ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

2019J1リーグ第5節浦和レッズvsFC東京@埼スタ20190330

2019-03-30 22:53:24 | FC東京

満開を迎えた東京。

時代のはざまの週末。

人生で二度目の改元はただ受け入れるだけなのですけど、案外そういうことが嫌いではなく。俺の東京♪

平成に幕を下ろす対戦は、相性の悪い埼スタです。You'llNeverWalkAlone♪

レッズの作戦をうまく使って試合を巧みに運びましたけど、最後の最後に悔しいドロー。

東京はA代表とU-22代表に拠出した影響でちょっとだけターンオーバーです。シフトはスクウェアの4-4-2。GKは彰洋。CBはヒョンスとモリゲ。SBは成と諒也。CMは洋次郎と全国にその名を轟かせた拳人。メイヤは右に今日は晃太郎左に慶悟。2トップはディエゴと謙佑です。

浦和は大きく闘いかたをアジャストです。怪我人が戻り、徐々にレッズらしい編成になってきているのでしょうか。シフトはダイヤモンド型の4-4-2。GKは周作。CBはマウリシオと槙野。SBは右にモリ左に宇賀神。アンカーは復帰したカピ。メイヤは右に長澤左にエヴェルトン。トップ下は陽介。2トップは慎三とこれまた復帰のムトゥです。

前節勝ってますので浦和がアジャストした理由はよくわからないのですけど、主力が戻ったというポジティブなものか、新戦力がはまらないというネガティヴなものか。いずれにしろ、急なアジャストなので手探り感があったのは否めないでしょう。

浦和の狙いは、おそらくコンサバティブな発想に基づいていたと思います。まず東京の超高速ロングカウンターの芽をつむこと。そのためにポゼッションを上げてリスクをコントロールします。

浦和の志向はサイドです。結果的に東京がこの志向を逆手に取るわけですけど、その意味で、今日の試合は奇妙な共同作業の様相をていします。浦和がサイドに基点を作る理由は、できるだけ高い位置でポゼッションすることで、トランジションがあったとしても東京の起点を下げるためです。もうひとつは東京の主戦である中盤中央の守備強度を嫌い、直接的な対決を回避するためです。

いちおう浦和は、ダブルスタンダードというかあわよくばの作戦も持ち合わせます。狙いは成と諒也の裏のスペース。モリもしくは宇賀神が基点となり、これにアタッカーが下がって絡むことでカオスを作ります。これにより生まれたフリーマンがサイド深くにむけてスペースメイクを繰り返します。有効なリスクヘッジですし、アタッキングサードですからチャンスにもなり得ます。

浦和のミニマムの思惑の範囲内では機能したといえますけど、客観的に評すると失敗です。たしかにサイドで基点を作れますけど、インサイドとのパス連携が続きません。それゆえ積極的な仕掛けを諦め、最終ラインを経たサイドチェンジを繰り返します。

この原因はアタッカーの役割が複雑すぎたことにあると思います。今日の浦和は、守備時には陽介が真ん中に下がってスクウェア型の4+4になりますけど、基本思想はダイヤモンド型です。なので、ミドルアタッカーは陽介、長澤、エヴェルトン。これにムトゥが加わり、都合四人でゲームメイクを担当していました。これが複雑性を生みます。四人はポジションレスで、それぞれの動きに応じて自分のポジションを見つけていました。かなりの練度が求められる作戦ですから、スクランブルには向かず。ようするに調整不足というところでしょう。

いちおうなんとなくルールがあって、陽介のポジションに合わせて長澤とエヴェルトンが動いていたようです。陽介は攻撃サイドのSBに近づき、リズムメイカーの役割でした。ただ、陽介が作るリズムが単調だったため、ポジションレスの割にカオスを生み出しません。これは陽介の問題というより、攻撃のハブとなる選手のポジショニングの問題だろうと思います。

いかんせん、陽介は長澤と、よくいえばポジションを共有悪くいえば役割がかぶっていました。長澤が陽介の役割を代行できることがあっても陽介が長澤の役を担えません。それゆえか、陽介が、チームのリズムを作りえなかった要因のひとつになっていました。

