音楽にこんがらがって

音楽制作を生業としている加茂啓太郎の日常

カンパニュラの憂鬱について

2014年08月07日 | 音楽
カンパニュラの憂鬱/寺嶋由芙 セカンド・シングル発売になりました。

原盤ディレクターとしてどういう作品を作りたかったか書こうと思います。

#ゆーふらいとはファンが「ゆっふいーは本当はこういう歌が歌いたかったんだよね(泣)」と思ってくれる曲作りをしました

でも、アイドルでもアーティストでも「予想は裏切り期待に答える」というのが作品作りの基本だと思うんです。

いくら現場で盛り上がれば良いからといってBメロでPPH サビでオウオウとコール出来るような事だけを目指しても「アイドル・ソング」の音楽的クオリティーを
上げたり新しいトライは出来ないです。

女性アイドルが今、何故面白いかというと楽曲が面白いからなんです、なのでありきたりな曲作ってもしようがないですよ


なので、誰もこういうタイプは無いだろうという思いつかない曲として、ラテン歌謡が良いんじゃないかと思いついた訳です。

ぶっちゃけて言えばモチーフはユーミンの「真夏の夜の夢」バリー・バニロウの「コパカバーナ」です。

rionosという作家は楽曲のスタイルを構造として理解する事が出来るので、第一校からかなりの物が出来て来ました。

でもセンスの良いコンポーザーほどサビへのカタルシスへ思い切りの良いジャンプをしてくれないんです。

サビへのカタルシスというのはJ-POPについて最も必要な要素なのですが、これはダサくなるのと裏腹。

なぜなら洋楽ではこの要素はほとんどなく、日本人が憧れ、お手本にしてきた「洋楽」とは乖離してしまうんです。

何回かのやりとりとサビ前のキメを入れる事でありきたりなアイドル・ソングになる事を回避しつつ、
2014年にあるべきEDM風味も入れつつなラテン歌謡も目指しました。

でも打ち込みのオケが80%出来た段階で何かが足りない気がしました。そう生のグルーブですね。

それは「正確に毎回ずれる事が出来る」という事が出来るという事なんです。

なのでベースにShiggy.Jrの夏彦のプレイに差し替える事でトラックはより、ふくよかになりました。

歌詞はトマパイの歌詞も好きだったジェーン・スーさん

男子なら経験あるかもしれませんが「えっ、私、あなたの彼女じゃないし」と言われる感じがテーマです。

由芙ちゃんは清純派キャラですが、色んなキャラがレイヤーになっていた方が男子は、その意外性に引き込まれますよね。

それは「こんな娘がこんな事を!!に男はハマる」理論なんですが、皆さんいかがでしょうか

歌入れは藤沢のスタジオで最初は狭いボーカル・ブースでやったんですが、せっかくだから広いとこでやろうとセッテイングしなおしたら開放感がある良い感じの
テイクになりました。

ミックスはイニックスタジオの中瀬君なんですが4回はやり直しましたが、アナログライクでファットな良い感じになりました

マスタリングは水晶を諸々のマシンの上に置いたり、60年代の有害物質の入ったハンダでつないでケーブルを使う匠。
藤野さん。どこのスタジオでもバイブスが合わず遠藤賢司さんが信頼を寄せる人なんですね。

一生懸命作りました。そしてこういう努力がアイドルとか関係なく、良い音楽を作る僕の役目だとは思ってますので宜しくお願いします


カップリングもこだわりました。DVDのコスプレ踊ってみたも最高です
カンパニュラの憂鬱(初回限定盤B)(DVD付)
寺嶋由芙,ジェーン・スー,岡村靖幸,ゆり花,rionos
AVOCADO Records