「誇」-URAWA REDS-
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晴れ間を狙って駒場に向かう。
ホーム最終戦。
勝って残留を決めたい、
彼女たちの頑張りが報われて欲しい。
何もできないけれど、
スタジアムを埋めることくらいなら僕にも出来るから。

GK池田
DF齊藤・高畑・坂本・堂園
MF柴田・岸川・藤田・加藤
FW吉良・後藤
リザーブ田尻・和田・猶本・安田・大滝
齊藤が右SB、左に堂園、センターに坂本。
連敗を受け、最終ラインを弄った浦和。
「また雨だ…」
試合開始直前、大粒の雨がピッチを濡らす。

「いいぞ、狙って行こう」
DFの間を抜けるパス、裏を狙うFW。
オフサイドフラッグが上がる。
「スピードは勝ってるよね」
トラップに掛かっている訳ではない。
「何回も狙って行けば崩せるよ」
浦和より上位に位置する伊賀。
監督は浅野哲也。
「選手紹介の時、拍手にざわついてたよね」
あの苦しかった時代を知らない人が増えたということか。

「来た!」
後藤のパスにゴラッソが反応。
「決めろ!」
「ダメかぁ」
GKとの1対1をものに出来ず。
「そんなに強くないよね」
下位に喘ぐ浦和と上位をキープする伊賀に、
レベルの差は感じない。
「ウチだって整理されればやれるってことだよね」
早く残留を決めて、伸び伸びとやらせてあげたい。

前半終了、浦和0-0伊賀。

「引き分け以上で残留か」
吉備国大が敗戦したことをオーロラビジョンで知る。
「ちょっと狙いどころを絞られてるかな」
ボランチの前、ハーフウェイラインより自陣寄りでボールを奪われる。
「向こうのミスに助けられてるね」
中央を絞り切れず、ピンチを迎える。
「事故が起きる前に決めちゃいたいな」
堂園のCK。
「やった!!」
高畑のヘッドが決まる。
56分、浦和先制1-0。
「DFとGKが被っちゃってたね」
相手のミスに乗じて得点を挙げる。
「ラッキー!」

「ゴラッソ、決めろ!」
PA付近で加藤千佳がボールを奪う。
「巧いんだよね、ちっちゃいのに」
63分、浦和追加点2-0。
残留に向け大きく前進。
「自信さえつけば、もっとやれるよ」
不安に苛まれていた季節が、過去になる。
「猶本が呼ばれてる」
「まだかな、代えないね」
「和田奈央子も呼ばれた」
時計に目を落とす監督。
78分、吉良out猶本in。
「ワントップにして猶本をシャドーかな」
藤田と岸川がいるボランチ。
左右に開くMF。
猶本の適性はどこなんだろう。
「巧いんだよね、良く見えてるし」
「使って欲しいんだけどな」

86分、加藤out和田in。
「最終ラインに和田だとちょっと怖いしね」
89分、柴田out安田in」
「もうちょっとだ、頑張ろう」
目前に迫る勝利。
大丈夫だと分かっていても、笛が待ち遠しい。

試合終了、浦和2-0伊賀。
なでしこリーグ残留が決まる。
選手たちの笑顔につられ、頬が緩む。
高畑のスポーツ選手らしい受け答え。
ゴラッソの“ゴラッソらしい”インタビュー。
そして、一年間苦労を重ねた後藤三知の言葉。

まだ終わってないけど、
皇后杯もあるけれど。
良く頑張ったねと、拍手で選手たちを称えたんだ。









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