気温がぐんぐん上がって、桜があっという間に満開です。一気に春真っ盛りになりました。
昨年は結局、モンテの試合を2試合しか観戦できませんでした。自分の都合が合わなかったり、加賀さんが怪我で出場できない時期もあって、山形は交通の便は良いけども、やっぱりいろいろな距離が遠いなと実感しました。
2018年シーズン開幕以来、加賀さんは欠場が続いていて、ヤキモキしました。キャンプの途中から覚えた脚の違和感に、加賀さんらしく丁寧に向き合っていたのだと思います。さすがに加賀さんファン歴も7年目になりますと、加賀さんの準備が整うまで気長に待つことができるようになりましたから、ヤキモキしつつも元気な、姿を観られる日をゆっくり待ってました。
復帰は慎重に、まずはオプションからだと思ってましたから、直前のミッドウィークの試合もスコッドに入らなかったので今日も欠場だろうと思ってました。ところがメンバー発表を観ると、なんとスターター!。雪国育ちのわりに気温が高いほうが得意な加賀さんですから、春になって一気に心身のコンディションが上がったのでしょう。
慌てて身支度してチケットを求め、味スタに急行しました。復帰戦が味スタでラッキーでした。席は前半の加賀さんポジションを狙って、バックスタンドビジター側です。
本日の加賀さんは、3バックの右CBで出場です。
ウォームアップにギリギリ間に合って、ひさしぶりにピッチに立つ姿を観ます。加賀さんは公式戦8試合ぶり、個人的には昨年7月29日以来8ヶ月ぶりです。
ウォームアップはメインスタンド側でやっていて、遠目だったのでよくわからなかったのですけど、ちょっとアプローチが変わっているかなと思いました。お散歩をしてませんでしたし、ショートスプリントの本数も少なかったと思います。試合に出場できるコンディションとはいえ、まだ復帰まもないので、慎重にアプローチしたのかもしれません。
キックオフ前の加賀さんの姿にびっくりしました。加賀さんが栗山さんと熊本さんを呼び止め、3バックで最終確認をしてました。昨年終盤にレギュラーをつかんだ栗山さんにルーキーの熊本さんと、加賀さんの経験で引っ張るべき若いパートナーとの初コンビだったこともあるのでしょう。さらに、今日のチームプランが守備に重点を置いていたこともしっかりコミュニケーションを取る必要性を加賀さんに感じさせた理由だろうと思います。
これまでの加賀さんは、どちらかというと自らのプレーのクオリティを高めることに集中していた印象です。でも、ここまで歩んできたサッカーエクスペリエンスのなかで、加賀さんのなかにチームプレーとしてのサッカーを学ぶ欲求が芽生え、それを実行し、粛々と蓄積していたのだと思います。菅沼さんが抜けて世代交代が求められる山形のなかで、加賀さんの新しい立ち位置を観ることができました。
プレー中も、ラインのコントロールは加賀さんがやっていました。自分が関わっていない場面でも、良いプレーがあったらチームメイトを賞賛していました。なんだかすっかりチームリーダーです。今日のモンテの土台には、加賀さんという頼れる幹がしっかりはっていたような印象です。結果的に完封できた守備の安定感は根っこの落ち着きに由来していることは間違いありません。
前半の幻ゴールのあとで円陣を組みましたけど、それもどうやら加賀さんが声をかけていたようです。東京時代も、直接連携が必要なモリゲやヒョンス、徳永さん、ボランチの選手と試合中に会話してるところはよく見かけたのですけど、自ら主導してチーム全体のコミュニケーションを取ろうとする姿はほとんど記憶がありません。
ひとつには、チームや木山さんから豊富な経験を落とし込んでほしいと頼まれていることもあるのでしょう。でも今日の姿からは、それ以上の気持ちを感じました。あまり勝利に執着するタイプではないから、勝つためにというよりかはチームがより良いサッカーをするために、言うべきことを伝えたいという欲求が行動として現れているんじゃないかと思います。
それはやろうとしてにわかにできることではありません。仮に他の選手にアドバイスをしたとしても、加賀さんに裏付けが無ければ心には届かないものです。チームが加賀さんについていけているのは、加賀さんが16年間のプロ生活で積み上げてきた地道な努力が根拠になっているからでしょう。その半分くらいの時間をファンとして過ごしていながら初めて知ったその事実に驚くとともに、相変わらず、観るたびに新しい魅力をみせてくれる奥深さを感じて、あらためてファンでいられて良かったなと思います。
加賀さんが長年取り組んできた、サッカー選手として必要な下地作り、食べ物であったりフィジカルコンディションであったりランニングフォームであったりは、Jリーグの選手の意識を変える予兆があります。代表常連となった槙野さんが加賀さんとともに取り組んでいることは、レッズに浸透しているようですし、槙野さんの代表の活動を通じて日本全体に広がる可能性があります。そういう細やかなアプローチへの意欲は、必要性もさることながら、学び活かすことへの興味がなければ生まれませんし、継続できません。ことさらルックスだけに話題がいきがちな昨今だけど、その内面と行動の魅力にももっと注目されたらいいなと思います。
プレーに関しては、攻撃の判断が的確だったことが印象に残りました。加賀さんといえば圧倒的なスプリントですけど、今日のモンテが超コンサバモードだったので、加賀さんがスプリントでリスクヘッジするシーンは、残念ながらというか、いやもとい嬉しいことに、まったくありませんでした。
守備に関しては、ダイナミックでスキルフルなタックルで危機を救うシーンが二度ありました。それ以外は、カルロス・マルティノスさんを向こうに回してもピンチらしいピンチはありませんでした。山拓キャプテンとの連携がスムーズだったためです。
それから、相手セットプレーのとき、ドウグラス・ヴィエイラさんのマーカーを担っていました。あまり競合いが強いイメージはないので、相手エースのマーカーになるなんてとびっくりでした。
攻撃参加はたぶん四回ほど。そのうちアタッキングサードまで上がったのは二回。その二つともクロスを供給してフィニッシュにつながりました。とくに前半のクロスは、結局まぼろしに終わったけど阪野さんがゴールを揺らしているので、相手のプレッシャーを感じながらも威力があったのだと思います。
クロスの2プレーとも、加賀さんのスタートは自陣でした。パス回しをスタンドから見ていて、あ、加賀さんの前にスペースができたと思った瞬間には、もう加賀さんはスルスルっと上がっていました。その走る姿にハンターのオーラが漂っていました。ひさしぶりに観る、加賀さん本来の姿です。近いうちにゴールやアシストをみせてくれるんじゃないと期待します。
まだ右足にテーピングが残る痛々しいコンディションのようですけど、結局フルタイム闘いましたから、これから試合に出続け、もっとコンディションを上げていってくれることでしょう。それだけじゃなく、チームを力強く支えるリーダーシップでも貢献してくれると思います。2018年もまた、新しい加賀さんを観られる楽しみができました。
残念ながら今年は山形に行く予定はないのですけど、どこかで試合に会いに行けたらと思います。そのときはまた、ぼくの知らない加賀さんの魅力に気づかせてくれることを願います。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます