ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

2015J1リーグ第12節浦和レッズvsFC東京@埼スタ20150516

2015-05-17 14:24:31 | サッカー

GWが明けて、肌寒かったり夏日だったり、気候が安定しません。風邪も流行っているみたいです。皆さまくれぐれもご自愛ください。

菜種梅雨の先に、この子が露をおびて輝く季節がもうすぐです。

ブログ書くかもの凄く迷いました。ブルーです。今でもブルーです。浦和サポさんごめんなさい。こころの内を吐露します。ミシャさんのバカ。

気を取り直して、今日は純粋に、首位浦和との仮想勝ち点4を追う試合に集中します。そう、あくまでもこれは、首位を追いかける機会であって、けして首位攻防戦などではありません。

今週に入って東京の周辺が心配でした。チームやサポから、過剰に浦和を意識した発言があって、率直に言うと、まだ残り試合が多いのに、ちょっと意識し過ぎかなと思っていました。競馬でいう、入れ込みかな。自分も鹿島戦の結果が無ければ相当入れ込んでいたと思います。バックスタンドで客観的に見ると、かたやレッズサポが、大事な試合でやるコレオどころか、ごく普通の試合を迎える雰囲気とまったく変わらず、総力的な経験の差というか、そのようなものをそこはかとなく感じていました。

今日の世界を目指して♪

東京には正当なエクスキューズがあります。過密日程のなかのよくわからない代表合宿に5人も呼ばれ、チームの調整がままならなかった上、あろうことかよっちが合宿で負傷しました。今日は代表監督が視察に来てましたけど、クラブとミステルに説明があったのでしょうか。結果的に、少なからずパフォーマンスに影響していたので、リーグの盛り上がりのために大切な試合の前に、合宿の必要性を今一度問いたいと思います。

案の定、らしくない入りの東京が、普段着の浦和に押しつぶされてしまいました。

東京のいわゆる”かかり”は、シフトにも現れます。今年、かたくなに変えなかったシフトをいじります。4-3-3です。GKは権田。CBはモリゲとカニーニ。SBは徳永と宏介。3CHはヨネ、梶山、たま。WGは右に慶悟左によっち。1トップは容平です。

浦和は普段着ですけど、あの男が帰ってきました。シフトはおなじみミシャの3-4-2-1。GKは周作。3CBは右から森脇、那須、槙野。ボランチは陽介と勇樹。WBは右に関根左に宇賀神。2シャドウは右に忠成左にムトゥ。1トップはおかえりなさいの興梠。

戦前は、7連戦中の流れを考えると、浦和のポゼッションを東京が堅い守備網で受ける展開が予想されました。ところが、予想に反し、東京がアグレッシブに仕掛けます。普段よりも高めにラインを設定して、4+3+3の3ラインをコンパクトに保ちます。そこから、3トップが最終ラインと周作を激しく追い込む、フォアチェックを仕掛けます。浦和のビルドアップは、那須、勇樹、森脇のボール回しを起点としています。今日3トップにした狙いのひとつは、ここにあると思います。起点の位置が左右真ん中どこになってもフォアチェックを漏れなく仕掛けられること。さらにラインをコンパクトにすることで、東京のフォアチェックの本来の意図である、中盤高い位置でのトランジションを確実にできるようにということだと思います。

結果的には、このアグレッシブネスが、入れ込みの原因になったんじゃないかと思います。逆に、浦和にとっては好都合でした。浦和攻略の常套手段は、前線の距離感を分断して攻撃の連動性を断つことにあります。そのために基点を作らせないことと、スペースを消すことがポイントになります。東京のアグレッシブネスは、攻守の切り替えがはやいオープンファイトを生み出します。

まず主導権争いを左右するポイントになるのは、東京の3トップと浦和の基点とのインボックスなファイトです。もともと東京はコンタクトの激しいチームですから、浦和は予期していたのでしょう。東京のアグレッシブネスに混乱することなく、「かかってこいや」と言わんばかりにガチでコンタクトを挑みました。東京の誤算は那須かもしれません。容平の執拗な犬追いが那須にとってジャブになることを期待していたのだと思いますけど、結局最後まで那須を攻略できませんでした。

ベースの安定を確認すると、浦和もオープンファイトを挑んできます。浦和はゆったりとしたリズムで攻撃するイメージの強いチームですけど、本来はショートカウンターを主軸にするチームなのかもしれません。東京は、浦和の本質を引き出してしまいます。浦和は、サイドアタックを基調とするチームです。今日の攻撃陣のセットは、役割分担がしっかりできていたと思います。攻撃の際、興梠は中央で最終ラインを縦にひっぱります。忠成は興梠との距離感を意識しながら、前目に位置します。ひとり遅れ気味にムトゥがいて、バイタルエリアでスペースメイクします。この3人の連携は、SBを内に絞らせることを意図します。そうして浦和の破魔矢、WBが放たれます。バランスは、どちらかというと宇賀神を使う比率のほうが高い気がします。宇賀神はパワーで勝負するオラオラ系のドリブラーですから、攻撃のリズムを作る役に適しているのでしょう。関根は、スピードとアジリティを持つドリブラーですので、守備網を混乱させたい時に有効になると思います。

