二次元が好きだ!!

SSなどの二次創作作品の連載、気に入ったSSの紹介をします。
現在ストパン憑依物「ヴァルハラの乙女」を連載中。

最前線 (ヴァルハラの乙女たち)

2011-04-08 21:04:19 | 習作SS

視点:バルクホルン


1944年、夏
本日晴天なれども波高し。

今は概要しか覚えていないアニメ版では2期にて料理長と化した主人公、
宮藤がこの基地に来てから僅か一日にしてネウロイが襲撃、これをリネット・ビショップと共同で撃破するはずだったと思う。

が、どうも来ない。私の思い違いなのだろうか?
だとしたら一分一秒でも休めることは万々歳でむしろ一生来なくてもいいと思う。
こっちから攻め込むのを除いて。

話が逸れた。
む、おいそこ

「そこ!走れ走れ!私のペース以下ならもう一周だ!」
「「は、はい」」

だがここは戦地、所属する組織はローティーンの女の子だらけでも軍隊という暴力装置。
現在太陽の熱をたっぷり直に反射してくる滑走路で楽しい楽しいランニングを行っている。

魔法を操る魔女が体力増強訓練をする。
一見意味のないように見えるが実の所精神力と体力はかなり関係している。

体力があれば戦闘時のスタミナがあり、戦意が長く続く。
戦意、すなわち魔法の源とも言える精神そのものでこうした訓練は理論上合っている。

まあ、蛇足ながら魔法自体現在でも正確には分らない所だらけで、
あの現在私の上官の熱血サムライが抱く根性論でも通用してしまう場合があるが。

「ひゃん!!」

ビショップがこけたか、
何時もの私なら優しく手を差し出すが生憎今は鬼軍曹ならぬ‘鬼大尉”だ。
恨みたければ恨めばいいさ。

「さあ、立て!立つんだ!ビショップ軍曹!
 この程度で根を上げてネウロイが許しても私が許さん!走れ!走れー!!」

「ひゃ、ひゃい・・・。」

腕を掴み無理やり立たせる。
口から出る言葉は息も絶えだえで、呂律が回らない。
合わさった視線、彼女の眼は「この鬼が、」とかなり恨みがこもった眼で訴えている。
懐かしい、自分の生徒時代もきっとこんな感じであったのだろう。

ああ、くそ。
にしても暑い、暑すぎるぞ今日は。
魔法繊維でできた制服は、汗を発汗させるというが背中に張り付いて気持ちが悪い。
パン・・ズボンはスパッツを履いているからこちらも少々蒸れて変な気分だ。
パンツじゃなくても恥ずかしいものは恥ずかしいのでこうしてるが・・・いっそ原作通りパンモロの方がいいか?
そっちの方がスースーして涼しそうだしな。

「ぶ―――。」

前言撤回。
ビショップが転んだせいで汗を吸ったズボンが肌に張り付きエライことになっとる。
後ろから見ると、うっすら白人系の健康そうな十代半ばの乙女の肌が見える。
・・・見てないフリをしておこう、指摘するとかえって注目を浴びる。

「さあ、ラストだラスト!もう一息だぞ!!」



※ ※ ※



視点:エイラ


少々暑いが、いい天気だ。
故郷ならこんなに晴れた日はめったにないからいいものだ。

エイラ・イルマタ・ユーティライネンは滑走路の脇に座り込みそう思った。
彼女の故郷、スオムスは北極圏に近く、こうした太陽の恵みは他国の人間以上にありがたみを感じている。

「ア~~~。」

だらしなく青空に口を開けて声を出す。
顔が上に向いたから自慢の長い銀髪が泳ぎ、風に揺られ太陽の光に反射する。
『黙っていれば』美人と、どこぞの大尉が評したが今の彼女はそれ以上に美しく見え、一枚の絵となっていた。

が、エイラは思う、暇だ。
この時間帯の予定は戦闘待機だから部屋に戻ることもできない。
などなどと酷く現実的な問題に思考を働かせ、ただぼんやりとしているだけであった。

「・・・!!!・・・!!?」

目線を滑走路の先の方に動かす。
今日の教官は坂本少佐でなくカールスラントの大尉の方のようでヒヨッ子たちはコッテリ絞られている。
あの大尉は少佐といいずいぶん張り切っていると見える、掛け声が僅かながらここまで聞こえる。

「張り切りすぎなんだよな~。もうちょっとゆっくりすればいいの。」

常にマイペースなスオムスのエースは呟く、
通常新兵を使い物にするには最低3カ月は掛ると言われている。
対して宮藤芳佳やリネット・ビショップが受ける訓練は明らかにすぐにでも実戦に出す勢いだ。

まあ、ここは最前線、一刻も早く一人前にしなければ即座に
ヴァルハラへと昇天することになってしまうからしょうがないかもしれない。

「・・・・・・。」

することもなく、ぼうっと訓練の様子を観察する。
周回が終わりそうで白いセーラー服、サマーセーター、そして灰色の制服がこちらへ接近する。
ふと、もし彼女たちがサーニャの立ち位置だったらどうなのかエイラは考えた。

最初に新入り、宮藤。
サーニャとまた違う形で小さくまとまっている。
ただ、まだあまり話したことがないからサーニャとの立ち位置を変換するにどうも想像しにくい。
よくわからない、なんだか趣味で話が合いそうなシンパシーを感じはするが。

次にリーネ。
歳の割に素晴らしいボディ、そして弄りの対象として最高だが、
彼女をサーニャの立ち位置には変換しても違和感が残る、うん、ムリダナ。
けど、姉貴分として世話を見るのも悪くないかなとエイラは思った。

最後に大尉。
上官、ということもありそんな守られる立場にいるのが全く想像できない。
しかも年上で、ましてや顔を赤らめて「エイラ・・・」なんて甘えるシーンなんて起こり得ない。
あっちは容赦なく弄ってくるわ自分を妹みたいに扱って来るし。

「・・・うん、やっぱムリダナ。」

結局サーニャ以外サーニャとなり得ないわけだ。

「何が、だ?」
「おわ!お、終わったのかよ!」

上から覗くバルクホルンにエイラが驚く。
思考の海にせいで彼女たちの訓練が終わったことに気づいていなかったらしい。
首を傾げる上官をよそにへたれな北欧少女は無駄に心臓を鼓動させる。

「大方サーニャ―サーニャ―と、
 にゃーにゃーと考えていたのだろ、このヘタレ百合が。」

「何だよ!猫かよわたしは!ヘタレってなんだよ!!」

「安心しろ、皆知っている。
 おまえがサーニャが大好きで、百合なのは承知しているからさっさと告白しろ。」

エイラの白い肌がちょっとだけ赤らめてきたのが分る。
告白、という単語に反応していしまい反論する言葉がでず、言葉が詰まる。

「おおう、
 そうなんだーそうなんだー。
 いいねーわかい子はー。青春だねー。」

くそう、苦手だ。
カールスラント軍人のクセに人を弄るのを楽しみやがって。
そうエイラはそう思い、なんとかこれ以上弄られるのを避けるべく単語を選択してたがどうもその必要はなくなった。


警報


「ちっ・・・今日は来ないかと思っていたがそうでもない、か。」

忌々しげに赤く光る警報ランプを睨みバルクホルンは愚痴をこぼした。


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