ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

2015J1リーグ第11節FC東京vs鹿島アントラーズ@味スタ20150510

2015-05-12 17:43:44 | サッカー

ゴールデンウイークは、来るまでは待ち遠しいですけど、始まってしまうとあっと言う間ですね。

小平にも五月の香りが届きました。

怒涛の7連戦の最終戦でございます。ここまでの成績は、5勝1敗。例年5月の連戦に苦しむ東京ですけど、今年は異変。ちょっといろいろ期待のこもった妄想をしたくなるのは気のせい?。

7連戦最終戦の相手は、鹿島。近年は味スタで勝てておらず、川崎、仙台に続き優勝に向けた関門シリーズ第3戦です。

川崎戦に続いて、ホームマッチ2試合連続ソールドアウト。42,070人の満席となりました。本当にありがとうございます!。

今週、ラサッドが新加入しました。

本日のYou’ll Never Walk Alone♪

完璧な鹿島ロジックに屈し、6試合ぶりの敗戦です。浦和戦を前に、浦和の背中がちょっと遠ざかってしまいました。

東京はカズがサスペンションです。前線は今日も模索の旅です。シフトは変わらず。GKは権田神。CBは今日のモリゲの相棒はカニーニ。SBは徳永と宏介。3CHは右から羽生、梶山、ヨネ。トップ下は今日は河野。今日の2トップはよっちと慶悟です。

鹿島は5日にACLの敗退が決まり、リーグ戦に集中できる環境になりました。とは言え優勝は難しい順位ですので、2ndステージに向けチームを上向きにしたいリスタートの大事な一戦だと思います。シフトはお馴染み4-2-3-1。布陣は現時点のベストメンバーです。GKは曽ヶ端。CBはファン・ソッコと昌子。SBは右に大伍左に脩斗。ボランチは満男と岳。メイヤは右に康左にカイオ。トップ下は土居。1トップは赤崎です。

鹿島ロジックはポゼッションを前提にしますので、鹿島が攻め東京が守る展開になると予想しましたら、まったくその通りになります。鹿島はまず、右サイドに基点を作ります。大伍を高く位置取らせ、康もライン際にはります。そこに満男を絡ませてトライアングルを作り、ショートパスを交換して大伍もしくは康を縦に走らせる意図です。鹿島は執拗にこれを繰り返します。この意図に興味がありました。結果的に起こった事象は二つ。土居と岳がほとんどボールに絡まず、消えます。もう一点は、カイオが孤立します。今日の徳永は、カイオが嫌って内に逃げるまで激しくコンタクトし、カイオを全消ししました。トニーニョ・セレーゾさんの意図はふた通りに考えられます。素直に考えると宏介の背後を狙ったのでしょう。斜めに見ると、土居、岳を東京の意識から消すこと。もしかすると両方の意図があったのかもしれません。

案の定というか、今年の東京にワンパターンなジャブはそれほど効果がありません。康を中心にパスがつながりますけど、アタッキングサードに進入できません。

10分を経過すると東京が慣れ、攻勢に転じます。この辺りで、この一年強で培った東京の守備力の向上と、鹿島の攻撃の迫力不足を実感します。少なくとも大迫がいた頃までの鹿島は、サイドのスペースいっぱいに攻撃陣が開いて、大海嘯のような迫力でダイナミックに押し込んできたのですけど、今の鹿島は、攻撃が単発になる傾向にあるようです。

さて東京は、中盤の守備のがんばりからリズムをつかみ、反撃に出ます。3CH、とくに梶山が輝いていました。梶山はあえて接近戦を挑み、中盤のヘソとして機能します。ボールを持つと奪われず、守備ではカイオ、康、土居に挑んで、粘っこいコンタクトでトランジションに何度も成功します。

加えて今日は、前線の基点が安定します。今日は慶悟がポスト役を担います。慶悟の狙いはソッコです。この時間帯は、ソッコを背負ったポストにほぼ全勝しました。

ただ、東京もなかなかペナルティエリア内で有効なアタックができません。理由は二つ。まず慶悟とフォロワーの距離感です。慶悟のポストが安定しているのに、落としたところに味方がいません。今日は河野が積極的に裏に抜けるアクションをしていてバイタルエリアにいないことが多かったのと、梶山が中盤の底で奮闘していたので高く上がれなかったことが原因でしょう。

