ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

まれロケ地の旅 ―20150810 能登②輪島市門前町―

2015-08-14 20:18:42 | 連続テレビ小説まれ

金沢、長野と新しくJリーグに加わった街を巡ってきた旅は、ふたたび北陸に戻ります。今回の北陸信越の旅のもう一つの目的は、帰ってきました能登に。まれロケ地巡りです。

長野駅からはくたかに乗って、もう一度北陸を目指します。

やって参りましたのは、新高岡。北陸新幹線開通とともに、二見駅から新装なった新駅です。

高岡の大兜。

新高岡でレンタカーを借ります。あとで思ったのですけどコンパクトカーでホントに良かったです。

北陸新幹線開通に合わせて、能越自動車道の七尾氷見道が七尾まで伸びています。ただいま全線フリー。七尾市内を抜けると、のと里山海道に入ります。これで穴水まで行きます。こちらもただいま全線フリー。穴水から県道1号線、7号線を継ぎ、能登半島の西側に向かいます。国道249号線に出て西に向かうと、総持寺祖院があります。ちょっと寄り道。山門。

経蔵。

大祖堂。

国道249号線に戻り、日本海に出たら、すぐ南側に北前船の基地だった天領黒島があります。

角海家。

さらに国道249号線を南に進みまして、輪島市門前町劔地の琴ヶ浜を目指します。

泣き砂で有名な琴ヶ浜。琴ヶ浜その①その②

能登まれロケ地巡りをしていて気付いたのですけど、ほとんどのロケ地にまれ幟を立てていただいてます。目印になってとてもありがたいです。たぶん本放送中くらいだと思いますけど、期間中であれば立っていると思うので、幟が見えたらちょっと寄ってみてください。

ではお待たせいたしました。まれロケ地巡り能登編を再開しましょう。オープニングで希ちゃんが裸足で踊ってる浜。

希ちゃんが舞っていたのはこの辺り。

オープニングで能登の地元のかたが走ってる浜。

続きまして、国道249号線を北に戻りまして、門前町浦上で県道38号線に入ります。さらに北上。山中の分岐を県道266号線に入ります。そのまま一本道を進み、海に出ましたらここを道なりに左に進み、海岸沿いを南下します。

200mほど走ったここを左に入ります。

さらに100mほど進んだ、ユースホステルのちょっと先。石川県輪島市門前町皆月ニ。

キング美容室さんです。

そしてまれ幟。

なんと!。嬉しいことに「サロンはる」の表札をかけていただいてます(^o^)/。

「この家空いてないのかな?」。外浦村に来た藍子さんが住むための空家を探していた町。

「ちょ、ちょ、アンタたちちょっと来てま」。

「こんにちわ」「こんにちわ」。

「「うるさい」は、「いじくらしい」。「かわいらしい」は「いちゃけな」。「気持ち悪い」は…。」。能登ことばノートを見てぶつぶつ言いながら希ちゃんが歩いてた町。

「どこ行くが?」「あっ、えっと…相撲でがん! 行ってきまげろ!」「えっ?」。

「「かちゃかちゃやがい」は「散かっている」」。

「ここの言葉をちゃ喋っとるつもりけ」「ほうみたいやね」「ハハハハハ」。

「おはようございます! おはよう!」。高校生になった希ちゃんが、通学の途中でよったサロンはる。

「希ちゃん、おはようさん」「おはようございます! よっ。」。

「なあ、お父さん、まだ帰ってこんけ?」「うん」「もう6年になるがいね。居場所も分からんがけ?」「うん。もう、死んだもんと思とるさけ。行ってきます!」。

「行ってらっしゃい!」。

「そして、10月のある晴れた日曜日。いよいよ、希と一子の勝負の日がやってまいりました」。東京にオーディションを受けに行く一子ちゃんがこっそり抜け出したサロンはるの勝手口。

「うわっ!」「おう!」「何やいね?」「トラック、小学校の前で待っとるさけ」「昨日聞いたがいね」。

「一子!」「し~!」「頑張れや」「言われんでも頑張るわ」。

「うん」「ほんなら…」。

ちょうどJPPの車が通りました。真人さんが乗ってるのかな?。

先ほどの皆月の中心部に戻りますと、紙で出来たアドホックな鳥居がありました。

どうやら皆月は、お祭りがあるようです。

曳山。

運行時刻表。

曳山で神様が通られる道は、このように清めてあります。

清めの塩。

自宅の前が持ち場なのだそうです。ちょうど準備されてる最中でした。

ホントに祭りの最中だと、楽しいけどロケ地を落ち着いて見られなかったかもしれないので、準備のときの一番いい時間に来られたかもしれません。

皆月から県道266号線を南下してすぐ。門前町鵜山の七浦公民館です。

廃校になっていますけど、旧門前町立七浦中学校です。

こちらにもまれ幟。

「「疲れた」は「ちきねえ」。

「めちゃくちゃ」は「わやくそ」。

「カニ」は「がんち」。がんち? 何で?」。

「希が、2学期から通う事になる小学校です」。

七浦公民館のすぐ南側。こちらを左折。

すぐのこちらを左折。山道に入り、どんどん上に向かいます。

輪島市門前町百成大角間です。この柵が見えてきます。

なーんにもなくて一瞬心配ですけど、こちらにもちゃんとまれ幟。ありがたいです。

オープニングで希ちゃんが畑仕事してるかたに手を降ってる道。

オープニングで希ちゃんが走ってきた道。

オープニングで能登の地産の野菜が乗ったテーブルを、希ちゃんと地元のかたが囲む空き地。今はこの柵があります。

県道266号線に戻りまして、湾沿いに南に進んですぐ。門前町五十洲の小崎です。小さな駐車スペースが海側にあります。さすがにここは風が強いのでまれ幟はありません。

「すいません」「もういい! 私たち、もう終わりだね」「恋人か」「さよなら」「あっ…希!」。徹にケーキを潰されて怒って東京に帰ろうとした希ちゃんがいたバス停。

「何か食べ物…」。

希ちゃんが能登のことばノートを捨てたバス停。

「ただいまより、夏祭りの開催について、話し合いを行います。皆さん、集会所に集まって下さい」。

圭太が希ちゃんのノートを拾ったバス停。

皆月を離れまして、県道266号線を北に戻ります。県道38号線に入ってさらに北上。また日本海にでます。海沿いに北上して、やって参りましたのは、まれの主舞台。輪島市大沢町宝来町です。

本日は、はじめてロケ地に宿泊します。田中屋旅館さん。自分はアトピーがあって、引け目があるし治療が心配なので和風の宿には泊まらないのですけど、今日は特別。

ロケ地を巡るとわかるのですけど、メインの舞台となる街は、基本的に観光に力を入れてらっしゃるところです。とくに現代劇のあまちゃんとまれはその傾向を強く感じました。町おこしを担っている部分もありますから、大切なことです。

土屋太鳳さん、大泉洋ちゃん、常磐貴子さん。

宿の目の前が大沢バス停です。待合室がちょっとした観光案内になってます。

まれ幟があるということは。

外浦村役場!。

もう遅いので、外浦村役場のシーンは明日見ます。この建物はNHKがまれのために借りてる空家だそうです。もとはなんだったのかな?。公民館は後で出てきますけど別にあります。