浦和はこれを解消するために、ムトゥを下げ、さらに慎三を下げてでもチャンスを作ろうとします。中盤の人数をかけますから、アタッキングサード深くに入ることができるようになります。でも、その先が続きません。

そこには東京の巧妙があります。東京が浦和の作戦を予見していたのかはわかりません。でもサイドに出してくれることは、東京の本質からみると大歓迎です。東京は守備基点の発想ですから、浦和がこれまた浦和の本質である中央の連携を捨ててくれることは、自ら対策しなくてもリスクヘッジできることになるわけです。

作戦上の利点は他力だったにしても、これをメリットに結びつけるのは選手の技術と献身性です。最終的にサイドのリスクを取り除いたのは晃太郎と成、慶悟と諒也のセットがサイドチームとしてのタスクを乱れさせることなく遂行し続けたからです。今日のMVPは建英ですけど、試合を作った功労者は、間違いなくサイドの四人。

さりとて、浦和の攻撃を受けるポイントが低すぎたため、トランジションが攻撃の起点になりません。東京はこれをあえて是としますけど、点を取るためにはいつかモードを変えなければなりません。試合のキャスティングボードは東京が握ります。

東京が前半で有効な攻撃ができたのは、ほぼ前線の二人の個人技術が浦和守備陣に優った場合のみ。それでも、ディエゴも謙佑も自分の活かしかたを心得ていて、数は少ないけど浦和に脅威を感じさせるに足るチャンスを作れていました。前作はおそらくそれで十分。

前半は、東京の巧みなコントロール下で推移し、スコアレスのまま終了。

後半頭からオリヴェイラさんが動きます。陽介に代えてマルティノスを左メイヤに投入します。エヴェルトンがトップ下に回ります。あいまいだったアタッカーの役割を整理するため、前半にはいなかったドリブラーアタッカーを設定し、かつサイドに固定します。これにより浦和は攻撃ルートを意識することができるようになります。浦和の攻撃が活性化します。

でも、浦和の確変は長持ちしません。そもそもコンセプトをタスクに落とし込み切れていませんから、少しばかりテイストを変えても付け焼き刃ということでしょう。東京にしてみれば、ようするに浦和はサイド基調であることに変わりはないので、引き続きサイドのケアに集中すればいいわけですから。後半も東京のサイドチームはぬかりありません。

ふたたび前半のリズムを取り戻したところで、ついに健太さんが動きます。謙佑に代えて建英を同じくトップに投入します。東京のモードチェンジのときがきました。

健太さんの答えは、マイナーアジャストです。健太さんのこういうところが、ロマンチストならぬ勝負師たる部分なのでしょう。過度なリスクを負わず、マイナーチェンジで必要最小限の効果を得る。すなわち、一点を取るために攻撃方法を変えます。オリジナルモードはいわずとダブルスプリンターシフトです。それに対しモードチェンジ後は、ザ・タケフサシフト。

なんというか、ついにというかようやくというかはやくもというか、建英が東京のエースになる日がきました。東京は建英を中央におきボールを集めます。建英の突破力をチームのストロングポイントに据えて、まわりの選手が建英が作るチャンスを信じパスがくる態勢を作ります。

代表クラスがひしめく浦和の中央に、建英が君臨します。建英投入当初は、チャレンジも浦和に跳ね返され続けますけど、ついにその時が訪れました。

75分。マルティノスの左アタッキングサードでの仕掛けを成がカット。大きくこぼれたボールが前方の建英に渡ります。建英は寄せてきたモリと体を入れ替えながらキープ。超高速ロングカウンターモードに入ります。浦和陣に入り、マウリシオが寄せてきたタイミングで前方のディエゴにパス。これがちょっと足元深くに入りますけど、ディエゴは巧みにさばいて建英に戻します。難しいイーブンボールを拾った建英はバウンドにタイミングを合わせ、左サイドにダイレクトスルー。そこには上がってきた慶悟がいました。アタッキングサードに入って追いついた慶悟は、ダイレクトでクロス。そのままゴール前に上がったディエゴにピタリと合いました。まさに伝家の宝刀超高速カウンター炸裂。浦和0-1東京。

