ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

2013ヤマザキナビスコカップBグループ第2節鹿島アントラーズvsFC東京@カシマ20130323

2013-03-24 14:33:16 | サッカー

ことしの桜は一体感がないですねw。東京も、ところにより咲き加減にばらつきがあります。都心は満開のところもあるようですけど、ここ小金井はまだ五分咲きです。春はこれから。

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季節をちょっと遡って、早春を探しに常陸の国に行ってきました。昨年寄らなかった鹿島城です。鹿島城址は桜の木がいっぱいです。かしま桜まつりは25日から。もっともまだチラホラ咲きですけど。

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鹿島城からの神宮橋方面の見晴らしです。

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鹿島神宮に参拝。来年は十二年に一度の大きな祭礼があるそうです。鳥居は今年完成予定。

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ナビスコカップの鹿島戦です。ここ鹿島では、昨年1-5のゴレアーダをくらいました。それ以来のカシマですから、今日の目的はリベンジ!。

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勝ちました。しかもゴレアーダ。見事にリベンジを果たし鹿島立ちしました。

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今日の東京は、中軸に若手を据えたスコッドです。野澤がボランチに入り、Jデビューです。秀人の役回りを担います。ずっと慶悟がスタメンだったトップ下に河野が入ります。丸山が左SB。忠成が今日もスタメンに名を連ね、左のハーフです。やり方はメンバー変更があっても変わりません。

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鹿島も若手主体です。ダヴィ、大迫、大悟を除くオプションメンバーが、アピールのチャンスを貰いました。今年のレギュレーションをわかってないのですけど、リーグカップはそういう位置付けにしたのでしょうか?。サテライトリーグを作るより現実的かもしれませんね。良いことなのではないでしょうか。

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鹿島もスタートスコッドが変わってもとても鹿島らしいサッカーでした。鹿島の凄さは、同じサッカーを長年継続していることです。プリンシプルがしっかりしているクラブは、永続できると思います。チームもサポーターも、クラブかくあるべしという基準ができることで意思を統一できますから。迷った時の帰るべき場所にもなります。鹿島が20年かけて築いてきた財産ですね。羨ましいです。東京にはまだ、明確に東京っぽさというものがないですから。

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鹿島のサッカーの特長は主に攻撃面で三つあります。試合をオーガナイズするアンカーの存在、サイドアタック、それに手数をかけないクイックなアタックです。普段満男が担っているオーガナイザーは、今日は本拓の仕事。攻撃は基本的に本拓を経由します。本拓はアンカーの位置を左右に20m間隔で横移動し、パスルートの基点になります。本拓の選択肢は3つ。ファーストチョイスはトップへのグランダーの縦パス。無理なら寄っているサイドのSBを上がらせてスルー。第三の選択は逆サイドのSBへのフィードです。本拓がボールを捌けるか否かが、今日の鹿島のバロメーターになりました。

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大悟はともかく、鹿島サポは前野に注目していたと思います。新井場が抜けた穴を現状では浩二が埋めていますけど、本職ではないです。鹿島の攻撃はサイドアタックが基本線ですから、前野が使えるようになると選手選択に幅が拡がります。

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前半は完全に鹿島のリズムでした。要因は東京にあります。今シーズンの東京は、前線が連動して動くことでペースを掴み、イニシアチブを握ります。前半の東京は、生命線である連動がほとんどありません。あとで述べますけど、連携が発動するきっかけがなかったのです。このためパスが鹿島のコレクティブな守備網の餌食になります。鹿島はそれほどフォアチェックをしてきません。

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しっかりと守備網を形成します。ですから東京はボールを持てますし、高く押し上げることもできます。でも、そこはもう鹿島の網が張り巡らされています。鹿島はターンオーバーすると前線が一気にあがります。いったん本拓にボールを預け、SBがあがる時間を作ります。ルックアップした本拓が、攻撃ルートを決めます。基本戦はサイドアタック。本拓からサイドのプレイヤー(康、充孝、大悟、前野)に出ると、手数をかけず二人ないし一人で突破を図ります。

