![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/8f/0e04b2af74a647a4b95d9a27f6c0db32.jpg)
サブタイトルに、「福音書をどう読み解くか」とありました。
福音書は「教典」であると同時に「古典」であると著者は言います。
イエスの死後(紀元後30年ごろ)その大部分が復活信仰を介して成立し、
言い伝えられていた各種キリスト伝承の断片を、初めて「福音書」に
編集したのがマルコである。
ということで、マルコの福音書の、どの部分が伝承であり、
どの部分が、マルコによる編集かを考察します。
また、マルコがまとめている福音書は、紀元60年代のキリスト教信者への
メッセージであることに気づかされました。
マタイは、ユダヤ人キリスト教徒を対象にしています。
一方、ルカは異邦人キリスト教徒を対象にしています。
聖書のそれぞれの箇所を例にあげて、比較して説明されているので、
なるほどと思いました。
マルコには復活後のイエス様は書かれていません。
婦人たちは恐ろしかったので、だれにも何も言わなかったで終わってしまいます。
そのあとの解説がたくさん書かれていて、最近発行されたフランシスコ会訳聖書では
そのことのついてかなり詳しい説明があります。
この本は1994年の出版です。
聖書学はこれからも研究が進み、解釈が変わるのでしょうか。
本当にイエス様はどこにおられるのか、私も彷徨い続けるようです。