もうひとつは、慶悟のポストの位置です。慶悟の基点は、次第にサイドに寄ります。おそらく鹿島の守備網が、外へ外へ押し出す圧力をかけていたのだと思います。

東京のアタックを凌ぐことに成功した鹿島は、ふたたび攻撃権を握り直します。30分頃、今度はバイタルエリアに土居、岳、満男、康が変わるがわる顔を出すようになります。序盤と違い、中央にパスルートを作ってからサイドに展開するパターンだと思います。これにより、それまで沈黙していた左サイドが機能しはじめ、脩斗が攻撃に参加するようになります。そしてこのパターン変更がいきなり奏功します。

34分。アタッキングサードに入ったあたりの真ん中、バイタルエリア中央で康がキープ。ゴール前は、ペナルティエリア右に赤崎、真ん中に土居、左にカイオがいます。東京はペナルティエリアに、右からヨネ、徳永、カニーニ、モリゲ、宏介が並びます。赤崎はモリゲ、土居はカニーニ、カイオはヨネがケア。右ライン際に大伍がフリー。康には羽生が寄せ、梶山がそれをバックアップしています。この時、左サイドを脩斗が上がってきます。これを見た康は脩斗にパス。この瞬間、赤崎がゴール目掛けて走り込みパスを呼び込んでいます。モリゲがケア。脩斗は赤崎にロブ気味のクロスを送ります。これはモリゲが先に触れ弾きますけど、こぼれたボールに先に反応したのは土居でした。土居が強引に、ままよどうにかなりまっしゃろと振り向きざまに右足を振り抜いたシュートは、不可抗力にタイミングが絶妙で、虚をつかれた形の権田の右手をすり抜けました。東京0-1鹿島。

シュートそのものはラックの要素が強いと思いますけど、状況に応じて対処していたチームとしてのアジャストがすぐに結果につながったことは、若い選手が多い鹿島にとって、少なくとも今日の試合のなかではとても大きな自信になったと思います。

そして、鹿島ロジックの真骨頂がここから始まります。鹿島は守備を基軸とするチームですけど、東京とはアプローチが大きく異なります。鹿島は、イニシアチブを握り続けることを最善策と考えます。つまり、ボールを持ち続けることこそ、最上の守備であるという考えかたです。これは、川崎に似ていますね。ちょうど川崎戦と同じようにビハインドされましたので、比較してみると面白いと思います。なぜ川崎戦は逆転できて鹿島戦はゴールすら許されなかったのか。

素人なので技術的なことはわかりません。印象では、川崎のポゼッションは鹿島よりリスキーだと思いました。鹿島ロジックは、実は案外シンプルです。パス&ゴーと必ずシュートで終わること。これを延々繰り返します。リードしてからの鹿島は、康とカイオが内に絞り、バイタルエリアでハブになります。ここを基点に外に大伍と脩斗、内に赤崎と岳がパスの繋ぎ手を担います。ポイントになるのは、インサイドの選手の動きです。守備陣形に対し少しだけズラしたポジショニングで、省エネなスペースメイクを繰り返します。タレントが揃っていて練度も高いチームが優雅かつスタイリッシュに見える所以は、ここにあります。

言い換えると、今日の東京最大のミスは、鹿島に華麗なダンスを躍らせてしまったことです。もしかすると、鹿島が上手いのでそれに付き合ってしまったのかもしれません。東京も同様に優雅に舞うことができる技量を持つチームですから、バイオリズムが思わずシンクロしてしまったのかもしれませんね。今の鹿島は、若いチームにありがちで、リズムを崩されると淡白になる傾向にあります。その時期から脱皮できつつある東京ですから、違いを見せて欲しかった気もします。