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この時のアタッカーの動きが秀逸です。大迫とダヴィはクロスオーバーします。大迫は相手CBの前を横切りながら視界から消え、CBとSBの間に顔を出します。いっぽうダヴィはパワーとスピードを活かし、意図的に相手エースCBとコンタクトすることを選択します。モリゲがダヴィとの競りに負け、シュートに持っていかれる危険なシーンが何度かありました。モリゲがやられると東京守備陣の精神的ショックは計り知れませんから。

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そして鹿島に先制を許します。前半28分。大迫がダヴィに送ったスルーパスを丸山がカット。そのままドリブルであがりますけど、大迫のタックルで自陣でターンオーバーされます。このボールがダヴィに渡ります。大迫はダヴィの脇を抜けてゴール前に。ダヴィはちょっと貯めてから大迫に渡します。大迫は角度のないところからゴールに突き刺しました。ゴラッソ。東京0-1鹿島。

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これでいっそう東京は戦いかたが難しくなりました。鹿島がコンサバティブになりますから、手詰まり感が増します。状況を打開するのはセットプレーかなと思っていたら、そのセットプレーがきました。

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前半アディショナルタイム。FKをアーリアがファーサイドに合せます。植田が頭でクリアしたボールが徳永の前に。徳永がフリーで蹴ったシュートを千真がコースを変えました。狙ってやったんだとしたら、すごい反射神経です。ある意味ゴラッソ。東京1-1鹿島。

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完全にやられていた前半のうちに追いつけたのは、ホントに大きかったです。このまま前半終了。

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ポポさん、トニーニョ・セレーゾさんとも動きました。東京は河野に代えて慶悟を投入。鹿島は大迫を下げ野沢を入れます。この交代が明暗を明確にわけました。前半の東京では、とくに丸山の消極性が目につきました。試合中にもポポさんとルーカスから再三指摘されていたようですけど、丸山はせっかくボールを貰ってもほとんどモリゲに戻してしまいます。あるいは戻してもいいのですけど、それから一気に縦にフリーランニングしないと状況は打開できませんし、宏介を越えることはできません。手を入れるとするとそこかなあと思っていたら、河野でした。

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連動性の欠如はきっかけが無かったことが原因と先に述べましたけど、そのきっかけがトップ下なんです。今年の東京は、ターンオーバーするとまずトップ下が左右どちらかのサイドに流れ、縦をつきます。これがきっかけ、あるいは合図になりトップと両ハーフが連動します。さらにボランチとSBがこの動きに加わり、ダイナミズムが生まれるのです。河野はボールを持ってからのプレーに特長がありますから、いわゆる無駄走りを求められる、きっかけ作りを担う選手ではありません。むしろフィニッシャーです。どちらかというと、トップで使ったほうが今の東京では活きると思います。丸山が消極的だったのは、積極性を引き出してくれる状況を前線の選手が作ってくれなかったためです。

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慶悟の投入は、そういうことだと思います。まずポポさんは、鹿島の両SB、とくに前野の裏を狙いました。慶悟が執拗に前野の背後を目掛けフリーランニングを繰り返します。鹿島のサイドアタックを封じる意図がまずあったと思います。さらにこれが東京の攻撃の方向性、つまりきっかけを作ります。つまり一粒で二度美味しい作戦。これがホントにぴったりはまりました。厳しい言い方になりますけど、現状の前野ではそれでも慶悟を押し返すだけの推進力が無いということでもあります。どのチームも優秀なサイドアタッカーを求めるのは、そういう理由ですね。

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いっぽう鹿島が大迫を下げたことは、攻撃の幅を狭めることになりました。大迫は執拗な動き直しで東京CBを苦しめます。野沢は攻撃のエースなんですけど、攻撃を組み立てる選手であって状況を作る選手ではありません。この交代はゲームプランだと思いますから仕方ないでしょう。今年の鹿島はアタッカーの枚数が不足しています。いいチームだと思うのですけど、この課題が足をひっぱるような気がします。