試合を決めるプレーをみせてくれるのがエースの条件だとすると、建英はまさにワンプレーで試合を決めました。少なくともラスト1分までは。結果は建英にいかんともしがたい理由で勝利には至らなかったけど、ぼくらは時代の変わり目に、新しい王の戴冠をそう遠くないうちに目撃する予感を確実に感じました。

先制することで、名実ともに東京がオーガナイズすることになります。浦和は相変わらずワンパターンの攻撃を繰り返すのみ。誤解でなければ浦和ゴール裏すらも思わず動揺の悲鳴をもらしていました。

それでも、さすがオリヴェイラさんはネバーギブアップ。打ち手を秘めてます。二枚同時代えです。宇賀神に代えて山中を同じく左SBに投入します。

カピに代えて健勇をトップに投入します。ムトゥがトップ下、エヴェルトンがアンカーにそれぞれ回ります。

この作戦が一気に流れを変えます。浦和は、ひとりで試合をコントロールできる山中にボールを集めます。前半に陽介に期待していたタスクが、終盤にきて突然出現します。さらにエヴェルトンが真ん中に入ったことで、パスのさばきがスムーズになります。

試合を落ち着かせたい東京は、思わず受け基調に回ります。ちょっと危険だなぁと思ってヒヤヒヤしていたのですけど、ここでもサイドチームの粘り強い集中と、ディエゴと建英のファストアタックが効いて、ぬるぬると浦和の反転攻勢を跳ね返します。

ここからが今日のターニングポイントでした。東京はカードが二枚残っていたので打ち手はありました。それを行使するか否か。非常に繊細な状況だったので、リズムが壊れるのも怖いし、さりとて山中を軸にした反転攻勢も脅威です。健太さんに選択のチャンスがあったとすると、浦和にワンサイドに押し込まれる時間帯を凌ぎ切った直後、ちょうどディエゴが痛めたあたりだったかなと思います。

そして、最後の最後に野獣が咆哮します。

90+4分。東京陣のモリのスローインから。右ライン際で、モリ、ムトゥ、モリ、長澤、ムトゥと細かいパスをつなぎます。でもムトゥは手詰まり感を覚えたのでしょう。ここで大きく、ダイレクトにサイドチェンジします。これまではサイドチェンジは最終ラインを通していましたけど、このムトゥの判断が奏功します。この時左サイドでは山中がフリー。ムトゥのパスを受けたエヴェルトンは山中に渡します。フリーのままの山中はなんなくルックアップ。ゴール前では、慎三と健勇に、東京は最終ラインが揃っていて4on2の数的優位です。このままであれば山中のクロスは防げたでしょう。でもこの時、ひとりの影が。長澤とのタベーラをイメージして上がっていたモリが、ムトゥのサイドチェンジで放置プレーにされかけていたのですけど、野獣の感でそのまま居残っていました。それをみた山中はフリーのモリにクロス。モリは合わせるだけでした。浦和1-1東京。

おそらく、時間もなかったしスペースがあったのでモリはなんとなく居残り、山中もモリと意識せずフリーマンが絶好のポジションにいたのでパスを出したに過ぎないでしょう。いわば、負けている状況のラストプレーだったからこそ起こった事故、でした。それにしても、そこにいるあたりがやっぱりモリは役者です。

このまま試合終了。浦和1-1東京。

悔しい。ホント悔しい。これまでの浦和戦で記憶にないほど完璧に浦和を凌駕しましたから、ハードラックに泣きおどります。

でも、あくまでもファンなので、まーこんな日もあるさ、に留めたいと思います。たられば満載で、アフターマッチ居酒屋トークネタに困らない結末でした。キャスティングも含めて(^_^;)。こういう日こそ、サポ気質を全開で、遠慮せず思うがまま愚痴ってみようじゃありませんか(なんだよモリワキめ(*`ω´))!

次節は、誕生日マッチ。すっきり切り替えて勝利でお祝いしてくれるとを期待します。