これはきつい。今の気分では最後まで見ることはできない、と思う。でも、見始めた以上はやめられないから、見通した。藤井道人監督の2017年作品。DVDになっていたので、見たのだけど、これはつらすぎる。
話が詰め込みすぎで、あまりに悲惨なことだらけで、目をそむけたくなる。この世界ではこんなことがどこにでもある、のかもしれないけど、それにしても、あんまりだ。あんまりが、こんなふうにつながると、やめて、と叫びたくなる。救いはあるか、と言われると、それでも、生きていかなくてはならなし、人は生きていく、と言われたら、まぁ、確かに、とも思うけど、やはり、これはきつい。
事件がこんなふうに偶然つながっているというのは、ふつうあり得ないと思うけど、この映画はそのありえないことをありえたというふうに技巧的に描くのではなく、当然のこととして描いていく。なのに、嘘くさくない。ドキュメントのように圧倒的に迫力がある。さすがだ。そこは藤井監督の独壇場だろう。ほとんど知らない役者たちを起用したことも成功している。だから、これはいい映画だ、ということはわかる。でも、この暗さはとんでもない。無理。