今はまれの観光案内所になっています。

まれのグッズや地元の特産品、ロケの様子を紹介する写真などがあります。スタッフさんは地元のかたがボランティアでやってらっしゃるので、基本的にお客さんが多い週末とGWだけ開けているのだそうです。今日は開ける予定がなかったのだそうですけど、お盆でお客さんが多かったので、臨時で開けたそうです。ちなみに翌日も朝から開いてました。

土屋太鳳さんのブログにもありますけど、実は、先週の8月4日と5日で能登最終ロケがあったそうです。宝来町のロケもこれで最後。宿のかた、外浦村役場のかた、西保コミュニティーセンターのかたにロケの様子をお聞きしたのですけど、ネタばれになるので載せません(^^ゞ。撮影時そのままの状態で残っているのは、これまでいろんなロケ地を見て来ましたけど初めてです。感動しました。感激しました。凄いタイミングです。一度で良いからロケ現場に遭遇したいと思っているのですけど、ついにニアミスしました。実は6月に輪島に来たときも、直後に能登ロケがあったそうでニアミスしてました。

能登ロケ地でセットを使っているのは、宝来町では外浦村役場のほかには、あの港の櫓。

それから民宿桶作。

輪島市街地はたぶん無くて、塩田桶作。

外浦村役場は、玄関がセットです。内側から見ると分かるのですけど、このようにベニアです。

元の建物と付け足した部分が分かります。

外から見るとほとんどわかりませんね。

レンガの部分も付け足してます。

タイルも左はオリジナル、右は付け足しです。

この基部もセット。

外浦村役場内に置いてあるロケ風景。

続いて、西保コミュニティーセンターにお邪魔しました。

まれのロケ撮影の写真が展示してあります。

ロケの控え室。

撮影で登場した曳山のミニチュア。

高畑裕太さん、清水富美加さん、山崎賢人さんのサイン。

日暮れまでゆっくり散策できるのは、ロケ地に泊まる特権ですね。夕方の町内放送

田中屋旅館さんは、地元宝来の地引網で朝とれたお魚と、地元のお米、お野菜、海藻、さらには輪島塗と九谷焼。能登、石川愛に溢れたお食事を用意してくださいます。ひとつ一つが実は希な食材で、ホントに美味しいし、ゆっくり過ごしたいと思いました。明日は朝からまれ、巡ります。


2015J1リーグ2ndステージ第6節アルビレックス新潟vs浦和レッズ@ビッグスワン20150812

2015-08-13 16:29:49 | 加賀さん

2015夏旅もとうとう終盤です。

しめくくり、輪島から長駆北上して、新潟です。

カーナビのセットを間違えて遠回りをしまして、羽咋に来てしまいました。せっかくなのでなぎさドライブウェイを走りました。

高岡に戻りました。時間に余裕ができたので、国宝瑞龍寺を参拝することができました。

重要文化財総門です。

国宝山門。

重要文化財禅堂は改修中。

重要文化財大庫裏。ダイニングですね。

国宝仏堂。

ご本尊の釈迦三尊。

国宝法堂。

お庭。

石廟。

伽藍のなかは建物の深色と芝生の鮮やかのコントラストが爽やかで、見惚れてしまいました。油断したらいつまでもボーとしてそうな空気がありました。

瑞龍寺から東にまっすぐ15分弱歩くと此方に辿りつきます。

前田利長公の墓所です。

周囲に堀があって、厳格な印象がありました。

新高岡駅でレンタカーを返しました。この旅一番の心配は輪島から新高岡のドライブでした。新潟に行くために新幹線の時刻に間に合わないといけないので。10分前に着くスケジューリングで無事間に合いました。

この旅の計画は、実は冬のJリーグの日程発表のときに大枠を決めていました。加賀さんと東京とまれとツエーゲンとAC長野。これをミクスチャーできる神週はここだけでしたから。

新潟は加賀さんに会いに。会える予感はほとんど無くなっても、シュートは打たないと入りませんから。

昼下がりに新潟に着いて、ひと息ついてからビッグスワンに向かうシャトルバスを待っている間に、今日のスコッドが発表になりました。毎週の脱力感を今日もずっしりと感じました。

加賀さんがビッグスワンに居たんだそうです!。

予備メンバーとして帯同してたそうです。試合前のアップに参加していたそうです。ああ。お喋りに夢中で気づかなかった自分。加賀さんファンの名折れですね。加賀さんに会いに新潟に来たのに、わざわざ加賀さんポジションの席を取っておきながら、加賀さんを目の前にして加賀さんに気づかないとは(T_T)。目が悪いのとビッグスワンの光量がちょっと低いので良く見えなかったんです。加賀さんファンを名乗るのが恥ずかしいのでしばらく止めます。

それでも。プロとしての表現の現場の近くまで、加賀さんがひさしぶりに辿りつけたことがめっちゃ嬉しいです。ヤンツーさんとの再会を楽しめたかしら。

というわけで、甲府を蹴って新潟にいるモチベーションを九割がた無くし茫然としながらも、自分のなかのサッカー脳が居場所を失うことなく、今年2回目の新潟今年4回目のアルビです。

回を重ねるごとに良くなってる新潟を確認できましたけど、浦和対策の覚悟のスクランブルは、浦和の個の力の前に屈しました。

新潟は2stに入ってからチームが出来上がりつつあるようです。ようやく編成が整理され、スタートスコッドがかたまってきました。ただ今日は大黒柱のレオ・シルバがサスペンションで不在です。心臓を抜かれた新潟がどう試合をコントロールするのかがポイントになります。シフトはおなじみ4-4-2。GKは守田。CBは大野と舞行龍ジェームス。SBは右に川口左にコルテース。ボランチは今日は裕紀と小泉が組みます。メイヤは右に康裕左に大。2トップは指宿とギュンギュンです。

浦和は代表帰りのメンバーが大事をとってお休みです。シフトは言わずもがな3-4-2-1。GKは周作。3CBは右から森脇、那須、そして槙野が強行出場。ボランチは勇樹と陽介。WBは右にタカ左に宇賀神。今日の2シャドウは右に梅崎左に俊幸。1トップはズィライオです。

新潟は、いきなりスクランブルを仕掛けます。

新潟は前線から激しいフォアチェックを仕掛けます。狙いは、まずは浦和の常套をいなすことにあると思います。1stの浦和は、先行逃げ切りを志向していました。キックオフと同時にWBの両翼をアタッキングサードにいれるアグレッシブな攻撃を仕掛け、守備が整う前に一気に攻撃のクオリティの高さを見せつけることでイニシアチブを握ろうとしていました。極論すると、この作戦とそれを成し得る選手の発掘が、1stの優勝を引き寄せたと言っていいと思います。

