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ワシントン、ソウルのプルトニウム濃縮を許さず  (The Voice of Russia)

2014年03月04日 | 東アジアニュース
ワシントン、ソウルのプルトニウム濃縮を許さず (抜粋記事)
The Voice of Russia 特集: 私見アンドレイ・ラニコフ3.03.2014, 17:05


 前文省略

韓国の原発建設を補助した米国には、2つの課題があった。ワシントンは、韓国が有用資源の少ない小さな国であり、核エネルギーなしに効果的に発展することは困難であると理解していた。韓国を発展させることは、70年代当時、米国の国益に直結する課題であった。米国はソウルの原発建設を支持した。

しかし多面、米国は真剣に、ソウルの「核の野心」を危惧していた。ワシントンは、韓国の原子力研究者・技師が、核の平和利用の傘に隠れて、独自の核爆弾を持とうとしているのではないか、と恐れていた。米国は核の不拡散という問題を深刻に憂慮しており、第3国への核爆弾の移転は望まなかった。それが米国の親しい同盟国であったとしてもだ。いま我々は知っている、米国の危惧には根拠があったと。70年代、韓国政府は、事実、核兵器の製造に本気で取り組んでいたのであった。

こうした状況のなか、米国は、改定合意に核燃料の加工の禁止条項を盛り込むことを求めていた。核爆弾の主な原料であるプルトニウムは天然の状態では存在しない。しかし原子炉の使用済み核燃料からは加工して作ることが出来る。1974年合意では、韓国が核燃料を加工することは一義的に禁止された。

この合意は韓国側にとって小さくない不都合をもたらした。最も重大なのは、核燃料の保管庫が不足したことだ。そのことから、韓国はすでに長年、米国に対し、核燃料の加工の許可を求めていた。しかし米国は、このアプローチに、警戒感をもって接している。ワシントンは、時間の経過とともに、ソウルが70年代末のプログラムに回帰し、軍事用の各プログラムを再開するのではないか、と危惧しているのだ。

なるほど、心配する根拠は一応ある、と認めねばならない。北朝鮮の核の野心に挑発されて、東アジアで核開発競争が進む、との危惧が発言されたことは一度ではない。それはまだ起こっていないが、将来も起こらない保障はない。大方、競争への最初の参加者は日本。日本が参加すれば、韓国の参加は不可避であろう

先日米国とベトナムが結んだ核エネルギーに関する合意では、核燃料の加工の禁止、ないしウラン増殖を禁止する条項は盛り込まれなかった。韓国はこれにいささか膨れ面である。韓国差別ではないか、というわけだ。しかし、韓国に慎重にアプローチすることには、米国なりの視点があるのだ。米国の見るところ、北朝鮮の核開発は東アジアに特殊な状況を作り出している。この状況の中で、韓国はすでに過去に一度、核兵器開発に取り組んだことがある。極めつけに、世論調査によれば、韓国市民は核保有国となることに肯定的であるというのだ。こうした状況では、米国の危惧も理解可能だ

それでも2016年、妥協によって、延長合意は得られるだろう。米韓双方にとって、合意はあまりに重要だからである


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