ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

2018J1リーグ第4節FC東京vs湘南ベルマーレ@味スタ20180318

2018-03-20 22:56:00 | FC東京

先週末は、あの日からちょうど7年を迎える日でした。震災を知らない子も小学生になったりと、ときのたつはやさを感じます。でも、あの日からの出来事は色あせることなく、けして忘れません。犠牲になったかたのご冥福と被災地の皆さまに復興の実感が訪れる日が少しでもはやく訪れますよう、祈ります。

開幕から三戦していまだ勝ち点は1。結果が伴わず出遅れた感があります。でも内容は確実にブランニューされてますから、調子が上向くのを待つばかりです。

本日はJ2優勝で昇格した湘南。対戦時はいつも苦戦する苦手チームの印象があります。You'll Never Walk Alone♪

もしかするとシーズンベストになるかもしれない内容で、しっかりスミ1ゲームに仕上げました。

東京は、ミッドウィークのカップ戦をへて、オーダーを少しアジャストします。シフトは中盤スクエアな4ー4ー2。GKは彰洋。CBはヒョンスとモリゲ。SBは今日は右にマコ左に諒也が入ります。ボランチは洋次郎の相棒に拳人。メイヤは右に晃太郎左に慶悟。今日の2トップはディエゴと敬真です。

湘南も少しアジャストがあります。シフトは3ー4ー2ー1。GKは秋元。3CBは右から山根、アンドレ・バイア、大野。WBは右に高山左に杉岡。ボランチは秋野と松田。2シャドウは右に菊地左に梅崎。1トップはイ・ジョンヒョプです。

磐田戦は前半しか観ていないのですけど、前2節と闘いかたに顕著な違いはなく、伝え聞くほど悪くは感じませんでした。失点シーンもアダイウトンの先制はゴラッソですから、守備の結果からみたクリティカルな問題はムサエフのゴールだけです。なのでノルマがあるわけではないけど、試合平均1失点以内は、アクシデントを除けば果たせています。

というわけで守備面はおおむね合格として、やはり得点力不足。シュートアテンプトは過去3試合で平均10を超えていますからチャンスは作っています。課題は決定力。といってもスミ1前提ですから、10回のうち一回決まってくれればチームの評価は真逆になるでしょう。

素人なので正しいことはわかりませんけど、決定力は、個人の技術を除けばゴール前の優位性を確保することだと思います。今年の東京は手数をかけずにスペースの優位性を作ることを目指しているように見えます。チャンスメークの成果はシュートアテンプトに現れていますから、今のところは個人技術のほうが課題として重要なのかなと思います。

さて試合は湘南のペースではじまりました。湘南は忙しいチームという印象があります。攻守の豊富な運動量を基盤として、ハイプレッシングでショートカウンターの下地を作り、ポジションレスのムービングで撹乱しながら縦に急ぐイメージです。ところが昨年のJ2の経験を経て、曹湘南は進化しているようです。長年同じ体制を維持し続けている成果でしょう。

運動量をベースにしていることは変わらないのですけど、ポジションチェンジとパス回しの質が高くなっていると思います。ようするに上手くなってる。攻撃権を持つことを志向するようになっているのでしょう。必然的にむやみなハイプレッシングは少なくなっていて、よりスタイリッシュなスタイルに変わっています。アタッキングサードの崩しかたは湘南のストロングポイントです。この点は変わらず継続しているのでしょう。サイドにスピードマンを置き推進力を生み出し、そのままの勢いで一気にゴールに向かいます。

Jクラブの短期的な目標は、いずれのクラブも優勝を視野に現実解に落とし込んでいると思います。でも毎年優勝を目標に掲げることができるクラブは限られていて、J1はそのようなクラブを中心にサーカスが回ると思います。そのなかで、かならずしも優勝を望まぬともリーグで存在感を放つクラブがあることが多様性を生み出し、ファンが不確実性を楽しむドラマの源となります。湘南が目指すポジショニングもおそらくそこでしょう。近年は往々にして各クラブのスタイルが画一化する傾向にありますけど、湘南は良い意味でガラパゴスで、自他ともに認めるであろう独自のスタイルを継続してきました。長年曹さんが指揮してこられましたけど、これからの湘南はデザイナーの曹さんですらもそのスタイルに依拠するような、人格をもった独自スタイルにまで昇華できるとしたら、Jが育んだこの国にしかない個性として誇るべきことだと思います。J1再チャレンジのことしは、さらなる進化のスタートにたっていると思います。