2ndの浦和は今日が初見なので、対戦相手それぞれの工夫はわからないのですけど、少なくともヤンツーさんは、ようするに猛獣浦和を檻に閉じ込めます。浦和の攻撃のバロメーターは、WBのポジショニングです。タカと宇賀神がアタッキングサードにいることができれば、元来のドリブラーである二人の個性が活きます。タカと宇賀神がボールを持つことで、なかの三人が言わば消えることができ、それが相手にとっては耐え難い苦悩につながります。

新潟は、なのでタカと宇賀神を浦和陣に押し込めます。直接的には起点である那須に 、非常に激しいプレッシャーをかけます。通常浦和は、このことを予見して起点をホットスタンバイさせます。攻撃時の浦和は、勇樹が左に下がって那須と並び、どちらも起点になれるようにします。ところが今日の勇樹は下がりません。新潟のプレッシングがいきなりだったので、これが浦和の作戦だったのかは確認できませんでした。ただ、その後の勇樹のプレー選択を見ると、結果的に勇樹はあえて下がらず、この状況を利用した雰囲気はあります。いずれにしろ、那須がプレッシャーにさらされたことが、浦和をして守勢に回らされた主因だと思います。

本来の新潟は、ポゼッションによる崩しを志向するチームです。おそらく今日は、浦和のお株を奪って先行逃げ切りを意図していたと思います。今日の新潟は一雨後の夕涼みで過ごしやすかったとは言え、まだまだ暑かったです。条件は同じとは言え、試合を有利に展開したほうがいいに越したことはありません。序盤の新潟の猛攻が90分間続くはずもなく、いずれ省エネモードに入るにしろ、精神的にも物理的にも余裕を持ちたかったのでしょう。

このことは、新潟にとっては今日の勝敗の重要な鍵となる、裕紀の負担を軽減する意図も、ヤンツーさんは内していたと思います。裕紀がレオの役割をいきなり担わされるのは、経験があるとは言え浦和相手にはリスクが高いでしょう。言わば、前4人でサッカーをすることができるならば、そしてシナリオ通りに先制できるならば、裕紀の心の軽さたるや。

浦和は大事にしなければいけない10分を耐えます。ほぼ浦和陣でプレーが展開される苦しい状況を凌げば、新潟が止まることは誰が見ても予期されました。このために勇樹はあえて下がらず、中盤からイージーなフィードを前線に送ります。てかクリア。状況を打開するために、その手前のステップとして耐えるための蹴り返し。まったくもって勇樹のサッカー感は凄いですね。

新潟の覚悟と浦和の我慢。いきなりのこれぞJ1、これぞプロという胃が痛くなりそうな極上エンターテイメントに、浦和ゴール裏をして固唾を飲みチャントを自重する巌流島は、熱い気持ちで後押しする新潟サポの願いが聞きとどけられました。

12分。浦和陣に入って左サイドで裕紀からのパスを受けた康裕がルックアップ。前方を大がカットインしてきています。康裕は大に縦パスを入れ、そのまま前線へ。アタッキングサードに入ります。中央に入った大は、寄せてきた勇樹を引きつけます。この時浦和は、ゴール前に3CBが揃っていますけど、ボールサイドに寄せています。陽介は康裕をチェックするために前に出ています。新潟は最前線のギュンギュン。3on4の局面です。大は上がってくる康裕に落とします。槙野が反応しますけど距離があり、康裕は右足ダイレクトでたたきます。このシュートは周作の手を越えますけどポストに当たります。この時那須の背後からギュンギュンがひとりだけ抜け出していました。跳ね返ったボールはギュンギュンの前にこぼれます。神は意欲ある者に微笑む。新潟1-0浦和。

ギュンギュンは序盤からギュンギュンしてました。体が切れているのでしょう。今のチームとしての新潟はまったく悲観する必要がなく、J1でも上位のクオリティまで昇華できてると思います。そこにJ1で勝ち抜くストロングポイント足り得るのはギュンギュンの存在だと思います。ポスト亜土夢の目処がようやくたったんですね。

試合の趨勢を分けるホントの闘いは、ここからです。つまり新潟の選択が今日の結果を分けると思いました。新潟がリトリートするのかフォアチェックを続けるのか。リトリートすれば、当然のことながら猛獣浦和にイニシアチブを明け渡します。ムトゥと興梠を欠くとは言え、クオリティの落差はほとんどありませんから、第一生命線のタカと宇賀神はいますから、逆襲は必定でしょう。

さりとてフォアチェックを続けることは、ボランチと前線の間に広大な空間を作ることになります。これもまた、ネガティヴトランジションの状況次第で大ピンチになり兼ねません。

新潟の選択は、後者でした。つまり、1点ではやがて不可避な浦和の猛攻に耐えられないという判断でしょう。これは妥当な苦渋だと思いました。新潟のビッグチャレンジの結果やいかに。

越後の不動明王は、無慈悲でした。そして浦和は個の力を見せつけました。

26分。勇樹の自陣からのロングフィードを、川口の裏をとった梅崎が受けて、そのままドリブル。アタッキングサードに入ります。梅崎は川口と舞行龍が寄せてきますけど、一度左に体重移動するフェイクで二人を同時に振り切ります。おそらく梅崎が得た時間は1秒もなかったでしょう。体重移動の流れのままゴール前を確認します。この時ニアに俊幸がいて大野がついています。ファアはズィライオがいてコルテースがついています。ところがなぜか、ズィライオ自身はほぼなにもしていないのに、コルテースが勝手にズィライオをはがします。当然ズィライオはゴールに向かいます。ほんのわずかの時間でこれを見た梅崎は、左足を振りゴール前にクロスを送ります。これが飛び込んだズィライオの頭に合いました。新潟1-1浦和。

実質、浦和がきちんとゴールを目指したファーストアタックで、なおかつファーストシュートでした。それを最小限の関与で決めてしまうとは、さすが浦和です。ポゼッションだけでなくカウンターの威力を身につけたことは、2015浦和の大きな収穫でしょう。

新潟の切なさはここからです。フォアチェックを維持が限界でここからもうひとギアあげるだけのキャパシティーが今はありません。布陣を代えるにせよ、おそらく想定よりうんとはやく浦和に追いつかれてしまったので、リスクがあり過ぎるでしょう。その意味では、今日のMVPはズィライオだと思います。

ここにきてようやく、本来の新潟vs浦和になります。新潟はやるかたなくオリジナルプランに戻し、リトリートします。ここで新潟がもうひと工夫できるならば、今日の試合はエンターテイメントを通り超してエクスタシーの領域に入れたことでしょう。その差はホントに2ステージ制、つまりお金なのかはたまた。Jリーグが考えるべきあるいは見るべき課題はここにもあると思います。

当然のことながら、もちろん新潟が予見した通り、リトリートすると浦和がイニシアチブを握ります。ただ、序盤からいきなり采配を渡すのと違い、選手が試合の流れを体に染み込ませるに足る時間を重ねましたから、4+4の2ラインを敷く新潟は落ち着いていました。サイドで2on1の状況を維持して、タカと宇賀神を自由にさせません。

