ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

2018J1リーグ第6節V・ファーレン長崎vsFC東京@トラスタ20180408

2018-04-10 23:33:35 | FC東京

春は急ぎ足で初夏に引き継ごうとしています。

それでも名残り惜しいのか、ちょっと肌寒い週末。

数十年ぶりの長崎でございます。なのでほとんど記憶なく。

めずらしくなんのテーマもない旅ですけど、記憶がないので普通の観光が楽しかったです。新しい街と出会うきっかけ、それがJリーグ。

諫早でございます。

諫早駅のコインロッカーは少ないのですけど、お茶の間通り商店街で一時預かりをしていただけます。500円也。

初J1を経験している長崎。徳永との再開マッチがはやくもやってきました。ヴィヴィくんYou’ll Never Walk Alone♪

ディエゴのハットトリックで味付けされた極上のゴレアーダです。

東京は連勝中のオーダーをほぼ踏襲します。シフトはボックス型の4-4-2。GKは彰洋。CBはヒョンスとモリゲ。SBは今日は右に室屋左に諒也。ボランチは洋次郎と拳人。メイヤは右に晃太郎左に慶悟。2トップはディエゴと永井です。

長崎はミッドウィークのカップ戦勝利を受け、少しスターターをアジャストです。シフトは3-4-2-1。GKは徳重。3CBは右から徳永、チェ・キュベック、高杉。ボランチは中原と碓井。WBは右に米田左に翁長。2シャドウは右に澤田左に中村。1トップはファンマです。

今日も試合は、もはや大エースの名を確固なものとした男のゴールで、はやばや動きます。

4分。モリゲのセンターライン付近左寄りのFKから。モリゲと拳人のパス交換から諒也に渡ります。諒也は縦にチャレンジ。慶悟に渡します。攻撃スイッチが押されます。翁長を背負った慶悟は、パスを受けてターン。翁長のプレスを抜け、フリーになります。さらにこの慶悟の動きにキュベックが引きつけられます。徳永も永井の左に流れる動きに引っ張られます。これでディエゴがフリーになります。このとき中央で晃太郎がフリーでした。慶悟は晃太郎にパス。左寄りにいたディエゴがこれを見て中央に移動します。残る高杉は晃太郎を見てますからディエゴは以前フリー。晃太郎はこれを見逃しません。ダイレクトでディエゴにスルーを送ります。受けたディエゴは、落ち着いてゴール右隅に流し込みました。長崎0-1東京。

長崎は走量とセットプレーを優位性の基盤とするチームです。その点で、進化の工程は異なるけど、第4節の湘南と似たようなチームです。東京は伝統的に、かつての自らと似たスタイルのチームを苦手としています。もっとも、オシムさんシンドロームによって、ムービングの合理性が当時のトレンドとは格段に勝っていますから、部活サッカーの肖像権は純粋に東京のみに帰属しますけど。

それはさておき、東京はようするにハイプレッシングに弱いチームでした。それはパスコントロールが安定していないことに起因します。東京がプレスに弱くパスミスで自滅することは、もはやJのなかでは常識です。さらに、ディフェンシブサードでのマークの受け渡しも苦手です。ゆえに3トップの流動性を攻撃の基盤とする長崎のようなチームは、かつての東京は苦手の極みとしていました。

過去形。そう、健太東京はわずか6節で苦手を払拭することに成功しています。長年東京をサポートしているかたは、いまの東京の姿に夢でも見ているような錯覚を禁じ得ないのではないでしょうか。自分もそのひとり。

東京は長崎を圧倒します。結果的に2失点しますけど、セットプレーとハイプレスでそれぞれ1点ずつ失いましたから、長崎の術中だとも言えます。でもそれを凌駕する内容と結果を得ましたから、総合的に観て、圧勝だったと言えると思います。もちろん課題はまだあるにせよ。

長崎のプレスは試合を通じてほぼ無力化されます。それは東京が繰り出した攻撃の2パターンの効果です。敬真がディエゴと組んだ第4節あたりから、ディエゴのフリックで相棒が抜け出すコンビネーションプレーを見せはじめました。ディエゴが永井と組むようになり、この精度と威力が増します。さらに今日は、二列の選手がディエゴに合わせるパターンも出ていました。これができると永井をフリーランスとして使えるようになりますから、抜け出した後の攻撃の幅を増すことができます。

こうして長崎に背後の恐怖を植え付けたうえで、セカンドオプションを繰り出します。ディエゴがWBの背後にポジショニングするようになります。これは3バックのウィークポイントを狙うというだけでなく、もうひとつの攻撃スタイルを内在するものでした。それは連動性です。

ディエゴがサイドに流れる動きをきっかけとして、永井、洋次郎、晃太郎、慶悟がまるで一個の意思を持った生物のように連動してスペースメイクします。これにより、長崎の守備網がカバーできないすべてのエリアに東京のアタッカーがいる状態ができます。長崎はただでさえディエゴのケアに注意しなければならないのに、ディエゴをカバーするエリア、中央、逆サイドまで東京の選手がスペースを狙っていますから、守備網を維持しつつ局面にも対処するという難しいオペレーションを強いられます。手前味噌ではなく、長年J1を観ていても、いまの東京ほどクオリティの高い連動性を実現できていたチームは数えるほどです。J1初参戦の選手も少なくない長崎にとっては、なんともやっかいな相手と映ったことでしょう。

