何でもかんでも混ぜればいいってもんじゃねぇぞ
ゲートネタで多重クロスのSSで、クロス先は「ログ・ホライズン」「オーバーロード」
と、クロス先も珍しい組み合わせでカオスの果ての結末を是非とも見てみたいですが、残念ながら1話だけの短編です。
とはいえ、1話だかでも楽しめるボリュームと妄想が膨らむ内容となっているので十分楽しめます。
「皇居だっ! 江戸城に市民を避難させっ―」
「アサシネイト!」
少女の声を聴くとともに、
彼は目の前に迫った騎士が騎乗する翼竜が両断されるのを目撃する。
竜を斬られた騎士は宙に放り出され、
アスファルトに叩きつけられてバウンドするとぐったりと動かなくなった。
唖然と口を半分開ける彼の前に、
少女は軽やかに着地し、気づかわし気な表情で座り込む彼に手を差し伸べる。
「大丈夫か?」
「に、忍者ぁっ!?」
「うむ、私は忍だ」
彼は少女の黒装束を見て素っ頓狂な言葉を吐き、
ポニーテールの小柄な(ちみっこい)くのいち少女はその言葉に何故か満足げに応じる。
とはいえ、彼とてこの異常事態にそれなりに適応してきたところだ。
目の前のちみっこは少なくとも市民を害する存在ではなく、今のところは味方と考えて良いだろう。
良いんじゃないかなぁ。
たぶん。
半ば願望の入り混じった考えを確認すべく、彼は少女に話しかける。
「君は味方でいいんだな?」
「そうだ」
なかなかに簡潔な受け答えをする少女であると彼は評する。
彼にとっては話しやすい類の女性だ。
「なら、協力してくれないか。
市民を皇居に避難させたい」
「皇居?」
「ああ、あそこは元江戸城だからな。
相手は火砲のない中世の軍隊みたいだから、立てこもるなら皇居以上の場所は無い」
そう説明すると、少女は頷き「主君に伝える」と言って右手を耳に当てて宙に向かって独り言を始めた。
奇怪な行動に見えるが、賢明(オタク)である彼はこれを念話的なものであると見抜き、彼女には同じような仲間たちがいることを類推する。
「主君って、本物の忍者なんだな…」
こんな可愛らしいクノイチを配下にする主君とやらはさぞリア充なのだろうと考えつつ
、彼は後ろの警官に同じようなことを伝え、行動を開始した。
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