ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

2018J1リーグ第33節FC東京vs川崎フロンターレ@味スタ20181124

2018-11-25 16:37:54 | FC東京

もうすぐ冬を迎える東京。

はやいもので、今シーズンもホーム最終戦を迎えることになりました。

東京20年。クラブの歴史は、在籍した選手の人生ともシンクロします。そして、東京は今年、育成出身の初めてのスター選手の引退を迎えることになりました。

リーグ戦は、前節はやくも優勝が決まりました。前後半で主役が逆転したシーズンを締めくくったのは、今日対戦の川崎です。フロンターレの関係者の皆様、おめでとうございます。

というわけで、クラシコ。最終戦にもってくるのは、なんとも贅沢過ぎますので、できれば二度とやらないでください(^_^;)。イベント盛りだくさんで、正直クラシコ感がまったくありませんでしたので。You'll Never Walk Alone♪

東京はベストメンバーです。シフトはスクウェア型の4-4-2。GKは彰洋。CBはヒョンスとモリゲ。SBは室屋と宏介。CMは拳人とヨネ。メイヤは右に慶悟左に晃太郎。2トップはディエゴと洋次郎です。

川崎は怪我で悠と大島を欠きます。シフトは4-2-3-1。GKはソンリョン。CBは谷口と奈良。SBは右にエウソン左に車屋。CMは守田と碧。WGは右にアキ左に竜也。トップ下は憲剛。1トップは知念です。

数多あるホーム最終戦の注目点のうち一番はやはり、2018東京の最終形態が、2018チャンピオンに通用するか否か、です。

個人的には、リーグチャンピオンをリーグ戦で生観戦するのは初めてです。そもそもまだ東京の優勝を経験してませんから。天皇杯ではある気がしますけど、リーグ戦とカップ戦は闘いかたが違いますし、優勝を決めた川崎は、本来の川崎らしいサッカーをノンプレッシャーでやってくるでしょう。

まずは、2018チャンピオンの印象から。今年は川崎が6年半かけて取り組んできたサッカーの、ひとつの集大成の年だったと思います。攻守のバランスが高度に均衡している、完成度の高いチームです。チャンピオンチームは、連携が行き届き、プレーに迷いがなく淀みないサッカーを展開する独特の雰囲気があります。川崎はそのすべてにおいて、最高純度のクオリティをみせてくれます。

いまさら川崎のポゼッションプレーを振り返る必要もないので、昨年までとは違う、今年の積み上げの部分をみてみたいと思います。まず、川崎が連覇した最大の原動力は、カウンターの威力が増したことだと思います。ポゼッションのイメージが高い川崎にカウンターが加わると、対戦相手にとってはとてもやっかいです。事実、今日の後半がまさにそのような展開でした。東京もしかりなのですけど、川崎のカウンターはハイスピードのなかでのワンタッチプレーとスペースメイクの連鎖ですから、見た目以上に高い技術が求められると思います。言い換えるとポゼッションができるからこそのカウンターです。

守備面では、昨年の優勝の原動力となった、鬼木川崎の代名詞であるハイプレッシングに加え、最終ラインの安定感があげられると思います。奈良の完全復帰と成長で、エドゥ、車屋、舞行龍との併用だった昨年とは違い、ほぼコンビを固定できました。もともと川崎は、石崎さんや関塚さんのころから川崎山脈を基盤とするチームで、どちらかというとガテン系のダーティーなイメージがありました。奈良は、その伝統をひとりで背負い、受け継いでいるようです。是非はともかく、チャンピオンになるための必要悪としての注目すべき要素だと思います。CBを固定したことで、川崎は理想とする2バックシステムを手に入れました。

中盤では、ルーキーにしていきなり川崎のレギュラーでかつA代表にのぼりつめた守田がはまったことは、川崎のクオリティアップに大きく寄与しています。守田の特長は、流動性の判断のはやさだと思います。見ていて小気味良い印象を受けるのは、プレーに淀みがないことと、常に動き続けているからです。それはミッドサードのみならず、アタッキングサードでも同じで、シュート判断も非常にはやい。もともと守田がもっていた質が、川崎のサッカーに漬け込むことで開花したのだろうと思います。まさに川崎の申し子のような選手です。その意味では、怪我の多い大島以上に川崎の未来を担う逸材でしょう。

