ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

2014 FIFAワールドカップブラジル グループリーグ第1節日本vsコートジボワール@アレナ・ペル

2014-06-15 15:44:25 | サッカー

4年間。

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サッカーに関わる様々な人の想いがそれぞれの軌跡を辿り、いま集結します。

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ブラジルワールドカップ。我らがサムライブルーの船出です。レシフェに想いをはせ、小平市民総合体育館のパブリックビューイングに参戦しました。

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エース本田のゴールで先制するも、以降は防衛戦となり、2分間で逆転されました。厳しいスタートとなりました。

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日本はテストマッチを経て、スタートスコッドを少し弄ってきました。GKは川島。CBはモリゲと麻也。SBは右に内田左に長友。ボランチは長谷部が復帰、ヤットではなく蛍と組みます。WGは右に岡崎左に香川。トップ下に本田を置いて、注目の1トップは大迫でした。

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コートジボワールはエースがスターターから外れます。GKはバリー。CBはボカとゾコラ。SBは右にオーリエ左にバンバ。ボランチはティオテとディエ。WGは右にカルー左にジェルビーニョ。トップ下にヤヤ・トゥレ。1トップはドログバではなくボニーです。

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両チームとも、非常に慎重な入り方をしました。初戦であるうえ、夜10時キックオフとはいえ高温多湿。しかも雨です。コートジボワールの事情はよくわかりませんけど、少なくとも日本は怪我明けでコンディションが心配です。本田、長谷部、内田、麻也。岡崎もテストマッチで負傷しました。慎重な入りかたには、そんな事情があったような気がします。もちろん攻撃力がありフィジカルで圧倒的に勝るコートジボワール相手に序盤からリスクテイクすることはないという判断もあると思います。

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これにコートジボワールも同調してくれます。大エース不在ということも影響したかもしれません。互いに有効なチャンスがないなか、地味な様子伺いが続きます。多少コートジボワールがシュート数だけで勝るかなというところでした。日本がいつギアを上げてくるのかなと緊張感をビシビシ感じていると、いきなりワンチャンスをものにします。

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前半16分。日本のCKをコートジボワールがタッチに逃れた、左サイド深い位置からのスローイン。長友がゴールライン際の香川に落とし、戻しをふたたび受けます。長友にはボニー。ニアにオーリエ、ディエ、ヤヤ・トゥレが集まってます。ゴール前にボカとゾコラが大迫を見てます。大外の岡崎にはバンバ。この時、相手DFラインから少し距離を置いて、ペナルティエリアの枠ギリギリに本田が下がり、フリーになります。それを見た長友は本田にパス。本田は右足トラップで寄せてきたヤヤ・トゥレをかわし、落としたボールを左足でゴールに叩き込みました。ゴラッソ。日本1-0コートジボワール。

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ここからしばらく、日本の時間になります。長谷部や岡崎のシュートもありましたけど、決定打にはなりえず。

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そして、次第にコートジボワールに攻め込まれる時間が増えてきます。防衛戦一方の難しい試合になってきました。おそらく日本は、守り切ろうという意識はなかったと思います。フィジカルに勝るコートジボワール攻撃陣に対し、長谷部、蛍、内田、長友が懸命に1on1で耐えます。最終局面でも、モリゲと麻也が体をはってコートジボワールのアタッカーに自由を与えません。日本守備陣は本当によく頑張ったと思います。

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前半はこのまま終了。

ハーフタイムで、ドロンパがパフォーマンスを見せてくれました。

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後半の入りは悪くなかったと思います。ふたたび攻撃を志はじめます。前方へのパスが見えはじめました。でもそれもつかの間、またコートジボワールに試合を支配されます。

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ここで驚くべきことが起こります。ザックさんが先に動きます。長谷部に代えてヤットを投入。そのままボランチに入ります。リードしている状況で先に動くのはセオリーではありません。それだけ長谷部の時間は限定されていたってことでしょう。長谷部アウトは仕方ないとは思いますけど、ヤットの選択はこの試合を大きく左右しました。ザックさんの意図は、より攻撃を志向していたと思います。前線でパスがつながらず、攻撃がまったくかたち作れません。ヤットの視野で攻撃プロセスを安定させ、もう少し日本が攻める時間を長くしたかったのだと思います。あまりにもコートジボワールに攻撃が偏重してましたから。

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ただこれは、長谷部だけの問題ではありません。同時にヤットだけでリズムが変わるわけではありません。このチームの心臓は、なんと言っても本田です。今日の本田は、価千金の仕事をしましたけど、試合の組み立てという意味では、まだ本調子にはほど遠かったようです。かねてより日本の命運は本田のコンディションが握っていると思っていました。本田のことですから、なんだかんだ本番には間に合わせてくると思っていましたけど、少なくとも緒戦は間に合わなかったようです。パスミスが多いです。ポジショニングも、まだ可動範囲が狭いですし、タイミングが遅いです。本田が機能しないと香川がリズムをとれません。日本の1トップは本田と香川を活かすハブですから、大迫に個人での状況打開を期待するのは難しいです。唯一本田と香川に影響されず独力でアタックできるのは岡崎ですけど、岡崎もまだ、相手DFの裏を取りきるパフォーマンスができるコンディションに仕上がっていないようです。ようするに、ヤットはボールを持てるけど、ヤットがパスを出す先のアタッカーが不調だと、ヤットは機能しません。むしろ危惧されるのは、長谷部とヤットの守備力の差です。ヤットが長谷部のように体をはって守るプレーはありませんから、ギリギリの線でコートジボワールの攻勢をいなしていたのだとすると、付け入る隙になってしまうんじゃないかと心配してました。ようするに、今野、青山、伊野波という選択肢もあったんじゃないでしょうか。それでも守り切れるとは思えませんでしたので、ザックさんの選択をやっぱり指示します。