これは新潟のがんばりもさることながら、槙野が攻撃参加を自重したこともあり、浦和はあえて攻め手を急がなかっと言っていいでしょう。

変わってこの時間の浦和は、2シャドウが攻撃を作ります。ズィライオを軸に、梅崎と俊幸がバイタルエリアのスペースメイクで新潟守備網の中央を瓦解させようとします。とくに俊幸にボールを集めました。もともと2015仕様の浦和は、左シャドウを基点にすることで連動性を機能させてきました。その基本プランを踏襲するということでしょう。俊幸は十分にこれに応えます。

がっぷり四つの、序盤とは打って変わった静かなれどもタイトな鍔迫り合いは、浦和が少しずつ新潟を押し始めます。新潟が耐え、前半はこのまま終了。

後半に入り、手を打ったのはヤンツーさんでした。まずはコンサバティブな選択です。小泉を俊幸に、大野を梅崎にマンマークで貼り付けます。ズィライオは舞行龍に任せます。活性化してきた前線の動きを封じる意図だと思います。ただこれは、ドローに持ち込むことは出来ても直接的に勝ち点3を得る作戦たり得ません。つまりヤンツーさんは、多段飛びではなく定石を選択します。これで浦和の攻勢は一応沈静化します。ただ、不気味にもズィライオの足元のポストは、安定感を増していました。

さて、ヤンツーさんが先に動きます。大に代えて優平をそのまま左メイヤに投入します。結果論ですけど、今日の結果を分けた大きな要因は、ヤンツーさんの采配にあると思います。新潟のメイヤは特長的な役割を担います。康裕、大とも攻撃時に内に絞ります。これはSBのためのスペースを作る意図と、指宿のフォロー、後方からのパスのハブとしての役割を兼任するものです。ゆえに誰でもすぐにフィットする類の生易しさはありません。

新潟にとっての希望は、のりしろという意味で大だと思います。優平は広範囲に動き、とくに右サイドを好む選手ですから、新潟のシステマチックなサッカーにフィットするには時間がかかるの思います。もちろん使わないとフィットしませんから、あくまでも今日の結果だけ見るとそういうことになると思います。

直後にミシャも動きます。俊幸に代えて青木をボランチに投入します。陽介が一枚上がります。小泉のコバンザメマークに俊幸が消されていましたから、陽介に代えて小泉との相性を見ようとしたのでしょう。

ここで浦和がもうひと工夫します。シャドウを左右入れ替えるようになります。もちろん新潟のマンマークを剥がす意図だと思います。これに新潟がひっかかります。最終ラインと攻撃陣の間に、浦和のクオリティであれば十分に有効なギャップができはじめます。

さらにミシャが動きます。ズィライオに代えて忠成をそのままトップに投入します。これはズィライオのコンディションを考慮したのだと思います。

序盤のハードアタックのつけが、もしかするとこの時間に影響したのかもしれません。新潟の守備陣は、初動の一歩が後手を踏み、浦和のアジリティに少しずつ乱されはじめます。そして流れのまま浦和が押し切ります。

76分。新潟陣に入った辺りの中央で青木がボールを持ちます。忠成が下がってきたので青木が渡します。忠成の下がりかたが大きかったのでしょう。舞行龍はつくかステイするか迷ったのではないかと思います。結果、忠成はフリーでターン。左前に梅崎がフリーです。右に陽介がいますけど小泉がついてます。左大外に宇賀神がフリーです。このため川口は難しいポジショニングを強いられていたと思います。忠成は梅崎にパス。梅崎はターン。川口が寄せてきます。梅崎は右足のフェイクで宇賀神に出すふりをします。当然川口はつられます。と見せかけて梅崎は右足で右にカットイン。ルックアップしてコースを確認します。おそらく今日の梅崎には見えたのでしょう。ペナルティエリアの外から思いっきり右足を振り抜きました。ゴラッソ。新潟1-2浦和。

直接的に試合を決定付けました。梅崎は積極的にシュートを狙い続けていましたから、チャレンジが実を結びました。ムトゥ不在の影響を感じさせない責任感が成したゴールでしょう。

ヤンツーさんが動きます。ギュンギュンに代えて成岡をトップ下に投入します。シフトが4-2-3-1に変わります。ヤンツーさんに問うのは酷だと承知してますけど、ビハインドでギュンギュンを下げざるを得なかったことは、新潟にとって決定的な痛手でした。あえて新潟の課題とするならば、ギュンギュンに90分間ピッチに居てくれるフィジカルを付けることでしょうか。実質、ここで試合は終わりました。

最終盤ヤンツーさんが最後のカードに願いを託します。康裕に代えて達也をトップに投入します。シフトがふたたび4-4-2に戻ります。成岡は右メイヤに入ります。バランスは回復しましたけど、ギュンギュンの活力は二度と戻りませんでした。

これを見たミシャも同時に動きます。陽介に代えて平忠をそのまま左シャドウに投入します。前線のコンディションを考慮できるオプションがいなかったゆえの選択でしょう。

新潟サポの願いも叶わず、このまま試合終了。新潟1-2浦和。

We are Diamons♪

攻撃プランの引き出しの多さが、直接的には勝敗を分けました。短絡的に見ると戦力差に理由を求めることができると思いますけど、けしてそれだけではないと思います。ディシプリンを基調としたチーム作りの理念で比べると、新潟と浦和はとてと良く似たコンセプトのチームです。ですから彼我の差を分けたのは、ようするに練度でしょう。今年の新編成以来積み上げきたミシャサッカーが、1stの最大の驚きをもたらした功労者たるムトゥが不在でもクオリティを下げないレベルに、浦和は進化していると言えます。

新潟は、順位に惑わされることなく、目指すサッカーの修練を重ねてきたのでしょう。チームが持つブレない心の成果です。ただ、如何せん浦和に比べるとフィットしてからの時間が短過ぎました。9月のナビスコカップでは、いっそう進化した対戦が見られるかもしれません。年間勝ち点で安心できない状況ですけど、心配はいらないと思います。これからもブレずに見守ってあげてほしいと思いますし、2ndと来シーズンの新潟は、もしかすると脅威かもしれませんね。

ハーフタイムに、加賀さんがビッグスワンにいることを教えていただき、後半は気もそぞろで加賀さんの姿を探しました。試合終了後にヤンツーさんに挨拶するためにピッチに出てきてくれることを期待したのですけど、結局機会は試合前のアップ時だけでした。もしかして、すれ違いの逢瀬になっているのかもしれません。はなれると身に沁みる喪失感です。こういう想いをします。どうかどうかしっかりと加賀さんを目に焼き付けておいて欲しいと思います。


2015J3リーグ第25節AC長野パルセイロvs福島ユナイテッド@南長野運動公園総合球技場20150809

2015-08-11 17:43:05 | サッカー

金沢は実質サッカーと食事だけだった蝗の子(^^;;。

仕上げは、加賀さん地酒セットです。

新幹線の時刻まで金沢スイーツを探していましたら、なんと加賀さまさん(o^^o)。

金沢の老舗お菓子屋さんです。金沢駅のあんこで、ぼんぼりが青いのは加賀さまさんだけ!。基部の透かし彫りも加賀さまさんと加賀屋さんだけ!。やっぱり加賀さんは尊いです。

