きらくゆで、後ろから声をかけられた。
「長坂先生!」
若い男の子だ。
しばらくして、気づいた。
「Sか?」
「はい。お久しぶりです。」
高3になる元橋本西の拳士だ。
部活でレスリングをしていると聞いていた。
体格も立派になっていたが、受け答えも立派になっていた。
「立派になったなあ!」
「いえ、そんなことありません。」
と。
なんと、日曜日の県大会を見に来るつもりをしていたとのこと。
彼が小学生のころ、こんな会話をしたことがあった。
長坂「先生だって少林寺拳法を辞めることもないとは言えないよ。」
S「長坂先生が辞めたら、俺も辞めるな。俺は長坂先生やからやっているんやもん。」
うれしい言葉だった。
中学になり、彼の家庭は大変な状態になった。
彼は荒れた。
もう、少林寺拳法は休んでいたが、たまに呼び出して、一緒に勝一へ寿司を食いに行ったりした。
そして、高校進学。
連絡は途絶えていた。
心配はしていた。弟も橋本西の拳士だった。(二人とも家庭の事情で遠くへ引っ越したのだ。)
今日、3、4年ぶりに会って、ほっとした。
そして、時は人を成長させるなーと実感した。
師匠とは、弟子が必要な時にだけ師匠であればいいのだと思っている。
さあ、今日は県大会の準備と設営。
そのあとは、稽古。開会式で高校生、中学生の女の子たちだけ6人で演武披露をする。その稽古。
あと、2日。
感謝をこめて働く。
少しでもお話できるとうれしいです。
田辺西、がんばれ!