というわけで、ようするに2018川崎のレベルアップは、つきつめると陣容の変化にあります。選手に注目すべきはもうひとり、加入2年目のアキです。アキと川崎は幸せな出会いになりましたね。アキはガンバでもセレッソでも、個人の質は高いのだけど、チームのなかではどこか浮いた存在でした。アキ自身が変わったのか、川崎が特別なのか、今年のアキにはまったく違和感を感じません。むしろ、憲剛の存在感を希薄にするほど、川崎はアキのチームになっています。中断期間中に嘉人がいなくなってから川崎は急上昇するわけですけど、もはや川崎はエクスプローラーではなくスキッパーをリーダーとして求めるチームになったということでしょう。

そしてやはり、川崎らしさはポゼッション。川崎の代名詞は、アタッキングサードでのショートパスによる崩しです。今年の川崎はこれがほとんどみられません。チャンスメークはほぼサイドアタックです。アタッキングサードでサイドに良いかたちで入ると、躊躇なくドリブルかクロスで仕掛けてきます。ゴール前には常に三人以上がつめていて、仕掛人の潔さとフィニッシャーの枚数の多さが脅威の源泉です。

これらの2018鬼木川崎のチャンピオン要素のなかで、東京にとってやっかいなのはカウンターです。ポゼッションの質が変わっただけでも大変なのですけど、カウンターが加わったことで、注意すべきポイントが多重になってしまいました。

結論をいうと、少なくとも今年の健太東京では、川崎には対応することができませんでした。内容以上の完敗です。東京はまず、攻撃権を持つことで川崎を封じようとします。川崎がややコンサバティブな入りかたをしたこともあり、この作戦は当たります。サイドにはやめにボールを入れることで、高い位置で基点を作ることができました。もしこの時間帯に先制していたらと思う向きもあると思いますけど、川崎は試合の状況でブレるほどもろくはありません。

東京の攻勢はあっさり5分ほどで終わります。川崎が鷹揚に受け、よっこいしょとゆるりとしたポゼッションをはじめることで、攻撃権は完全に川崎に移ります。東京はこれも計算のうちだった思います。次なるポイントは、東京が川崎のポゼッションを受けきれるかです。東京はこの点で選択を誤ります。受けるにしても、川崎を受ける場所が低すぎました。川崎のポゼッションは、前述したようにアタッキングサードに入ってしまえば一気にシフトアップしますから、ゴール前の防衛に持ち込まざるを得ません。これではリスクが高まります。なので、防衛ラインはミッドサードにもっていくべきです。つまり、川崎の原動力である中盤のプレスに対し、ガチで勝負することこそ、目下のところ川崎を封じる最良だと思います。もっともこれは、川崎と同等のクオリティを潜在したチームにしかできません。東京がチャレンジするなら、ここだったと思います。

東京が川崎をリトリートして受けてしまったため、試合は完全に川崎のオーガナイズになります。なのでミスが起こることは必然でした。

19分。慶悟からのパスを受けた拳人は、碧のプレスをかわすべく、モリゲに戻そうとします。これが致命的なミスになり、ショートします。なんなく拾った知念は、ペナルティエリア外でしたけど、躊躇なくシュート。これがゴール左隅に決まりました。東京0-1川崎。

先制されたことで、闘いかたの選択ミスに気づき、アジャストするかなと思っていたのですけど、この後も状況は変わりません。中盤でミスがあったことで、ますます川崎の中盤の圧を感じてしまったのかもしれません。さらに追い討ちをかけるように、ヨネがコンタクトから足を痛めます。

東京が伝家の宝刀カウンターを繰り出せたのは、前半はたぶん一回だけ。それほど川崎のポゼッションの圧力が高かったということを表していると思います。ちょっと、この川崎が負けることがあるというのが信じられないくらい、川崎は強かったです。今日はエース悠と大島が不在という状況にもかかわらずのクオリティですから、チーム全体の練度の高さを示す試合だったと思います。

前半はビハインドで終了。

後半頭から健太さんが動きます。足を痛めたヨネが下がり、代わりに永井がトップに入ります。洋次郎がCMに下がります。

同時に健太さんは、闘いかたもアジャストします。下がっていては試合にならないと判断したのでしょう。ハイプレスを仕掛けます。

ここで、2018川崎のホントの脅威が牙を剥きます。前述したカウンターです。東京は、リトリートすると重曹に攻めたてられ、前に出るとカウンターをくらう。底なし沼にはまったようなデフレスパイラルに落ち込んでいきます。正直にいうと、もはやなす術がないと思いました。むしろ実力の違いがはっきりして、すっきりした気分になったくらいです。そして、絵に描いたようなカウンターが炸裂します。

