少林寺拳法 橋本西道院・橋本西スポーツ少年団 道場通信
ドリーム 797
発行日 2014年10月9日(木) 文責・発行 長坂徳久
※月曜日⇒子どもたちへ。木曜日⇒保護者へ。土曜日⇒一般へ。日曜日⇒指導者へ。
【本当に一生懸命にやってるの?】
~Aチームへの指導より~
「いまの練習を一生懸命にやった人は手を挙げなさい。」
水曜日のAチームの全国大会稽古での場面。
中学生の戸田竜太郎・橋本健太郎も自主稽古として参加していた。
7時~8時、長坂は「育夢学園・スーパートレーニングコース」の指導がある。
いつもならその間は土橋が少林寺拳法を指導しくれるのが、この日土橋は体調不良で欠席となった。
そのため、Aチームは、やることを長坂が指示し、
自主練習とさせた。当然長坂は仕事の方を優先しなくてはしけないからだ。
さすがにAチーム。しかも全国大会に出場する橋本西ファイナリストとしては自主
的な練習でもそれぞれがまじめに取り組めている。
しかし、ここまでチーム(集団)が成長してくると、指導は次の段階へ入っていかなくてはいけない。
そうしないとチーム(集団)はさらなる高みへは行けない。
8時になり育夢学園スーパートレーニングコースが終了。ここから長坂は少林寺拳法の指導者。
「いまの練習を一生懸命にやった人は手を挙げなさい。」
全員が手を上げた。次に問う。
「では、100点満点の何点ぐらい一生懸命にやったのか言っていきなさい。」
「99.9点」(笑わせようとして言っているようだが全く面白くないし、場の空気も読めていない。)
「95点」
「98点」
「99点」
「85点」
「120点」
「90点」
「90点」
「100点」
「95点」
「102点」
「では、一生懸命にやった人は3人だけですね。」
「・・・・」
「一生懸命とは全力でやることです。つまり100点でないならそれは一生懸命とは言えないのです。
○○はなぜ99点だったのですか? 謙遜して一点少なくしたの?」
「すこし、途中の飛足刀で気を抜いてしまった。」
このように、思考させ、自らを点検させることも大切な指導である。
場面は変わって、
「なんのためにいまの練習をしましたか?」
「体力をつけるため」と泰生くん。
「全く違います」と長坂。
泰生・匠海・健太郎・竜太郎は「基本のき」という練習をさせていた。
それを泰生くんは「体力をつけるため」と思っているのだ。
きちんと理解させていない長坂に責任がある。
このあと、正しい目的、効果を竜太郎くんに説明させたがここでは紙幅の関係で割愛する。
「なんのためにこの練習をするのか、何を直そうとしているのか、
何を伸ばそううとしているのかを全員が意識しないといけない。
それは、団体ならリーダーの役目です。リーダーがそれを指示しなくてはいけない。
全員が同じイメージを持つということは難しいのです。
『一生懸命にする』と言っても『一生懸命』のイメージは人それぞれです。
だから、もっと言葉を具体的にしなくてはいけません。」
と言って、次のように遊んでいった。
「丸いものをイメージしなさい。はい、なに?」
「10円玉」
「ボール」
「太陽」
「100円玉」
などばらばらになる。
「丸いもので、大きいものをイメージしなさい。」
「地球」
「月」
「太陽」
「バランスボール」
など。まだばらばらになる。
「丸いもので、大きくて、今日に関係のあるものをイメージしなさい。」
(この日は皆既月食でみんなで外に出て観月をした。)
「月」(駿太くんが回答) 「太陽」
「丸いもので、大きくて、今日に関係のあるもので、いま駿太が言ったもの。」
「月!」
これでやっと全員のイメージ、意識が揃ったことになる。
「全員の考えている事、意識を一緒にするということはこれぐらい難しいこ
となのです。そのために、リーダーが「なんのために」「なにをしようとし
ているか」をたえず言わなくてはいけません。そして、他の人も「これは
何のためにやるのだろう?」「どんな効果があるのだろう?」と考えなくてはいけないのです。」
さらに、そのためには「アセスメント」(評価)が必要なことも別の場面で指導した。
PDCA(プラン・ドウ・シー・アクション)である。