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コートジボワールが動きます。非常にわかり易い攻撃指令です。ボランチのディエを下げ、大エースドログバを投入。ヤヤ・トゥレが1枚下がって4-4-2になります。そして、早々効果を見せます。

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後半19分。日本自陣のビルドアップで、香川からホスピタルなパスを受けた本田が中央でバンバとティオテに囲まれ、ターンオーバーされます。ティオテはヤヤ・トゥレに預けます。ヤヤ・トゥレはターン。香川、本田、蛍がマッチアップしますけど、誰もヤヤ・トゥレにアプローチしません。まずここが問題。ヤヤ・トゥレは十分周囲を確認して、選んだのは右サイドをオーバーラップしてきたオーリエです。オーリエはアタッキングサードに入った辺りでヤヤ・トゥレのパスを受け、ルックアップ。この時ゴール前は、ボニーに麻也とモリゲ。ニアのジェルビーニョに長友。大外ドログバには内田がつき、4on3です。ただいやらしいのは、ボニーが麻也の背後に周り視界から消えたことです。攻め上がってきたオーリエのケアは難しいと思いますけど、本来は香川の守備位置です。どオーリエは麻也の裏にアーリークロス。そこにボニーが飛び込みます。モリゲのスタートが一瞬遅れ、ボニーがダイビングヘッドで合わせました。日本1-1コートジボワール。

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パスをつないで攻撃は日本に尽く粘られ弾かれていたコートジボワールでしたけど、ここに来て飛び道具を抜いてきました。そして、一気に逆転されます。

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後半21分。コートジボワール自陣のビルドアップから。バンバがロングフィードを最前線のドログバに送ります。これは麻也がクリア。こぼれたボールがジェルビーニョに渡ります。この時バイタルエリアにボニーがいましたけど、ヤットがつき切れてません。ジェルビーニョは、長友とヤットを引きつけて中央のボニーに預けます。この時、右大外をオーリエが上がっていました。そしてまた、香川がオーリエをフリーにしていました。ボニーはそれを見て、オーリエにパス。オーリエはルックアップ。ゴール前は、麻也とモリゲの間にドログバ。。大外カルーに内田がついてます。ニアにジェルビーニョが入ってきます。一度マッチアップする長友の前に出るふりのフェイクから背後に回り、ゴール前に飛び込みます。これを見ていたオーリエが長友を越える高速低空クロスをジェルビーニョに送ります。ジェルビーニョは飛び込みながら合わせ、頭を振りました。日本1-2コートジボワール。

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たて続けにオーリエからのクロスにやられてしまいました。いずれも中盤の選手を中央に引き寄せられて、オーリエをフリーにしてしまったことが原因です。次戦に向け、課題になったと思います。

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ザックさんが動きます。大迫に代えて嘉人を投入。興味深いことにコートジボワールが引きます。たぶん、コートジボワールもギリギリのコンディションだったんじゃないでしょうか。次の1点が日本に入っていたら、この試合の結果は真逆になったかもしれません。守り切ろうとするコートジボワールに対し、日本が攻めます。それでも日本の攻撃が機能しません。パスがつながりません。原因はやはり本田です。本田にはボカ、ティオテ、ヤヤ・トゥレが厳しくマークします。このため本田のところでパスミス、ターンオーバーが続きます。ザックさんはシフトをアジャストします。嘉人を左に香川をトップ下に移します。本田をトップに置くゼロトップです。たぶん、本田をおとりに使って香川に攻撃のコンタクトを任せようとしたんでしょう。香川センターは、テストマッチで感触をつかんだシフトですから。残念ながらこの試みは機能しませんでした。本田が機能しないと香川は活きないですから。

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ラムーシさんが動きます。ボニーに代えてジャクパを投入。ふたたび4-2-3-1に戻します。逃げ切りのメッセージです。さらに足をつったボカに代えてヤコナンを投入。

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1枚カードが残るザックさんがどうするかと思っていましたら、最後のカードをようやくきります。香川に代えて曜一朗を投入。日本が猛攻をしかけますけど、効果的な攻撃はまったくできず。レシフェに無情の笛が響きます。このまま試合終了。

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はからずもコンディションに不安が残る同士の対戦になりましたけど、結果的にはパワーとスピードにやられてしまいました。一歩が飛び込めない。もう一足寄せられない。負け惜しみ上等で言うと、2失点は計画の範囲内だと思います。タレントの揃う前線に対し、まだまだ守備はピンで守り切れるだけの力がありませんから。なので、問題はむしろ攻撃だと思います。パスの精度とスピードが足らない。なにしろ本田と香川には、急ぎコンディションを上げてほしいと思います。

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でもワールドカップは結果がすべてです。悔やんでいる暇などありません。コロンビアがギリシャを粉砕したようです。一番の難敵だと思っていたギリシャが、ひょっとするとあまり守備が整っていないのかもしれません。難しくはなりましたけど、残り2戦、全勝してほしいです。

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