音楽にこんがらがって

音楽制作を生業としている加茂啓太郎の日常

箭内道彦さんと仕事して

2010年10月23日 | オーディション
EMI創立50周年記念のオーディションをやったらどうだという話になり、何か面白い事が出来ないかなぁと今年の春ごろに、ぼんやり考えていたら「箭内道彦さんと何かやれれば面白いかも」と閃きました。

僕が箭内さんの評価は全く駄目か、最高かどっちかな感じでした。
サンボマスターの安めぐみが出てくるMVとか、これは無しだろう、と思いました。

長澤まさみが主演する不二子藤雄の「未来カメラ」の実写版を見て、この演出は天才過ぎる(必見、まさに目から鱗)と思いました。

フリペの「風とロック」も毎号チェックしてますが、すごいと思う号もありますが、なんだかなぁ?と思う号もありました。でも僕はホームランか三振なのが本当の天才と思ってます。

ただ、この人は音楽が本当に好きなんだろうというのはいつも伝わってきました。

音楽でも駄作があるのが本当の天才(二ール・ヤング、細野晴臣とか)だと思っているので、ずっと気になっていて、いつかお会いできるだろうと思ってました。

睡眠時間2時間半日本で一番忙しい男と言われるだけあって、最初は仙台のアラバキ・ロック・フェスに行っているので、そこで会いましょうと言われて、行く準備を全部整えたら、都内で時間が取れたので事務所に来てくださいとの事。
オーディションの大体の趣旨を説明した後に箭内さんから「無茶振り出来る関係が良い関係だと思うので無茶振りして下さいね」の一言。ちょつとくらっとしました。

アラバキフェスではお互い酔っ払ってた感じで交歓。

デザインが上がってきた時、特にコピーのお願いはしてなかったのですが「轍を行くな、轍を作れ」の一文。これもまさに全てのアーティストが肝に据える名言。

公開デモ評議委員会での珠玉の一言は「僕も同じ意味で逆の事言いますけど」これは煙に巻く的なニュアンスのありますが何かの本質がありますね。

そしてREVOLUTION ROCKのファイナル・ライブ審査で迷いに迷った発表の前に「基準を変えれば皆、優勝です」と一言。

箭内さんて実はクリエイティブ・ディレクターとかではなく言葉の天才かもと思いました。

そんな言葉がこの本には沢山つまっています。
色んなヒントがつまっています。読んで欲しいです

871569
箭内 道彦
講談社