「ようございました、ありがとう
ございますー」と普通に答えが返ってきました。
二ヶ月先まで予約待ちというクリームパンがあるそうですが、そんなに待って
いると待っていることを忘れているところに届いたりしないか。
あれ、これ? ラッキー、と自分でオーダーしたことも忘れて感激しそうです。
そういう感激とは無縁の、部活帰り買い食い用とか駅売店の隅などにあるただの
昔ながらの地味な味の、柔らかくも堅くもなくモチモチもしていないパン、
苺ジャムがたっぷり入ってる、無名のパンです。
(パッケージはロゴ無し透明のビニール袋、製造所が記載されているくらい)
時として、こういう極私的なことに心を浮き立たせたり沈んだりしながら
ドライビングしております。
そうそう、このパンに佐野うさパンと名付けておきます。
命名されると、ぐっと身近になり、もしやありつけるかもしらんという
下心はありませんって。