はじめてのはくたかでやってまいりましたは、長野です。長野は3年ぶりくらい。北陸新幹線の開通に合わせてリニューアルあるした駅舎のデカさにびっくりしました。善光寺をかかげる街らしい、立派な作りですね。

長野ではまったく観光せず(^^;;。金沢と違って観光の予定はまったく無く(^^;;。

唯一の目的はこちら。南長野運動公園総合球技場。長いので相性をはやくつけてください。

今年オープンした、AC長野パルセイロの聖地です。

長野からは信越本線で篠ノ井まできて、そこからシャトルバス200円です。長野と松本のダービーに敬意を表しまして、山雅との比較をテーマにしてみたいと思います。煽ってるわけではありません。長野と松本の関係は、松本市博物館で勉強いたしました。

アクセスは比較にならないほど南長野がいいですね。ただお客さんの数が4倍ほどありますし、アルプス交通さんはホントにがんばってらっしゃいますから、これは致し方ないです。帰りのバスは試合終了後のんびりしてても30分以内で乗れました。

座席での観戦環境は、できたばかりですから当然南長野が格段に良いです。アルウィンより顕著なのは、前後左右のゆとりです。それに傾斜が急ですから、専用スタジアムの難点である視認性の悪さはありません。ユアスタやベアスタに近いですけど、二階にしている分、一層視認性が良くなっています。コンパクトな作りだからこそできることですね。

外観の派手さからは想像できないほど、内部はシンプルです。ほぼ席と通路。なのでとても広々としています。この点はアルウィン、ユアスタ、ベアスタを軽く越えてます。屋根もシンプルな素材でできていて、利便性の良さに反し、たぶん低コストでできているのでしょう。

風通しも良さそうです。芝への影響も軽いかもしれません。噂に聞いた虫の影響はありませんでした。

ゴール裏コンコースから北側の風景バックスタンド下層階バックスタンド上層階

ここからクラブについて。山雅と言えばホスピタリティー。スタッフさんのフレンドリーさは、どちらも素晴らしいです。AC長野のスタッフさんの距離感がめっちゃアットホームなのも、ひとり当たりのお客さん数が段違いなので測れません。

サポーターさんの親近感は、やはり山雅の誇りですね。スタジアムをぐるっと回っても声をかけていただくことはありませんでした。でもこちらから声をかけたらニコニコしながら話してくれます。長野の県民性なのかなぁ。気持ちいいですね。

サポーターの感覚は、とても良く似ていると感じました。福島へのエールがありました。ホントは山雅もJ1て怒られるかもしれないのでこっそり言いますと、応援のテイストも良く似てます。あ、ぶたないでー。迫力と洗練は、これはサポーターの人数に比例するところですから、AC長野には不利ですね。

サッカー感は、失礼ながら意外だったんですけど、周囲のAC長野サポさんはサッカーを良くわかってらっしゃいました。プレイヤーの個性もそれとなく教えてくれます。山雅と共通するのは、スモールクラブならではのアイロニーがあること。

さて本日3位長野が迎えますは、8位福島です。偶然ですけど、自分のJ3体験はいずれも福島絡み。

エール交換。福島から長野へ長野から福島へ。こういうアマチュア感覚はJ1を見慣れているとありえないので、新鮮です。

sky♪

長野は直前に美濃部さんが引かれ、衛藤さんが急遽指揮を取ることになりました。時間がなかったでしょうから、再出発のかたちを見せる必要があるにせよ、基本路線は変えられないと思います。

長野のシフトは3-4-2-1。GKは田中。3CBは右から内野、大島、パク・ゴン。ボランチは廉と有永。WBの右に山田左に都並。2シャドウは右に佐藤左に高橋。1トップは勝又です。

福島のシフトは3-3-2-2。GKは植村。3CBは右から岡田、杉野、福岡。アンカーは石堂。WBは右に鴨志田左に雄次。メイヤは右に橋本左に広太。2トップは茂木と横野です。

J3のサッカーに触れる機会がまったく無く、昨年の福島vs琉球以来2回目です。なので、総論でのJ3を理解できていません。ダントツ首位のレノファ山口の所以を見たら感じかたが変わるかもしれません。というエクスキューズを前提としまして、今日の長野と福島は、勝利ガチ優先というよりは、互いに志すサッカーをやるという意志が先立っている気がしました。ようするに、美学。とても興味深く思います。J2で起こる勝利至上主義が、なぜ同様に昇格と降格があるJ3には無いのか。

試合は順位通りに長野がイニシアチブを握ります。長野はポゼッションスタイルのチームです。攻守を連動させた近代サッカーではありません。この辺りの志向は、福島も基本的には同じです。ただ、パス連携の精度とクオリティが、いささか差があります。

守備は、長野、福島ともリトリートスタイルです。長野は5+4+1、福島は5+3+3の守備網を敷きます。守備網のクオリティは、長野のほうが整備されている気がしました。

序盤は、攻撃のクオリティがイニシアチブの振り子を揺らす主因となります。長野の中盤の構成はコレクティブです。基本的には廉が試合を作って有永がつなぐ分担に感じました。廉の志向するサッカーは、ショートパスを縦横にワンタッチで交わしていくスタイルなのでしょう。福島と違い、長野は攻撃を主導する廉のイメージに即してチームを作っていて、そのことがコンセンサスを生む要因のような気がします。

パスを交わす長野の攻撃パターンは、多彩です。基本的にはサイドを目指します。山田、都並とも試合を通じて上下動を繰り返します。攻撃においては、基点ではなくアタッカーを担っています。山田はどちらと言うとドリブルからの折り返し、都並はアーリークロスをイメージしている気がします。

2シャドウは、下りてきて組み立てに参加するとともに、裏を狙います。佐藤と高橋がアクセントを一手に引き受けていて、勝又はフィニッシュ役に徹しているように感じました。

福島の守備のルーズさも相まって、序盤から長野が優勢です。その流れのまま生まれた先制ゴールは、長野的には意外な、モダンな中盤でのトランジションからの美しいショートカウンターでした。

21分。福島のフィードをセンターサークルで大島が競り、こぼれたボールを有永がつないで廉に渡ります。廉はターンしながらワンタッチで前方の佐藤にパス。佐藤はドリブルしながらマークを引きつけ、左の高橋に出します。高橋はダイレクトでライン際を上がる都並に渡します。ここまで福島は、6人がこのゾーンにいて、ゴール前の勝又を含めて3人の長野に対し圧倒的な数的優位です。でも人につくのかゾーンなのかコンセンサスが取れてなく、バラバラです。高橋から都並に出た瞬間、廉がゴール前に上がります。これを見た都並はグランダーのクロスを廉に送ります。この時福島は、全員がボールウォッチャーでした。誰も廉に気付かず、廉はどフリーで、左足ダイレクトで合わせました。長野1-0福島。

福島は、石堂の一枚アンカーという特異なスタイルです。言うなれば、長野以上に理念先行なスタイルです。WHは、さながらシャドウのように広範囲に動きながら、トップやWBとの距離感を意識して攻撃のアクセントになろうとします。たぶん、左右にそれぞれトライアングルを作り、どちらからでも崩せる形を整える意図だと思います。

