ぽちごや

FC東京のディケイドSOCIOです。今シーズンは丹羽ちゃんとともに闘います。

愛の勝利を ムッソリーニを愛した女

2011-06-02 23:31:01 | 映画

愛の勝利を ムッソリーニの愛した女をみました。@シネマート新宿。みひろの映画以来ですね。ほぼ男オンリーのあの時と違って、年齢層、高っ。

ちょっと、観客の期待を裏切ったのではないかと思います。

かなーり難かしい映画でした。いや、イタリアのひとには割とある演出なのかもしれませんね。われわれ日本人には、ちょっと濃いかなーw

とはいえ、相当おもしろい作品ですよ。とくに後半は圧倒され続けます。

オペラのような作品です。登場人物が全員激情派のようにオーバー気味の演技ですし、それぞれのシーンが舞台の一幕のようにアーティスティックなんです。綺麗というより、おもーい芸術。音楽も叙情的ですし。濃い演出の作品だなーと思うわけはこの辺りにあるのかもしれないですね。
案外とボクらは第二次大戦時のイタリアを知らないですよね。ヒトラー・ドイツのことはわりと知ってますけど。だから前半1時間は、歴史を知らない故にちょっと展開について行けないところがあります。イタリア人なら当然知ってることだから、端折ってあったのかもしれません。なんでイーダがムッソリーニに疎まれたのか、よくわかんなかった。でも、そんなことなんかどうでもいいと思うくらい、後半の展開はめちゃくちゃスリリングでした!

ムッソリーニ政権にとっては、愛人と隠し子の存在を秘密にしたいところ。だからイーダは息子のベニートとも引き離され、精神病院に幽閉されます。不屈のイーダは、自分の地位を認めてもらいたい、そして子供に会いたい一心で、たった一人でムッソリーニ政権を相手に闘争します。イーダ、かっこいいです。

主演はジョヴァンナ・メッツォジョルノ。とにかくかっこいいんですよ。意思を貫くんだという、キリッとした胆のすわった表情が、U2のボーノを彷彿とします。
イーダが妹の家でふたたび捕らえられるシーンが感動です。村人が総出で警察を囲み、もう許してやれとイーダを守ろうとします。イタリアの庶民の愛を感じます。
ラストは衝撃的です。和名のタイトルが「愛の勝利」ではなく「愛の勝利”を”」になっている理由がなんとなく実感できます。

ドラマチックなおもしろい作品ですが、オススメできるひとは限られるかもしれないですね。イタリア映画をよく観るひとか、小劇場でやるシリアスな作品を見慣れてるひとにはぜひ観ていただきたいです。