ゆめひこう 

日々の思いを

ローマ教皇たちの「近代」との格闘

2013-08-26 21:08:08 | カトリック
教皇様が代わったことで、ちょっとバチカンに興味を持ちました。



私の印象では、ヨハネパウロⅡ世の笑顔が一番先に浮かびます。

世界中の人に愛された教皇様という印象です。

本書を読んで、この教皇様はとても過激で活動的だったと知りました。

世界中の対立に傍観者ではなくかかわっていられたと。

ベルリンの壁がなくなったのも、教皇様の地道な活動が浸透していった面も。

ヨハネパウロ2世の葬儀に日本はどうして礼儀を尽くさなかったのでしょう。

教皇様は来日されていて、決して関係ない人ではないのに。

日本は外交のセンスがないと思います。


ベネデイクト16世はずっとバチカンの中で働いていられたので、

バチカンの中の人だったのですね。

21世紀の問題は国の対立や冷戦などよりもっと難しい問題なのかもしれません。

フランシスコ教皇様はやはり笑顔の温かい方です。

難しい問題に取り組んで成功していただきたいです。

近現代史をバチカンから見るのはとても俯瞰的でグローバルな感じ。

わかりやすかったと思いました。


いのちの選択

2013-08-23 10:37:51 | カトリック
今、まさに話題になっていることが、もう本になっていました。
先端を行く人は、これほど早く問題に取り組んで、活字にするのかと、そのエネルギーと努力に改めて感心してしまいました。

                  

まず、アンジェリーナ・ジョリーとブラッド・ピッドの話題から入りました。
リスク低減手術という名称だそうです。

そして2013年4月から日本でも受けられるようになった、
「新型出生前診断」です。

著者は資料を使って、丁寧に説明されるので、とてもわかりやすいです。
その分考えさせられるものが深刻になります。

もし自分がその立場だったらと、何度も読むのを中断して考えました。

以前柳澤桂子氏が
「障害を持った子が生まれるのは、周囲の人たちの遺伝子を引き受けてくれている存在」ということを言っていました。
それを情緒的な面でとらえていましたが、柳澤氏も科学者でした。
この本の中で、障害児医療の専門家で、小児科医の高谷清氏が

「通常とは異なる遺伝子を引き受けてくれる人がいなくては、人類は種として生き延びてゆけない」という説が紹介されていました。

良い遺伝子だけを選んで生み育てるという考え方は、ホロコーストの歴史にも
通じることがあって、恐ろしい下り坂もありうると・・・

医学や科学の進歩が、人の幸せに向ってほしいと思いました。


終わりと始まり

2013-08-20 22:24:32 | カトリック
池澤夏樹の本を読みました。



表紙は震災の写真かと思いましたが、2010年に札幌の近くの海岸に座礁した、ベトナムの船だそうです。

こういう写真を見ると、すべて震災に思いが行ってしまう。
日本人の心ですね。

池澤夏樹という人の文章や表現が好きです。
静かで内省的というのか。

この本はコラムでコラムの基本はジャーナリズムだそうです。
朝日新聞の夕刊に掲載していたものです。

エッセーは静かに味わっていられますが、今回のコラムは社会性があるので、
一つずつ、共感できるかできないか、考えながら読み進みました。

被災地のこと、原発のこと、普天間基地のこと、一つ一つ問題点として考えることができましたが、共感できたかというと、そうでないものもありました。

そのことを少し悲しく思いながら、読みました。

この本の中で、話題にしている映画や書籍をいくつかメモをとりました。
そういう意味で、私にとって社会学の参考書になったような本でした。


夏休みの読書

2013-08-10 20:19:22 | カトリック
あまり暑いので、外出を控え、読書をしていました。
少し前に、漫画の「聖おにいさん」にとりつかれてずっと読んでいました。
映画まで見に行ってしまいました。

キリスト教のエピソードは良くわかるのですが、ブッダのほうが分からないことがありました。
ブッダの子供の名前がラーフラで、障害という意味とはどういうことかとか・・・。



読み始めたら、とにかくやめられなくなって、8巻読み通しました。

ブッダはキノコが原因で亡くなったらしいと知って、徳川家康がてんぷらを食べたことを思い出しました。

「人はなぜ生きるか、なぜ死ぬか」いい話でした。
生き物はすべてつながっていて、人も動物も命はみんな大切、命はなくなると宇宙に飛んでゆくというのは、感覚的に受け入れられる気がしました。
もうちょっと仏教のことも知りたくなり・・・。
でも今は時間はないので、いつかできたらと思いました。

手塚治虫は偉大な人だったのだと、いまさら敬服しました。
良い夏休みの読書でした。







教皇フランシスコ

2013-08-05 13:09:07 | カトリック
              

新しい教皇様が決まってから、まだ4ヶ月くらいなのに、こんな素敵な本が出ました。
フランシスコ教皇様の写真は、いつも笑顔で、それだけでも明るい気分になります。

雑誌カトリック生活は、教皇様の写真が表紙になった月は早くに品切れになりました。
私の友人は買い損ねたそうです。
買えた友人は、部屋に飾ってあるそうです。

4ヶ月でよく本を1冊書けたと思いましたが、前半はフランシスコ教皇の半生記です。
後半は今までの教皇の歴史や、ヨハネパウロ二世とベネデイクト十六世の時代の話でした。

コンクラーベの仕組みもかなり細かく書かれていて興味深かったです。
枢機卿はどういう基準で投票をされるのか思いましたが、結構心理的なやり取りで票が動くようでおもしろかったです。



イエズス会の教皇様も初めてで、実はコンクラーベが始まる前に、イエズス会の神父様とお話しする機会があって、その時
「イエズス会の方が教皇様になる可能性はありますか?」
と伺ったら、即座に
「それはありません」
と言われたので、居合わせた人たちは笑ってしまいました。

フランシスコ教皇が決まってからお会いしたら、イエズス会では皆さん大変驚いて、とても喜んでいられるということでした。

ローマはいろいろ大変そうですが、人々のために良いお働きができますように。