中央に基点を作る長野とサイドに特化する福島。前半は守備力の差で、長野がイニシアチブを握ります。先制してからの長野は落ち着いたマネジメントを見せます。少なくとも前半終了までは、長野は5+4の守備網を敷き、福島にチャレンジの機会を与えません。J3でこれを見られるとは思いませんでした。前半は長野リードで終了。

後半も攻める福島に対し、のらりくらりとかわす長野の構図は変わりません。ただ、いくぶん長野の足が止まりはじめ、守備の連携に少しずつほころびが見られるようになります。ここからはマンマークの粘りが鍵を握ります。そして試合は次第にオープンファイトになってきます。

この流れを見て先に動いたのは栗原さんでした。横野に代えて金弘淵を同じトップに投入します。スピードとパワーのある金を裏に走らせ、長野守備網にギャップを作る意図でしょう。

この作戦がはまります。福島に縦の推進力が出来ました。ようやくゴールに迫りはじめます。WB、とくに雄次がドリブルで抜け出し、シュートまで持っていくシーンが何度か見られるようになります。

衛藤さんも続きます。高橋に代えて宇野沢を同じ左シャドウに投入します。高橋は前半から良く動いていたのでコンディションの考慮でしょう。

追いつきたい栗原さんが先手を取ります。広太に代えて村岡を投入します。これもコンディションの考慮だと思います。

すぐに衛藤さんも動きます。勝又に代えて土井を投入します。押されていたので、前線に高さを補充してロングボールの基点を作る意図だと思います。

たて続けに栗原さんが動きます。鴨志田に代えて齋藤を投入します。これもコンディションだと思います。

衛藤さんが仕上げにかかります。廉に代えて松原を投入します。時間を見て、追加点の可能性を残すというよりも守りきる選択をしたのだと思います。

今日の廉は、一人だけ時間の流れが変わって見えました。周りがとても良く見えていたのでしょう。パスを散らせていましたし、なによりアイデアがチャレンジングで、積極的にアタックの機会をうかがっていました。

アディショナルタイム。衛藤さんが最後のカードを切ります。最小スコアのままオープンな厳しい試合になりましたから、チームに落ち着きを与える意図でしょう。有永に代えてテルを投入します。

衛藤さんは一枚、栗原さんは二枚のカードを残していましたけど、これ以上の作戦変更はありませんでした。このまま試合終了。長野1-0福島。

試合後の長野の選手とサポーター

サポーターの雰囲気はJ3のレベルを越えてます。もしかすると実際のところ山雅の影響はゼロではないと思います。いつの日か、できるだけ近いうちにプロレベルで同じリーグでダービーができることをお祈りします。

福島は、90分トータルで見ると善戦しましたけど、長野がこらえきれずにオープンファイトに流れたがゆえな部分もあります。イニシアチブを握りたいサッカーを志向しているのですから、攻撃の組み立てに工夫がほしいですね。

ひさしぶりなスタジアムフェチ充しました。やっぱり新しいスタジアムは楽しいですねー。旅はちょっとサッカーを離れます。


2015J2リーグ第28節ツエーゲン金沢vsアビスパ福岡@石川県西部緑地公園20150808

2015-08-09 20:33:13 | サッカー

区切り、というものはあってはならないでしょう。ただ転換点は、時間の経過とともにいくつもやるかたなくやってきます。

あの年以来続けてきた、復興の様子を確認する東北の夏旅は、4年目にして中断です。自分が旅する理由はサッカーと朝ドラと大河です。サッカーは今年は仙台に加えて山形がJ1にいてくれますから口実は二つに増えたのですけど、あろうことかGWに集中してしまいました。朝ドラと大河もともに東北にゆかりがなく。というのがやるかたない理由です。

前置きが長くなりましたけど、いつも長いんですけど、というわけで今年の夏は北陸をめぐります。

羽田から空路小松に来るのが今旅の最西端で、これを起点として北東に向かう、ぶらり日本海の旅です。東京→小松→金沢→長野→輪島→新潟→東京。

初日の今日は、今年二度目の金沢。前回もツエーゲンが大分を迎えるホームマッチがあったのですけど、輪島に行ったので観られませんでした。なので今回はサッカーがメインです。

金沢駅東口からバスに乗りましたら、ちょうど金沢ゆめ街道で百万石通りが封鎖されていて、通常の3倍以上の1時間半ほどかかって、キックオフギリギリに着きましたは、はじめての石川県西部緑地公園。言わずもがな、ツエーゲンの聖地です。

本日は、福岡がわざわざの遠征です。そう言えば鳥栖戦を観に行った時、福岡開催の金沢戦が日曜日にあって、ツエーゲンサポさんを博多駅で見かけました。今日は香林坊でアビスパサポさんです。

ゲンゾーのパフォーマンス

正直言えば、予想外にしっかりとサッカーを志す両チームに感動し、試合を楽しめました。互いに詰めの甘さを見せ合う形になった試合は、こちらは予想通り、セットプレーの差で福岡がものにしました。

金沢は、その6月21日の福岡戦以来勝ちが無く、その間6分2敗です。シフトは変わりませんけど布陣を試行錯誤中のようです。水戸戦で太田と廣井が負傷し長期離脱です。シフトは4-2-3-1。GKは原田。CBは今日は作田とチャ・ヨンファンが組みます。SBは右に辻尾左に紘史。ボランチは秋葉と山藤。メイヤは右に玉城左に茂木。トップ下に清原。1トップは水永です。

福岡はその間2勝5分1敗。負けない安定感がついてきているようです。シフトは3-4-2-1。GKは中村。CBは右からイ・グァンソン、堤、田村。ボランチは淳と秀人。WBは右に北斗左に亀川。2シャドウは右に城後左に金森。1トップはウェリントンです。

ここ数年の昇格あるいは昇格争いに絡むチームは、判で押したように似たようなスタイルを取ります。言わば昇格モデル。厳しいフォアチェックを基礎として、連動性の高いコレクティブな攻撃を旨とします。J2では、とくに守備側のスピードとパワーの問題でこの攻撃が機能しますから、躍動感があって観ていて楽しいです。ただ、やっぱりゴールに直結する絶対的なプレーがあるわけではないので、得てしてつぶしあいになり勝ちです。上位のチームは戦力が拮抗してますから、余計この傾向が強いように感じます。リーグ5位と6位の、昇格レースの生き残りをかけた試合ですから、ガチの守り合いを予想しました。

ところが今日の西部緑地で展開した試合は、理念を感じるとてもモダンなサッカーでした。ちょっと驚きました。

金沢は、まったくと言っていいほどフォアチェックをしません。4+4+2のスリーラインをコンパクトに保ちます。この守備網をハーフウェイから10mくらいの距離以内に敷きます。福岡の起点に入っても、それが中央でもサイドでも、仕掛けません。なので、必然的にトランジションポイントは低めになります。と言っても、守備網を維持してますから、ディフェンシブサードにかかる手前で最終ラインに引っ掛けるイメージです。