結果はともかく、サッカーが潜在的に持つ美を堪能していると、気付くと前半はビハインドのまま終了。

ブラックプールからそろそろお帰りとばかりに、後半頭からミステルが動きます。一気に二枚代えです。羽生に代えて秀人、河野に代えて遼一を投入します。同時にシフトを4-4-2に変更します。メイヤは右にヨネ左に慶悟。例によって、サイドアタックのチームに対してサイドで数的イコライズをするとともに、今日はバイタルエリアの基点を消す意図だと思います。

さらに工夫があります。攻撃時に梶山と秀人を縦に配置します。梶山をバイタルエリアに置くことで、前半攻撃が繋がらなかった問題に対処したのでしょう。これがはまり、東京がイニシアチブを握ります。前半はほとんど見られなかったアタッキングサードでのセットプレーが出来るようになります。

現在の好調の主要因は、権田の神化とセットプレーです。セットプレーは、かつての東京では考えられないほどバリエーションがあります。とくにモリゲを隠すスクリーンプレーが連戦中は威力を発揮しました。セットプレーの機会が増えるにつれ、同点ゴールの期待が高まります。

セレーゾさんが動きます。赤崎に代えて高崎を投入します。これは赤崎のコンディションの考慮だと思います。

さてここでセレーゾさんが、今日のポイントになる、とても興味深い選択をします。ソッコに代えて青木を投入します。ポジションは同じくCB。ソッコは、前半から宏介やよっちに狙われ危なっかしさを見せていたので、その意味では合理的かもしれないのですけど、まだ30分近い時間を残すなかで言わば守備固めを選択したことですから、選手へのメッセージを含め、リスクが無かったわけでは無いと思います。

それでも鹿島のやることは変わりません。さすがに回数は減りますけど、トランジションすると攻撃を急がず、優雅に舞います。この辺りが川崎と違うところ。選手が変わっても鹿島ロジックのクオリティを下げないでいられることは、やはりずっとイズムを守り続けてきた伝統の力でしょうか?。

鹿島の強さは、このモードでも得点出来ることです。なにしろシュートアテンプトに持ってきますから、相手が前荷重になるとゴールの機会も訪れます。昨年までの東京は、鹿島のこれにやられてきました。その意味では、地味ながらも鹿島に追加点を許さなかったことは、東京がクラブの自力という意味で鹿島と対等に闘えるレベルまで来たことを表しているんじゃないかなと思います。

さらにセレーゾさんが動きます。今度は明確に守りきるメッセージです。土居に代えて植田を右CBに投入します。青木をボランチ、岳をトップ下にそれぞれスライドさせます。岳が上下動する中盤のリスクヘッジでしょう。ただ、セレーゾさんは分かっていたと思いますけど、鹿島の攻撃機会はこれで減少します。

ミステルのほうも興味深いカードを切ります。梶山に代えてたまを右メイヤに投入します。ヨネがボランチに入ります。

後半から梶山がトップ下に位置し、パスが回るようになりました。梶山を下げるということは、自らスムーズな流れを断ち切ることを意味します。流れは良くてもペナルティエリアに入れていたわけではないので、より直線的なアタックを志向したのでしょう。これが機能し、東京がアタッキングサード深くに進入します。シュートアテンプトへの期待だけでなく、よりゴールに近い位置でのセットプレーの機会が増えます。鹿島はついに引きこもります。

4万大観衆は、祈るほどの願いを宏介の左足に込めましたけど、ゴールは遠かったです。

3試合続けて終盤の熱狂を見ました。このまま試合終了。東京0-1鹿島。

例年、東京戦でリズムをつかむ鹿島です。今年も上昇のきっかけを掴んだ気がします。ACLもなくなったことだし、1stはともかく2ndは脅威になりそうですね。

浦和もユアスタで打ち合いの末勝ち点1に留まりましたので、かえすがえすも悔やまれる敗戦です。イーブンな状況で天王山を迎えたかったのですけど、浦和の背中が少し遠ざかりました。でもまだ、次節を入れて6試合残ってますから、とにもかくにも浦和に勝って逆襲の状況を作ることが先決です。

という東京サポ真実一路な一面のほかに、自分にはもうひとつの特別な時間となる、次節浦和戦です。フットボールの神様がもしもお許しになるなら、どうか加賀さんと東京の再開の機会をお与えください。