50分。奈良のバックパスを受けたソンリョンのビルドアップから。東京は当然フォアチェック態勢に入っています。ソンリョンのパスを受けた守田は、前掛かりの東京守備網を見て、一気に攻める選択をします。ダイレクトで前方のアキに送ります。カウンターの発動です。ターンしたアキは、右サイドを上がるエウソンに落とします。エウソンもダイレクトで中央の憲剛へ。アタッキングサードやや外側で、フリーでターンした憲剛は、まさに憲剛ゾーン。この時点で、前掛かりの影響で、東京陣内に4on4の状態になります。憲剛はそのまま上がるエウソンを走らせるスルーを送ります。ペナルティエリアで追いついたエウソンは、ダイレクトでゴール前フリーの知念に折り返します。知念のシュートは彰洋がはじきますけど、イーブンボールがフォアに上がります。これを竜也が押し込みました。東京0-2川崎。

ボールに絡んだ守田、アキ、エウソン、憲剛、知念、竜也のすべてがフリーでつないだことがカウンター成功につながりました。東京はすべてが後手に回りましたけど、その状況を作った守田とアキの慧眼の成果です。

2018シーズンはいずれ別の場で振り返りますけど、現時点の印象を概略すると、ターニングポイントは中断期間中のキャンプにあったと思います。リーグ優勝した川崎にしろ、ACLチャンピオンの鹿島にしろ、いずれもこの期間の質の高いトレーニングを要素にあげています。ひるがえって東京をみると、もちろん内容はわかりませんけど、客観的に考えると拳人と永井の離脱がとてつもなく大きな影響になりました。

とくに拳人は中盤で帝王のような存在になっていましたから、その欠落はそのまま中盤の支配力の喪失につながります。守田と比較すると、もちろんプレースタイルの違いはありますけど、状況判断、スペースメイクの動き、パスの質、シュートチャレンジなど、まなぶべき部分はいっぱいあると思います。歳下だけど、同世代のなかで日本代表の基準を示してくれる、良きライバルになってくれると思います。

さて、点差が二点になって、健太さんが動きます。晃太郎に代えてリンスをトップに投入します。永井が左メイヤに回ります。ホーム最終戦ですし、いまさらびびっていても仕方ないので、攻撃姿勢を鮮明にする意図です。これで前線にスピードマンが三人揃いました。シンプルに縦に送る高速サッカーに移行します。これが奏功して、東京にようやくリズムが生まれます。

鬼木さんが動きます。竜也に代えて登里を同じく左WGに投入します。守備の質を高める意図だと思います。

さらに鬼木さんが続けます。憲剛に代えて浩之を右WGに投入します。アキがトップ下に回ります。左右の翼をフレッシュにする意図です。

健太さんが最後のカードを切ります。洋次郎に代えて輝一をトップに投入します。慶悟がCMに下がり、リンスが右メイヤに回ります。攻撃の作戦をやりきって総攻撃を挑む意図です。

同時に鬼木さんが動きます。知念に代えて雄斗を右WGに投入します。浩之がトップに回ります。これも前線をリフレッシュする意図です。

リスク覚悟の総攻撃で、今年最後の味スタを沸かせました。でもゴールを破るまでには至らず。このまま試合終了。東京0-2川崎。

ただただチャンピオンチームの質の高さを見せつけられた90分間でした。でも、ホーム最終戦でこのクオリティ差を見られたことは、案外良かったのではないかと思います。もっとやれたんじゃないかとか、エクスキューズとか、そんな雑念がぜんぶ取っ払われて、すっきり完敗を認められますから。それに来年に向けた良い目標になったと思います。健太さんのスピーチヒョンスのスピーチ

梶山選手お疲れ様でした。今度は違うかたちで東京でまた会える日を楽しみにしています。翼とリッピは、新しいチャレンジに向けてがんばってほしいと思います。梶山の引退セレモニー胴上げ

来年のACL出場権を失い、それ以外にもいろんな示唆があったホーム最終戦でしたけど、シーズン最終戦はまだ残っています。次節はこれまた最終戦にしては濃厚な、浦和です。


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