この守りかたは癖があります。守備網をコンパクトにしボールサイドに寄せますから、サイドにスペースができやすくなります。福岡は、これを見越していたかもしれません。

福岡は相手に応じてシフトを変えるようです。基本は4-4-2のようですけど、福岡での対戦でも3バックで臨んでいました。今日も3バック。これはつまり、金沢の癖をつくプランでしょう。とくに狙うのが左サイドです。辻尾を狙うというよりかは、亀川を活かす意図だと思います。

金沢と福岡は、順位こそ拮抗していますけど、チーム作りのコンセプトはまったく異なると思います。金沢は現有編成で最大の成果を得ようという考えかたでしょう。なので、攻守ともに連動性にプライオリティーを置いていると思います。

福岡は、金沢に比べると編成力が高いです。個の力で状況を打開できるタレントを持った攻撃の選手が割合揃っています。なので、チームのストロングポイントの設定が明解です。この両チームのキャラクターの差異が、闘いかたによく現れています。金沢は中盤の構成力。福岡は亀川とウェリントン。

序盤のロングボールの蹴り合いでの様子見から、先に仕掛けたのは金沢です。5分を過ぎると、中盤がダイナミックにムービングしはじめます。確認した限りでは、ポジション別に約束事があります。コレクティブネス所以ですね。ボランチは役割を固定せず分担します。どちらかが上がる場合は、一方がアンカーとして残ります。むしろボランチの片方が積極的に攻撃に絡むのが特長のひとつです。秋葉の安定感は山形時代に見ているので、変わらずの元気そうな様子に安心しました。山藤の充実にびっくりしました。金沢は、中盤からの長い展開をあまり見せません。なのでパスさばきは、基本的にショートパスの受け渡しです。山藤も秋葉も、細かいポジション修正で攻撃時のひとりアンカーを違和感なくこなします。加えて山藤は、中盤でのトランジションポイントになってました。寄せとボールを奪う技術が高いのでしょう。しかもJ2に有りがちな、ラフなコンタクトではなく、エレガントなんです。金沢のチーム全般に清々しさを感じるのは、中盤の個の守備の巧みさに由来してるのかなと思います。

メイヤは二人とも内に絞ります。これは、メイヤ自身がバイタルエリアで基点になることと、SBのためのスペースを空ける意図だと思います。茂木のプレーが心地よかったです。小気味良いドリブルは、寄せてくる相手をドリブルしながら振り切るほど、小柄なのに直線的で、スピードにあふれてました。受けてもバイタルエリアでターンする余裕があります。良い経験を積めてるみたいですね。

さらに清原が下りてきて、バイタルエリア中央に3枚の基点のオプションができます。この3枚のダイナミックな役割分担が、金沢の攻撃の最大の特長でしょう。実際に基点になるのはひとりだけで、誰かが良いポジショニングができたと分かると、ひとりはフォローと前線へのアタック、もうひとりはバランスを確保します。基本的にバイタルエリアでは、細かいポジション修正で、守備網の小さな穴を狙います。この動きは、昇格モデルに特長的ですね。言わば金沢のサッカーは、個性と流行りのハイブリッドですね。

中盤で基点を作る理由は、アタッキングサードでのサイドアタックを有効にするためです。金沢は辻尾と紘史という優れたクロッサーがいますから、この二人を裏に走らせることが主題なんだと思います。

ただ、福岡の対策はぬかりがありません。5バックにしてサイドをワイドにケアします。中央のゾーンは金沢に上手く処理されても、ある程度は構わないという割り切りでしょう。フィニッシュの手前のチャンスを消すことと、最終的には、ゴール前中央に3枚置きフィニッシュを抑えること。

金沢の攻撃は、組織的な機能美があります。ただ、ゴールを想起させる流れが、肝心のアタッキングサードに入ってからありません。これは、主たるシューターがいないためだと思います。切ないことではありますけど、だからこその金沢の選択は、とてもリスペクトできると思いますし、実際観てて楽しいですから、これで良いと思います。

福岡は、序盤からのウェリントンへのロングフィード時間をかなり長くとりました。基本的にはフルゾーンの金沢ですけど、ウェリントンに限ってはヨンファンを貼り付けます。ウェリントンは空中戦で負け続けます。もしかしたらこれは、福岡の罠だったかもしれません。ウェリントンだけをあえて晒して、金沢に中央の高さへの意識を刷り込む意図かもしれません。

少し触れましたけど、福岡の攻撃は、亀川がすべてです。とにかく亀川に良い形でボールを渡すこと。これに集中します。そのための形を整えます。中盤は惇がひとりアンカーで残ります。惇のパスを散らす展開力が、福岡の攻撃を形作る原動力です。この辺りもアンカーを分担する金沢と違いが明確でおもしろいですね。言い換えると、惇を抑えに行ったらもしかすると福岡の攻撃は機能不全かもしれません。金沢が惇を狙わなかった理由はわかりませんでした。

福岡は、惇を文字通り扇の要にする陣形をとります。秀人が惇の前をワイドに動いてフォローします。前方は城後がバイタルエリアに下がって基点に備えます。右は北斗が惇のやや前に出ています。北斗は絶妙なポジショニングでバランスを取ってます。紘史との距離感を保ち、金沢に北斗サイドを意識させます。ゴール前はウェリントンが真ん中にいて、金森がフォローします。そうして全体をやや右に寄せて、いよいよ亀川です。

亀川は別格ですね。サイズもスピードもあるし、少なくとも攻撃のアプローチでは、確実にストロングポイント足り得ます。福岡は、事実上亀川システムですね。北斗が北斗をしてバランサーに甘んじてるのは、ひとえに亀川がいるからだと思います。課題はアタッキングサードに入ってから。亀川はドリブラーのようですので、フィニッシュの絡みは抉ってからのマイナスのクロス、もしくはカットインからのシュートです。たぶん左利きでしょうから、違いを生むためには右足のシュート力をつけたいですね。フィニッシュに絡めるかどうかがJ1クラスか否かを分けますから、とてもおもしろい存在なのでがんばってほしいです。

金沢にしろ福岡にしろ、攻撃の組み立てはモダンで洗練されています。課題は同じ。アタッキングサードに入ってからのクオリティです。残念ながら、ともに絶対的な結果を残せるシューターがいません。とくに金沢は、やっているサッカーが興味深いだけに、わかり易さのためにはゴールが必要ですから、とても残念です。ともにゴール前のワクワク感を感じられず、これはセットプレーかなぁと思ってました。

互いに意図を見せ合う好マッチになりました。前半はスコアレスのまま終了。

前半は金沢のコレクティブなサッカーが勝っていましたけど、後半は一変します。ウェリントンの罠が効いたのか、蒸し暑さのせいか、ヨンファンのマーキングが緩くなります。加えてウェリントンがポストの時に少し下りはじめました。これでウェリントンが足元でポストを受けられるようになります。ウェリントンの真の強みは足元なのでしょう。これで福岡の攻撃が安定します。結果的にシュート数で福岡が金沢の倍近くをスコアしたことが、試合全体を見ると福岡優勢だったことを表しています。