というわけで、長崎のハイプレスをいなすというよりか、より能動的に攻撃をコントロールすることで、長崎がハイプレスをしかける状況を作らせないことに成功します。もちろん、ハイプレスに対し、スキルフルなワンタッチパスであっさりと対応できていたことも長崎の基本プランを根底から無力化できた要因でもあります。これは、冒頭に述べた東京のウィークポイントを払拭している象徴として、とても重要な変化です。いまのスターターセットでは群を抜いて足元の技術が高い晃太郎が加入した成果とも言えます。同時に、約束事の成果とも言えます。

パスミスは相変わらずあるのですけど、攻撃のリズムをスタックさせるような致命的なミスはほとんど見られなくなりました。ミスのほとんどは、フリースペースへのパスです。本来はそこに誰か走り込んでいることを想定したパスです。つまり、そこに約束事が存在しているのでしょう。チャレンジを味方が受けてくれることを前提としたパスには、たとえミスであったとしても明確なメッセージがありますから、観ていてもストレスがなく、次のチャレンジを期待する気持ちが湧きます。いまの東京は、そんなポジティブスパイラルにあふれています。そしてかつて一部の心無い人からストレスの象徴として扱われていた男が、覚醒を確実にする二試合連発ゴールを決めます。

15分。高杉のクリアがロブになり、中原が拾います。中原は前方の澤田に渡そうとしますけど、これを洋次郎がカット。はじかれたボールはファンマに当たって、ディエゴへのパスの形になります。ディエゴは右にフリック。これを晃太郎がさらに右ライン際前方にフリックします。走り込んだ室屋が拾い、晃太郎に戻します。アタッキングサードに入ります。晃太郎はドリブルを選択。一度カットインするトラップを見せ、マーカーの中原がひっかかったのを見て、縦に仕掛け、抜け出します。晃太郎はそのままダイレクトでクロス。これは翁長が頭でクリアしますけど真上に上がります。翁長はふたたびクリア。これがまたロブになります。これにいち早く反応したのは慶悟でした。慶悟は頭で流し込みます。長崎0-2東京。

前節と似たようなスコアプロフィールになってきました。前節は安全圏に入るまでの過程に課題がありましたけど、今日もまた、長崎に攻撃権を渡してしまいます。長崎の得点源はセットプレー。長崎の意図的な縦の仕掛けに、最初は高い位置で止めていた東京ですけど、FKの位置をジワジワと高められ、アタッキングサードでのセットプレーの攻防に持ち込まれます。そして、ついにゴールを許します。

24分。中原の左CK。長崎は主力をペナルティエリア中央に置きます。ゴールに近いところから、翁長、徳永、中村、ファンマ。東京はゾーンとマンマークのハイブリッド。ストーンは四枚。マーカーはヒョンス、モリゲ、拳人、諒也。中原のキックモーションとともに、翁長がニア、徳永はファアに流れます。そして中央に中村が突っ込みます。中原のクロスは彰洋と拳人と中原の中間を狙います。これに誰よりもはやく届いたのが中村でした。長崎1-2東京。

取りたい形で点を取れるのですから、やはり長崎はJ2を勝ち抜いてきたチームです。でも東京のここからの闘いかたに、前節の課題に取り組んだことがうかがえます。いたずらに相手の攻撃を受け攻撃権を渡すことなく、東京のリズムを崩しません。引き続きディエゴの安定したポストを基点にし、ボールを持つことで試合をオーガナイズします。試合のなかでイニシアチブが相手に渡る状況はかならずありますけど、自分たちの闘いかたを保つことでリズムを立て直すことが試合中にできるようになりました。そして、その成果が具体的なかたちとなります。

40分。ディエゴのシュートを徳重がはじいたボールを洋次郎が落とします。洋次郎が落としたボールを室屋が拾い、ペナルティエリア内の晃太郎にパス。晃太郎はカットイン、回り込みながらフリーになります。これを見た慶悟が裏に抜け出します。晃太郎はおしゃれロブスルーを慶悟に送ります。慶悟はフリックを後方に戻します。そこにいたのは永井だけ。永井は丁寧に流し込みました。長崎1-3東京。

内容、結果ともに好調なチームのなかで、ディエゴの相棒の座が流動的でした。やっとディエゴの相棒がゴールしたので、永井で確定でしょう。内容を観ても、スペースへのチャレンジを志向するチームの基本プランに、永井は最もフィットすると思います。前半はリードのまま終了。

後半頭から高木さんが動きます。米田と翁長のポジションを入れ替えます。理由はよくわかりませんけど、右サイドのほうが狙い易いと見たのかもしれません。

今日の東京で唯一前節と異なるスタートオーダーは室屋でした。湘南戦とガンバ戦のマコの活躍、とくに邪念なく自分の役割に集中する姿は、室屋の心に火を点けたに違いありません。今日の室屋はとても積極的でした。アタッキングサードに攻め込む意欲も高く、チャレンジングな仕掛けを度々魅せます。守備でも米田、翁長のみならずファンマが流れたときもきっちりとマークしていました。どこか吹っ切れたような爽快さを取り戻していました。

