2年前のDALF-C1の試験の後、疲れ切ったこの頭を癒してくれたのがモーツアルトのバイオリン協奏曲であった。それ以来、しばしばすべてをまとめて聴くということが多く、最近もその例外ではない。昨夜から今日にかけて、衛星放送で
アンネ・ゾフィー・ムター (Anne-Sophie Mutter) がその全曲を指揮をしながら演奏しているのを偶然にも聴くことができた。
デビューした当時からカラヤンのお気に入りだったと記憶しているが、今では立派な演奏家になっている。今回の映像にはカラヤン張りの演出も感じられる。今調べて見ると、もうすぐ44歳。2度目の結婚を2002年に
アンドレ・プレビン (André Previn) としていたとは知らなかった。昨年、離婚している。インタビュー映像も出ていたが、話し振りは切れがよく、聞いていて気持ちがよい。少し大きなところから音楽を見てみたくなったのだろうか、最近指揮の勉強も始めたようで、音楽に対する理解が益々深まってきたと言っている。
モーツアルトの音楽は 「雲間から差し込む陽の光」 のようで、時を刻むほどにその味わいが増してくるという。それから面白いことを言っていた。モーツアルトの音楽は俳句のようなものだという。文体が簡潔で行間を読むのに多くの才能を要する。また彼の音楽は静寂に始まり静寂に終る特徴があるとのこと。「美」 と 「静寂」 がキーワード。
存分に楽しませていただいた。