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というわけで、後半はガラッと一転して一気に東京のリズムになります。後半12分。加賀からのビルドアップで攻撃が始まります。加賀は徳永に出します。徳永は前方の慶悟にパス。慶悟はワンタッチで寄ってきた忠成に。これで鹿島守備陣にギャップができます。忠成をマークしていた植田があがります。アーリアがフォローするのに梅鉢もついていきます。これでバイタルエリアにぽっかりスペースができました。忠成もワンタッチで慶悟に戻します。慶悟はバイタルエリアに進出。本拓が一人戻りましたけど、あまりにもスペースがあり過ぎました。千真が昌子をひっぱります。慶悟はドリブルインしながら時間を作ります。ここで大悟のマークを受けていたルーカスが一気にゴール前に。大悟を振り切りながら慶悟からのパスを受けたルーカスがゴールに流し込みました。とても東京らしい美しいゴールです。東京2-1鹿島。

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さあ、東京祭りの開演です。東京伝統のエル・チクロン、わけわかんない状況に鹿島をひっぱりこみます。加速するように野澤をアタッカーのたまに代えます。アーリアをアンカーに一人残し、たまも前線に積極的に参加します。鹿島は梅鉢を柴崎に、充孝を土居に代えチームを落ち着かせようとしますけど、こうなったもう東京は止められません。

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そして、ついにあの男がゴールします。後半32分。バイタルエリアで千真がボールを持ち溜めます。これで足を痛めた丸山に代わって直前に入っていた宏介が上がる時間を作ります。宏介はルックアップしてアーリークロス。ゴール前に侵出していた忠成が柴崎を左右にゆさぶって振り切り、ダイビングヘッドで併せます。忠成はチャントに併せてゴンさんのようなダンスをしてくれました。名実ともにお帰り忠成。東京3-1鹿島。

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直後に鹿島も一矢酬います。後半33分。センターライン付近で縦にパスを交換し、リズムを作ります。右サイドの大悟がボールを持つと野沢が前方に流れます。野沢は中央のダヴィに戻します。ダヴィはトラップして反転しながらシュート。ワンタッチを基軸とする鹿島らしい攻撃でした。東京3-2鹿島。

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しかしいったんエル・チクロンモードに入った東京は意に介しません。後半36分。鹿島陣バイタルエリアで忠成が競り合ったボールが慶悟の前にこぼれます。慶悟は真ん中にいた千真にポスト。千真は上がってきた忠成に丁寧に落とします。忠成はワンタッチで中央に折り返し。これを最後は慶悟がダイレクトボレーで併せました。ちょっと懐深く入り過ぎたクロスを上手くてなずけました。ゴラッソ。東京4-2鹿島。

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このゴールで鹿島の息の根をとめ、そのまま試合終了。東京4-2鹿島。

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忠成がカズダンスでシュワ~をしてくれました。

昨年のリベンジを見事果たしました。ゴール裏もひさしぶりのお祭りムードに湧きました。前後半がドラスティックに変わる試合は滅多に観れません。ゴレアーダと逆転勝利だけじゃなく、その意味でも興味深い試合でした。しかも、両監督の意図が、スタンドから見ていてもよくわかりましたから、尚更おもしろかったです。

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野澤は視野の広さを垣間見せてくれました。前半攻撃が停滞するなかでも、状況を打開する縦へのチャレンジがありましたし、シュートも撃ちました。途中から大迫が野澤を狙っていました。これもある意味敬意の現れです。クオリティの高さは感じられるし、通用することもわかりましたら、ますます頑張ってほしいです。

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一敗一分と、開幕の勢いをはやくも削がれた感があったなかでの勝利で、溜飲がさがった想いです。次ぎはリーグで全勝中の好調マリノスです。これまた昨年アウェイで苦渋を舐めた相手ですから、連続リベンジといきたいですね。

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