リベンジといえば、前節PKを献上するミスをしてしまった洋次郎が、ミスを返上するプレーで追加点を呼び込みます。

50分。洋次郎がキュベックに倒されて得たPKをディエゴが落ち着いて決めました。長崎1-4東京。

直後、長崎のハイプレスに、この試合唯一のイージーなパスミスから失点します。

53分。モリゲの自陣のパスミスを中原がカット。前方のファンマに預けてそのまま上がり、タベーラ。中原は流れのままゴール左隅に決めました。らしくないイージーミスでしたから、モリゲは左足首の影響があったかもしれませんね。長崎2-4東京。

それでも東京の勝利への、そしてゴールへの意欲は衰えません。今日秀逸だったのは、失点後の不安定期に東京が点を取っていたことです。とるべきときに点を取れていたら成績は安定するでしょう。そして、東京に絶えてひさしい大先生の称号を与える戴冠式のときが訪れます。

56分。左サイドでアタッキングサードに入った東京は、慶悟と諒也がマークを受けてもキープ。チャンス無しとみて冷静にリセット。サイドを変えます。諒也から洋次郎、晃太郎とスキルフルなパス回しで、右サイドの室屋に渡ります。室屋はルックアップ。このときゴール前は、ディエゴ一枚に長崎は五枚揃ってます。室屋は構わずクロスをディエゴに上げます。でも長崎のラインはボールを見ていてディエゴのマークを確認できていません。長崎の数的有利が逆にセキュリティホールを生みました。ディエゴはキュベックと徳永の間に入り、フリー。徳永が競りますけど時すでに遅し。ディエゴ・オリヴェイラ大先生ハットトリック!。長崎2-5東京。

ディエゴのハットトリックとともに、PKを除く4点すべてに絡んだ晃太郎も、今日のMOMのひとりでしょう。ついに東京の晃太郎がそのかたちを定かにしました。今日は縦に仕掛けるときのチェンジオブペースが鮮やかで、頭もフィジカルも冴えていたと思います。ゴールの日も遠くないと思います。

健太さんが動きます。ディエゴに代えて遼一を同じくトップに投入します。ディエゴが、東京サポからの万雷の拍手と長崎サポの羨望のため息を受ける時間を作る意図だと思います。それに、チームのために遼一のコンディションを上げる、調整の意味もあると思います。これから先苦しいときはかならずきますから、コンディションを整えていれば、遼一を含め、さまざまな選手が助けてくれると思います。

高木さんが動きます。二枚同時代えです。

ファンマに代えて武蔵を同じくトップに、米田に代えて飯尾を同じく右WBに投入します。リズムを変える意図だと思います。

直後にアクシデントが起きます。モリゲが足の負傷で下がります。代わってまるが入ります。モリゲは、後半の最初にクロスを上げたときに左足首を痛めたようです。ワールドカップを控えますから、大事ないことを願います。

チームは重い空気になることもなく、好調なリズムを維持します。そこで健太さんが〆ます。永井に代えてクローザーヨネの投入です。洋次郎をトップに回します。ユーテリティな選手が多いとコンディションの順に交代できて良いですね。

高木さんが最後のチャレンジを仕掛けます。高杉に代えてベン・ハロンを投入します。同時にシフトを4-4-2に変更します。キュベックと徳永がCB。飯尾と翁長がSB。澤田と中村がメイヤ。ハロンは武蔵と並んで2トップを組みます。普段からオプションとして備えているのかはわかりませんけど、攻撃の枚数を増やす意図です。

高木さんの願いもむなしく、このまま試合終了。長崎2-5東京。

東京のハットトリックがいつ以来なのか覚えてないのでどなたか教えてください。ゴレアーダは、リーグ戦は2014年以来。いずれ、ずいぶんひさしぶりに感じます。眠らない街♪

贅沢なことですけど、個人的にはゴレアーダは内容的に緊迫感に欠けるように感じます。今日も5点目を取ってからは、試合の流れを追うのをやめて、のんびりまったりしてました。それはともかく、かつて経験がないほどの好調さに、嬉しさとともにワクワク感を禁じ得ません。なによりも選手が活き活きしていて迷いがなく、積極的にチャレンジしていて、ホントにいまはサッカーが楽しそうです。わずかの時間で長年の問題が解決してしまって、これまでの悩みはなんだったんだろうかと呆然とします。

いま、サポの誰しもがジワジワ感じていることだと思います。リーグ優勝。疑心暗鬼が積み重なって素直になれないけど、リーグ制覇。まだまだ紆余曲折あると思うけど、この状態が続けば、もしかすると秋頃に優勝争いをしているかも、なーんてそんな時期尚早な期待にこころが騒がしくなってきました。

とはいえ、怒涛の連戦がはじまったばかりです。まずはこのスケジュールを乗り切ることでしょう。


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