習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

浪花グランンドロマン『人造都市』

2010-09-06 21:48:59 | 演劇
 なんと20周年である。毎年、毎年休むことなく1年に1回テントで芝居をすることを定例としてきた浪速グランドロマンが、今年もいつものようにテントをたてる。この「当たり前のように」コンスタントに作り続ける姿はある種の感動すら呼ぶ。これは凄いことなのだ。なのに、まるで凄いことのようには見せない。飄々とこなしているようにすら見える。そこが彼らの凄さだ。  20年、マイペースで続けられるなんてほんとは奇跡 . . . 本文を読む
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南船北馬『4のシ点』

2010-09-06 21:44:01 | 演劇
 棚瀬さんが1年を待たずに新作を発表してくれたことがとてもうれしい。南船北馬として再出発した棚瀬さんの描く世界は今までのものとは、いささか趣を異にする。ここに描かれる世界は構造が図式的で、とても見やすい。観念的だった従来の作品世界とはまるでアプローチが違う。お話よりもまず、世界の成り立ちが先にある。そのシステムの中でどう生きていくのかが描かれる。理不尽なものも含めて受け入れざるを得ない。ここに描か . . . 本文を読む
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『怪談レストラン』

2010-09-06 21:20:36 | 映画
 こういう健全な子供向きの娯楽映画が最近はめっきり少なくなっている。まぁ、商業映画は、お客を集めてなんぼ。だから健全な児童向けの映画なんて作ってもまるで金儲けにはならないから、作らない。当然のことだろう。子供たちに人気の本らしい。TVアニメにもなっているようだ。僕は何にも知らなかった。ただ、こういうのんびりした感じの映画に心魅かれて、劇場に行く。  映画は、なんとも言い難い緩いタッチの映画で、と . . . 本文を読む
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飛鳥井千砂『チョコレートの町』

2010-09-06 21:18:53 | その他
 よくできた小説を読み終えたとき、なんとも言い難い寂しさに襲われることがある。心地よい世界の余韻に浸りながらも、もうここにはこれ以上いられないという事実に怯える。小説は終わった。ここからは、ただの日常だ。いい映画を見終えたときも同じだ。スクリーンが明るくなり、みんなが劇場を出ていく。もっとあの甘美な世界に浸っていたいのに現実は容赦ない。  この小説の主人公は、東京に出て10年になる男性だ。故郷の . . . 本文を読む
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