ASEAN外相会議 米の中国対応に注目
NHK NEWSWEB 8月4日 6時03分
ASEANの一連の外相会議は、4日からマレーシアの首都、クアラルンプールで始まり、ことしに入って南シナ海の南沙(スプラトリー)諸島で確認された、中国による7か所の浅瀬の埋め立てについて、対応が協議されます。
このうち、初日の4日はASEAN各国の外相による協議が行われ、中国と対立するフィリピンが共同声明の中に埋め立てを非難する内容を盛り込むことを目指していますが、中国に配慮する国の反対もあり、調整が難航することも予想されます。
また、一連の会議にはアメリカのケリー国務長官や中国の王毅外相も加わり、この問題で対立する米中がそれぞれの立場を主張する見通しです。
南シナ海での中国による大規模な浅瀬の埋め立てについて、アメリカは軍事拠点の整備が目的だとみて危機感を強めており、中国の対応を厳しく批判してきました。
ただ、ASEANの中には、この地域で米中の対立が先鋭化することを望まない国もあり、来月、中国の習主席を国賓として招待するアメリカが、関係各国が集まる今回の会議で中国に対して厳しい姿勢をとり続けるのか、対応が注目されます。
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中国外相 議論の焦点になるのを警戒
3日夜、会議に出席するためマレーシアの空港に到着した中国の王毅外相は、NHKなどの取材に応じ、「多くの国が参加する会議は、南シナ海のような具体的な問題を話し会う場としてふさわしくない」と述べました。
そして、王外相は「われわれはオープンな態度でいたいが、議論は建設的なものでなければならない。わざとあおったり、一部の国に恥をかかせるのであれば、そうしたやり方は賛成しないし、受け入れない」と述べ、中国による大規模な浅瀬の埋め立てが議論の焦点になることに警戒感を示しました。
中国政府はこれまでも、「南シナ海の問題は中国とASEANの間の事柄ではない」として、あくまでも当事国どうしの問題として扱うべきだという立場を強調しています。
マレーシア元高官 米中の対立を懸念
ASEAN=東南アジア諸国連合の外相会議で議長国を務めるマレーシアのラスタム元外務次官は、NHKとのインタビューで、南シナ海での中国による浅瀬の埋め立てで地域の緊張が高まっていることについて「南シナ海は世界のあらゆる国にとって、貿易や人の往来などで、戦略上重要な場所だ。緊張や対立を作り出してはならない」と述べて、問題の平和的な解決を求めました。
そのうえで、アメリカが監視活動を強化するなど、中国に対する警戒を強めていることについて、「アメリカがこの問題をさらに複雑にするようなことがあってはならない。アメリカと中国との間で対立が深まれば、東南アジア諸国に経済面などで悪影響が及ぶ」と述べて、米中が東南アジアを舞台に対立を深めることに懸念を示しました。
NHK NEWSWEB 8月4日 6時03分
ASEANの一連の外相会議は、4日からマレーシアの首都、クアラルンプールで始まり、ことしに入って南シナ海の南沙(スプラトリー)諸島で確認された、中国による7か所の浅瀬の埋め立てについて、対応が協議されます。
このうち、初日の4日はASEAN各国の外相による協議が行われ、中国と対立するフィリピンが共同声明の中に埋め立てを非難する内容を盛り込むことを目指していますが、中国に配慮する国の反対もあり、調整が難航することも予想されます。
また、一連の会議にはアメリカのケリー国務長官や中国の王毅外相も加わり、この問題で対立する米中がそれぞれの立場を主張する見通しです。
南シナ海での中国による大規模な浅瀬の埋め立てについて、アメリカは軍事拠点の整備が目的だとみて危機感を強めており、中国の対応を厳しく批判してきました。
ただ、ASEANの中には、この地域で米中の対立が先鋭化することを望まない国もあり、来月、中国の習主席を国賓として招待するアメリカが、関係各国が集まる今回の会議で中国に対して厳しい姿勢をとり続けるのか、対応が注目されます。
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中国外相 議論の焦点になるのを警戒
3日夜、会議に出席するためマレーシアの空港に到着した中国の王毅外相は、NHKなどの取材に応じ、「多くの国が参加する会議は、南シナ海のような具体的な問題を話し会う場としてふさわしくない」と述べました。
そして、王外相は「われわれはオープンな態度でいたいが、議論は建設的なものでなければならない。わざとあおったり、一部の国に恥をかかせるのであれば、そうしたやり方は賛成しないし、受け入れない」と述べ、中国による大規模な浅瀬の埋め立てが議論の焦点になることに警戒感を示しました。
中国政府はこれまでも、「南シナ海の問題は中国とASEANの間の事柄ではない」として、あくまでも当事国どうしの問題として扱うべきだという立場を強調しています。
マレーシア元高官 米中の対立を懸念
ASEAN=東南アジア諸国連合の外相会議で議長国を務めるマレーシアのラスタム元外務次官は、NHKとのインタビューで、南シナ海での中国による浅瀬の埋め立てで地域の緊張が高まっていることについて「南シナ海は世界のあらゆる国にとって、貿易や人の往来などで、戦略上重要な場所だ。緊張や対立を作り出してはならない」と述べて、問題の平和的な解決を求めました。
そのうえで、アメリカが監視活動を強化するなど、中国に対する警戒を強めていることについて、「アメリカがこの問題をさらに複雑にするようなことがあってはならない。アメリカと中国との間で対立が深まれば、東南アジア諸国に経済面などで悪影響が及ぶ」と述べて、米中が東南アジアを舞台に対立を深めることに懸念を示しました。