2018湘南スタイルのキープレイヤーは秋野でしょう。攻撃時の湘南の中盤は松田がユーティリティに攻撃に加わるため、秋野がアンカーの位置に入ります。攻撃のタクトは秋野が振ります。秋野から発せられた攻撃は、左右のWBを基点に、松田とシャドウが絡むことで、局面の数的優位を作ります。攻撃の組み立ては、左右にパスを散らすことで相手をゆさぶり、スペースが空いたサイドで仕掛けます。

ジョンヒョプ、高山、杉岡そして秋野でつくるダイヤモンドとそのなかの三人の流動性が生み出すダイナミズムはさすが湘南スタイルで、新加入選手がスコッドに入ってもクオリティは揺るぎません。さらに、基本的にグループがコンパクトですから、パスの受け渡し、ポジションチェンジもスムーズで、これまたスタイル継承のメリットなのかなと思います。

東京は湘南のオープニングラッシュを想定して、まずは湘南に攻撃権をあずけます。でも今日は、そのままゆるく流されることはありませんでした。開始10分あたり、湘南の攻撃圧を体感した東京が、攻略にかかります。狙いところはバイタルエリアです。

今日の中盤に君臨したのは拳人でした。拳人が菊地、梅崎、松田を向こうに回し、仁王のごとく立ちふさがります。今日、拳人が抜かれたシーンの記憶がなく安定感はチーム随一でした。今日のMOMは拳人だと思います。

湘南は中盤の攻撃ルートを遮断されると、サイドで独力突破を試みます。今日の東京はサイドも堅固でした。諒也のみならず、リーグ戦初出場のマコも体をはり、突破を許さないという気迫を感じさせました。全般的にパスのイージーミスが少なかったチームのなかでマコのミスはちょっと目立ちましたけど、なにしろ初出場の緊張感のなかですから、経験のひとつでしょう。マコのプレーで目をひいたのは攻撃参加のタイミングの良さです。プロ初見参のSBはここに苦労するのですけど、マコには違和感がなく、いてほしいときにちゃんと攻撃に加わってます。ユース出身ならではなのかもしれないけど、マコのナチュラルな特長のような気がします。

こうして守備の安定が整うと、東京は攻撃権をもぎ取りにかかります。今日の作戦の工夫は、攻撃パターンをある程度固定化していたことにあります。遼一とディエゴのセットは縦横に役割を入れ替える流動性があります。今日のディエゴと敬真はポジションを固定していました。狙いは両サイドのCBです。敬真は主に右サイドを担い、大野の背後のスペースを繰り返し狙います。敬真へのパス供給はモリゲからのロングフィードでした。まだタイミングが合わないことも多く、今後の課題だと思います。

左を受け持つディエゴは、山根を背中にしつつポストを受けます。山根のみならずアンドレも引きつけることで、中央とライン際にスペースを作ります。今日のもうひとりのMOMはいうまでもなくディエゴなのですけど、活躍は決勝点だけではありません。むしろ二、三人に囲まれてもボールをキープする、技術に裏づけられた粘り強さで攻撃を牽引していました。

前線に基点ができることで活きたのがメイヤです。晃太郎のアイデアと技術の確さは四戦を経てますます信頼が増します。それよりもなお頼もしいのが慶悟です。慶悟は東京加入以来最高のパフォーマンスを見せています。健太さんのシンプルなサッカースタイルに一番フィットしているのが慶悟かもしれません。バイタルエリアでのスペースメイクは、タイミングもコースも良く、攻撃ルートの随所に慶悟の姿を確認できます。それにもまして、アタッキングサードでの迷いの少なさはこれまでの慶悟にはなく、覚醒の予感を覚えます。

東京は、攻撃権を持ってからは湘南にそれを戻すことなく、完全に試合のイニシアチブを握ります。状況を打開すべく、曹さんがさっそく動きます。松田と菊地のポジションを前後に入れ替えます。松田のスピードと運動量で拳人攻略を図ろうとしたのだと思います。でも有効性は確認できず。前半はスコアレスのまま終了。