そこで、先に森下さんが動きます。玉城に代えて和弘をトップ下に投入します。清原を右メイヤに移します。ボールを収められる和弘を据え、ドリブルのある清原を中盤に置くことで、ポゼッションを回復しようという意図だと思います。これで金沢の中盤の構成力が蘇ります。この時間帯で、水永がCBの裏を再三狙えるようになります。振り返ると、金沢の勝機はこの時間帯だったと思います。悔やまれるのは、秋葉からのロングスルーを水永が決めていれば、試合結果は間逆だったでしょう。

さて井原さんも動きます。金森に代えて坂田を同じ左シャドウに投入します。井原さんは内容的に良しと見たのでしょう。闘いかたを変えず、コンディションを向上します。

さらに井原さんが動きます。城後に代えて宣福を左シャドウに投入します。坂田を右に移します。城後は前半からフル稼動で走り回ってました。これもコンディションの考慮でしょう。

森下さんが動きます。井原さんの安定策で金沢の攻勢が止まりました。さらなる打開策でしょう。水永に代えて大町を同じトップに投入します。水永は惜しい動きを見せていたので、コンディションでしょうね。残しても良かったと思いました。

将棋や囲碁だと、森下さんが終始攻め手井原さんが受け手です。この指揮官の攻防もとっても面白かったです。ただやっぱり流れのなかで崩し切るクオリティは得られません。ドロー止む無しかなぁと思っていたら、試合が動いたのはやっぱりセットプレーでした。

81分。右CKを原田がクリアしたボールを、ファアにいた田村がダイレクトでシュートしますけど、これも原田がクリア。ゴールライン際に溢れるボールに田村が反応し、マイナスのクロスを折り返します。この時金沢は、ゴールエリアに7枚のストーンがいましたけど、ゾーンの難点で、全員がボールウォッチャーになってて、そのど真ん中にいたウェリントンを誰もケアしていませんでした。田村のクロスはウェリントンにぴったり合いました。金沢0-1福岡。

すぐ後に井原さんが動きます。ウェリントンに代えて貴之を同じトップに投入します。井原さんは1点勝負と見たのでしょう。すべてのカードがコンディションの考慮だと思います。今日の出来は、井原さんは手ごたえをつかんだかもしれませんね。

同時に森下さんが動きます。清原に代えて大槻を同じ右メイヤに投入します。アグレッシブなカードの使い方をしていた森下さんですけど、リードされてからの余裕を持ち合わせていないようです。おもしろいサッカーをするのに、編成の都合でやむなしとは言え、切ないなと思いました。

福岡が引きこもらず前への推進力を失わなかったので、金沢の攻勢はギアを上げられないまま時間が経過します。結局このまま試合終了。金沢0-1福岡。

博多へ帰ろう♪

玄人好みする内容でした。興味があったのは、金沢サポさんのサッカー感です。どんなところに反応するのか。星稜高校というランドマークが県内にはありますけど、プロレベルの経験が、どのスポーツでも金沢にはありません。ましてサッカーでは、国内最高峰のクオリティを目にしてないわけですから、ツエーゲンが基準になってしまう、つまり欲がわかない可能性は否めないと思ってました。実際にJ1を経験してもドメスティックに留まるサポさんが多いクラブが結構ありますから。金沢サポさんはサッカーを純粋に楽しんでらっしゃいます。上から目線みたいでごめんなさい。サッカーをよくわかってらっしゃるかたが多いと思いました。頼もしいことに、金沢には独自のツエーゲン文化が芽吹く素地があるように感じました。J2であってもカルチャーショックは感じ得ると思います。ツエーゲンのツエーゲンたるサッカーを作るのは、実はサポさん自身のサッカー感です。どうか金沢の地に、他にないツエーゲンサッカーを作る意思を持ち続けて欲しいと思います。まずは、とってもおもしろいサッカーをやってますから、もっと多くのかたにツエーゲンを認知して応援しに来て貰えるといいなと思います。

うがった見方かもしれませんけど、金沢にはチームもサポも浮ついた感はまったくありませんでした。サッカーの内容を見ても、どうしても昇格したいという考えではない、つまり未来を見据えた地に足がついた、金沢にツエーゲンのサッカーを作ろうという強い意思が感じられました。いつの日か、東京の対戦相手として金沢に来たいと思います。


加賀健一選手ルーツを巡る旅 ―20140622 秋田―

2015-08-01 22:59:58 | 加賀さん

念願の念願の。加賀さんにサインをいただきました。仁賀保の地元のかたに紛れ込んで(*^_^*)。

仁賀保キャンプ見学二日目は午前中で切り上げました。午後は地元の子供たちとのふれあいサッカー教室が予定されていたのですけど、後で聞いたら、唯一の秋田出身J1選手として加賀さんが子供たちに紹介され、照れ照れだったそうです。その姿も見たかったなあ。

仁賀保を離れ、北に向かいます。

やって来ましたは、てか戻って来ましたのは、JR秋田駅です。

秋田駅の西口に参ります。ブラウブリッツの告知。

西口の駐輪場にレンタサイクルがございます。本日の相棒。

夏の秋田と言えば竿燈ですね。

山王大通りを西に走っていましたら、偶然ブラウブリッツの事務所を見かけました。

秋田市役所です。

秋田県庁です。加賀さんが日本一訛ってる知事こと佐竹知事を表敬訪問された場所ですね。

秋田朝日放送です。

ブラウブリッツラッピングのバスが走っていました。

山王大通りを南に離れ、雄物川を渡ります。

仁賀保サッカー教室を袖にしてまでもやって参りましたのは、秋田県立秋田商業高等学校です。 加賀さんがプロへと昇り立つきっかけとなった3年間を過ごした場所です。

秋商トレーニングセンター。加賀さんも使ったのでしょう。

秋商はさすがにスポーツ強豪校ですね。クラブごとにグランドが独立しています。サッカー場です。

野球場は通りをはさんで北側にあります。南側。

北側です。

入学当時の加賀さんはFWだったそうですね。快速を活かした飛び出しが得意な選手だったんでしょう。もしくはウィンガーかな。このシュートボードでいっぱいシュート練習したんでしょうね。

グランドの真ん中に小屋があります。スタッフ用かな。

加賀さんは秋商でDFにコンバートされたそうです。

それが、今に至るプロサッカー選手への道を開いてくれたんでしょう。

たぶん加賀さんは、秋田駅から自転車で秋商に通ったと思います。結構距離がありますし風も通ります。雄物川を渡る橋も勾配が急ですから、通学だけで結構フィジカルトレーニングになりそうです。秋商を離れ、秋田駅に戻ります。途中にブラウブリッツのホーム、八橋陸上競技場があります。

秋田県のマスコット、スギッチです。

秋田は風情があります。空気もクリアで、やっぱり東北はいいですね。

秋田駅に戻ってまいりました。

あたり前ですけど、秋田駅にはこまちしかいません。こまちがホームに並んで入線してて、めっちゃかっこよかったです。

加賀さんのことだけを想い、感じる贅沢な秋田旅でした。次なるルーツ旅まで、ごきげんよう。