さて、今日の浦和は、手数をかけず縦にクイックな展開を仕掛けます。前線に一度ポストをつけ、ワンタッチでシンプルにつないではやくサイドに展開します。ゴールへの仕掛けもはやめで、WBに渡ると基本的にアーリークロスをどんどん放り込んできます。狙いは、権田とCBの間のスペース。そこに興梠、忠成、ムトゥが飛び込んでくることをイメージしたアタックだと思います。東京の高めのラインがこの攻撃を助長します。そして、いきなり先制点が生まれます。

5分。浦和最終ラインの自陣でのポゼッションから那須がボールを持ち、ルックアップ。前線では興梠が下がってポストを受けようとします。那須はこれにつけるフィードを送ります。興梠は下がりながら左サイドの状況を視野にしていました。興梠自身は、カニーニをはがしていてどフリー。すぐ左にダイアゴナルに絞ってきたムトゥがいて、徳永がケアしています。左ライン際に宇賀神が上がっていてフリー。逆に右は、忠成と関根に対し梶山、モリゲ、宏介がいて数的優位です。興梠は左にチャンスがあると見たのでしょう。那須のフィードを右足ダイレクトでムトゥに落とします。ムトゥは上がると見せかけてステイ。徳永を振り切りタベーラ、興梠に戻します。受けた興梠はすぐに左に展開。宇賀神にパスが渡ります。ムトゥの動きに徳永がつられ、宇賀神が完璧にフリーです。宇賀神がトラップした時は、最終ラインは下がらざるを得ず、また全員がボールを見ることを余儀なくされます。このタイミングを浦和は見逃しません。やや開き加減のモリゲとカニーニの間めがけ、ニアから武藤ファアから忠成が飛び込んできます。これを見た宇賀神は、GKとラインの間にアーリークロスを送ります。おそらくどちらかに合わせるというよりは、スペースを狙ったのでしょう。これに忠成が左足ダイレクトで合わせました。ゴラッソ。浦和1-0東京。

浦和のスピードに乗った仕掛けに、後手後手に回ってしまいました。試合前から、気持ちの入り方が前掛りになっていたんじゃないかと思います。そのことが、結果的に浦和のスピードをいなせなかった要因のような気がします。

さすがに浦和は、頂上にいることに慣れている大人のチームです。先制してイケイケにはならず、リトリートします。5+2+2の守備網を作り、東京のランニングスペースを消します。その上で、局面で激しいコンタクトを挑んできます。もとより東京もインファイトは望むところですので、火花が飛ぶような局地戦が展開されます。

局地戦の結果は、浦和に軍配が上がります。東京が攻撃のリズムを作れません。要因は基点です。東京の攻撃プランは、サイドアタックだったと思います。容平が下がり気味で中央に基点を作り、落としをたまとヨネがつないでサイドに展開するイメージです。3トップにした意図は、容平をよっちと慶悟が追い越して最終ラインの裏に抜け出し、サイドからのクロスかスルーを引き出しプランだったと思います。浦和は基点を消します。容平に対し那須が執拗にチェックし、自由にポストをさせません。基点が作れないので、東京の攻撃陣の連携が分断されます。東京が浦和に対してすべきことを浦和にやられてしまった格好です。

そこで、ミステルが早々動きます。シフトをボックスタイプの4-4-2に変更します。普段の4-4-2はラインタイプです。サイドの守備を厚くすることを目的としています。今日は攻撃のための4-4-2。おそらく、前線の基点を増やすことと、1on1の局地戦状態を避けることを意図したんだと思います。もうひとつは守備の意図で、バイタルエリアのケアだと思います。

さらにミステルが動きます。たまに代えて秀人をボランチに投入します。ヨネを左メイヤ、慶悟を右メイヤに移します。今日のたまは、よっちが森脇に倒されたプレーを激しく抗議していたのが印象的でした。もともと気持ちが前面に出る選手ですけど、容平とともに、入れ込みを感じました。ただこの交代は、たまに問題があるというよりも、作戦的な理由だと思います。秀人にバイタルエリアをケアさせるとともに、ヨネの攻撃力を活かそうという意図だと思います。