後半開始早々、試合が動きます。ついにエースが東京初ゴールです。

46分。キックオフからのファーストアタック。モリゲのフィードは例によって大野の背後をうかがう敬真へ。大野がクリアしたボールが、洋次郎を経て晃太郎へ。晃太郎は敬真に渡そうとしますけどこれは秋野がカット。イーブンボールを洋次郎が拾い、ふたたび敬真を絡めようとしますけど、これまた大野がカット。こぼれたボールを拳人と松田が争い、なおイーブンになったボールが左サイドに流れて諒也が拾います。意図せずサイドチェンジは一連の右サイドの攻防によって中央にぽっかり穴を空けます。諒也は中央フリーの慶悟にパス。攻撃スイッチが押されます。ターンした慶悟はさらに前方ど真ん中にどフリーではるディエゴにパス。ディエゴは左足でトラップ。右足で右に持ち出して、回転しながら右足を振り抜きます。シュートはスライダーのようにするどく曲がってゴール右隅に吸い込まれました。ゴラッソ!。東京1ー0湘南。

豪快なミドルショットは胸がすきます。ポストの安定感はみせつつもなかなかゴールができなかったディエゴですけど、この一点で波に乗ってほしいと思います。今日の東京が秀逸だったのはここから。先制した後の闘いかたが見事でした。安易に湘南に攻撃権を渡さず、良いリズムを崩しません。守備が強いという評価の東京ですけど、内部にいる身の印象は、けして受けが上手いとは思っていません。引き過ぎてリズムを悪くすることもありました。でも今日は拳人を軸とした中盤の優位性を自ら明け渡すことなく、試合を良いテンションのまま安定させるとに成功しました。

欲をいえば、イニシアチブを握り続けていて攻撃回数も少なくなかったですから、追加点をあげられたらと思います。その意味では、ディエゴは決めたけど、敬真が再三のチャンスを逃したのはもったいないなと思いました。敬真は積極的に縦を狙う意欲を見せ、攻撃の活性化に貢献していました。得点機に顔を出す回数はディエゴよりも多かったですから、あとは決めるのみ。今後に期待です。

曹さんが動きます。梅崎に代えて齊藤を右シャドウに投入します。松田が左に回ります。拳人攻略のために中盤をリフレッシュし、アジリティより技術を優先する意図だと思います。

チームが高い次元で安定していたので交代どうするかなと思っていました。健太さんが動きます。敬真に代えて遼一を同じくトップに投入します。前線をリフレッシュするとともに、遼一のコンディションを整える意図だと思います。キャンプ中好調だった遼一はシーズンインとともに下降しつつありますから、はやくゴールを決めて流れを戻してほしいところです。

同時に曹さんも動きます。二枚一挙代えです。杉岡に代えてミキッチを右WBに投入します。高山が左に回ります。松田に代えて新井を同じく左シャドウに投入します。

シャドウに技術系を揃えて基点を作り、右で勝負をかける意図でしょう。これはある程度はまり、右サイドが活性化します。

そこで健太さんが動きます。ディエゴに代えて永井を同じくトップに投入します。個のちからで湘南の背後を脅かし、攻撃を分断させる意図です。永井がオプションにいてくれて作戦のはばが広がります。

なおもペナルティエリアにすら入れない状況を受け、曹さんが最終手段に出ます。アンドレを最前線に置くパワープレーです。このためシフトをスクエア型の4ー4ー2に変更します。でも肝心のアンドレがヒョンスに封じられ、この作戦も期待通りには機能しません。

健太さんが〆ます。洋次郎に代えてヨネをクローザー投入です。同じくボランチに入ります。ミッドウィークでゴールしたばかりの建英が観たかった気持ちもありましたけど、代えるとしたら中盤の守備の強化かなたと思ってました。

湘南の猛攻も空回りにおわり、このまま試合終了。東京1ー0湘南。

主体的にイニシアチブを奪ってからは、湘南に一度も攻撃権を渡すことのない、非常に安定した試合運びでした。1点で終わったので華がないようにみえるけど、90分間を落ち着いて観られましたから、見た目以上に力量差を感じた試合でした。

あんまり意識してなかったのですけど、昨年8月13日以来の8ヶ月ぶりのホーム勝利です。これで諸々の悪霊が払われてリセットできたと願いたいです。ひさしぶりの眠らない街♪ディエゴの嬉し恥ずかし初シュワッチ

代表にモリゲが復帰。ヒョンスも代表招集です。ワールドカップまではやもう三ヶ月。そろそろ本大会の足音が聞こえます。チームは国際Aマッチウィークの中断です。復活のきっかけをつかみましたから、上昇気流になるべく課題に取り組んでほしいと思います。そして中断明けは、健太さんの古巣ガンバ。


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