残念ながら、シフト変更は効果が出ません。東京が浦和陣でプレーする時間が長くなりますけど、攻め込むというよりは攻めさせられている印象を受けました。相変わらず局地戦が激しく、言い変えると局地での白兵戦状態から東京は抜け出せません。東京はパワーに優位性があると思っていましたけど、今日ばかりは、どの局面でも浦和のパワー勝負に負けていました。1on1を制することで攻守のコレクティブネスを作ってきた東京ですから、ベースを失うと成す術がありません。

浦和はカウンターに徹します。試合の入りから、ハイスピードなカウンターを攻撃の基軸としていたので、とてもスムーズなプランの移行だったと思います。時折繰り出すカウンターの精度と威力がとても高く、東京に後方の脅威を与え続けます。やっぱり興梠が入ると攻撃陣の連携がスムーズになるんでしょうか。いるべきところに興梠がいて、忠成と武藤に走り込むべきスペースを見せてあげていたような気がします。そして、前半も終わろうかという時間帯で追加点が生まれます。

42分。那須のクリアを関根が自陣で落とし、陽介に戻します。陽介は勇樹にパス。受ける前にルックアップして前線の状況を確認していた勇樹は、ダイレクトに縦パスを入れ、興梠にポストします。興梠はトラップしてターン。この時最終ラインは揃っていますけど、ペナルティエリアの幅に絞っています。対する浦和は5人。右から関根、忠成、興梠、ムトゥ、宇賀神。4on5の数的不利です。東京が絞っているので、当然左右のWBはフリー。興梠のドリブルでアタッキングサードに入ります。この時ムトゥがまたもダイアゴナルに内に入る動きで徳永をつります。これで完全にフリーになった宇賀神に興梠がパス。宇賀神はペナルティエリアに入ります。ニアに動き直すムトゥにはモリゲ、ファアに入ってくる忠成には宏介、遅れ気味に飛び込む興梠の手前にはカニーニとヨネがいます。宇賀神の選択は、なんと大外逆サイドに入ってきていた関根でした。この宇賀神の視野が凄い。関根は宇賀神のクロスを、難しいタイミングでしたけど右足ダイレクトで合わせました。ゴラッソ。浦和2-0東京。

前半は、流れも得点も浦和が完璧にオーガナイズしたまま終了。

東京がドレッシングルームからなかなか出てこなかったので、ミステルの訓示とプラン注入にかなり時間をかけたんだと思います。東京がどうアジャストするか注目していると、いきなり試合が動きます。

47分。那須のクリアを右ライン際で陽介が森脇に繋ぎます。森脇は勇樹にパス。勇樹はハブになって前にはたきます。このパス交換で陽介がフリー。ドリブルで東京陣に入ります。陽介はルックアップ。この時東京は、4+4のラインが左に揃っていてボールサイドに寄せています。浦和はニアから忠成、興梠、ムトゥ、宇賀神が上がっていますけど、陽介のパスコースではありません。そこで陽介は、十分に間合いをはかって、右サイドを上がる関根にスルーを送ります。このスルーが絶妙でした。陽介がパスを出すタイミングをはかっていた宏介が視線を陽介に送る瞬間のパスなので、宏介が一瞬遅れます。関根はパスを受ける前にゴール前を確認します。選択肢はふたつ。最終ラインの戻りの動きに反しステイする興梠と、更にその裏に抜けようとするムトゥです。関根が狙ったのは、裏でした。GKとCBの間のスペースを狙ったクロスは、おそらくそこにムトゥが飛び込むことを想定した、信頼のなかでのクロスだったのでしょう。そして走り込んでいたムトゥが、右足で流し込みました。浦和3-0東京。

東京が追いかけようと意気込んで望んだ矢先の出来事なので、このゴールは相当効きました。東京が切れてしまった印象はまったくなかったのですけど、正直今日の内容で3点差はキツいなと思いました。失点してしまったことも影響したのか、後半も流れは変わりません。

ミステルが動きます。容平に代えて遼一を投入します。今日の遼一は、相当気持ちが入っているように感じました。気持ちというよりも作戦かもしれません。あらためて那須を狙い、激しくコンタクトします。容平とのパワー感のギャップからか、那須が1on1で負けるシーンが見られるようになります。

ミシャさんが動きます。興梠に代えて梅崎を投入します。興梠にまだ無理はさせられないので、コンディションを考慮したのだと思います。忠成が一枚上がります。

ミステルも動きます。梶山に代えて翔哉を右メイヤに投入します。ヨネがボランチに戻ります。今日はトップ下を置かなかったのですけど、遼一が基点として機能していたので、遼一に絡める選手を置きたくなったのかもしれません。

立て続けにミシャさんが動きます。森脇に代えて青木をボランチに投入します。勇樹が右CBに入ります。この交代の意図は良くわかりませんでした。森脇に問題があったというよりも、点差が開いたのでオプションメンバーにプレー機会をあげようということなのかもしれません。ただ、この時間くらいから浦和の足が止まりはじめます。那須だけでなく、プレッシャーをかける一歩の出足が鈍ってきたような気がしました。さすがに激しくチェックし続けたので、浦和といえど小休止は必要ということでしょう。

ミステルがシフトをアジャストします。オリジナルの4-3-1-2に戻します。布陣が面白かったです。3CHは右から翔哉、秀人、ヨネ。トップ下に遼一を置いて、2トップはよっちと慶悟です。これが機能します。東京の攻撃がようやく活性化します。まず遼一がバイタルエリアの中央で基点を作れるようになります。よっちと慶悟が遼一との距離感を保ち、3人が連携できるようになります。加えて、翔哉がこれに積極的に絡みます。ヨネは攻撃参加を自重して、秀人と中盤をケアしていますので、3CHと言っても変則的で、4-2-1-1-2のような形になります。よっちと慶悟のペナルティエリアへの飛び込みにちょっと遅れて、翔哉が前線に顔を出します。東京が多重攻撃を見せられるようになります。そして、ようやく東京が反撃ののろしをあげます。

74分。周作のゴールキックをモリゲが返したボールを関根がクリアしますけど、それを拾おうとした勇樹より先に慶悟が触ります。これを遼一が拾い、ターン。そのまま上がっていく慶悟にパスを送ります。慶悟はフォローする那須とマッチアップして時間を作り、上がってくる宏介にパス。アタッキングサードに入ります。宏介はルックアップ。この時ゴール前は、ニアによっちがいて槙野がケア。ファアの翔哉は宇賀神が見ています。さらに秀人が上がってきていて青木が見ていますけど、一度外に呼んだ動きでマークの青木をつり、ニアに走ります。その間に、遼一が上がっていました。どフリー。宏介はこれを見逃しません。宏介のキックモーションと同時に遼一がペナルティエリアに進入します。宏介のクロスを槙野がケアしようとしますけど、時すでに遅し。先に遼一が合わせました。浦和3-1東京。

遼一の東京初ゴールが、このタイミングで生まれました。東京に活力をもたらそうと投入された遼一のゴールでしたし、雰囲気も良かったので、流れが変わる期待を感じました。ところが直後、その期待を砕かれます。

76分。東京陣で、関根が忠成に送ったパスをカットしたヨネが、梅崎の寄せをかわそうとして足をとられます。梅崎がトランジション。この時点で既にアタッキングサードです。梅崎はルックアップ。右前には関根がいてモリゲがケア。ゴール前にはペナルティエリアにムトゥが入ろうとしていて徳永がケアしています。梅崎の左に忠成がフリー。カニーニがコースを消そうとしていますけど、梅崎とは距離があります。梅崎の選択は、思い切ったショートでした。左足を振り向きます。これがゴール左隅に突き刺さりました。ゴラッソ。浦和4-1東京。

さすがに終戦を感じました。守備の足が止まっても、カウンターの威力は衰えてなかったということです。効果的に選手をリフレッシュしたミシャの作戦勝ちでしょう。

ミステルが仕上げにかかります。宇賀神に代えて和を投入します。これも青木同様の理由だと思います。

結局、ふたたび東京がリズムを取り戻すことはありませんでした。このまま試合終了。浦和4-1東京。

優勝するためならなり振り構わず、守備的といわれようがよっち頼みと言われようが、ようは勝てばいいんだと思っていたのですけど、あらためて、優勝を左右する試合では、攻撃力と個の強さが必要なんだと教えてもらったような気がします。おしむらくはよっちのコンディションですけど、今日の浦和であれば、たとえよっちがベストコンディションだったとしても、同じ戦いかたであれば結果は同じになるような気がします。もう一度、攻撃の形作りに取り組んで欲しいと思います。

試合終了直後の那須のガッツポーズが印象的でした。去年のような派手なガッツポーズではなかったですけど、守備の安定感を守り通した一番の貢献者は那須だと思います。もしかすると現役最強リベロ。那須を攻略しない限り、他チームは浦和を越えられないのかもしれません。

優勝に向けた関門シリーズは、2勝2敗で終わりました。ただ連敗です。4戦連続の失点で、しかも8失点。攻撃を強化しようとオープンになると守備の対応方法もまた変わってくると思います。個の優位性で守る基本プランは変わらないと思いますけど、バイタルエリアの対応の仕方など、しっかりと確認して欲しいと思います。

加賀さんの移籍が決まったときから楽しみにしていた日でしたので、スコッド発表からずっと脱力感を感じ、今もまだ抜けません。もう機会が無いかもしれないと思うと、ホントに寂しく、悔しいです。なんとか、なんとか、味スタでの再会を祈ります。