「誇」-URAWA REDS-
共に…
 



人の話は聞いてない。
いっつもマイペース。

僕の車を“ちっこい三菱車”ってバカにしていたクセに、
自分はもっと小さい車を2台も持っていた。
病気になって、フラフラになってもドクターストップが掛かるまで
ハンドルを握っていた。
愛する人も退職したら、二人で旅に出ようって言ってたんだ。

一時退院したら沖縄に行って、
その次はスキーに行って温泉に行って。
どっちも無理矢理叶えていたよ。
お見舞いに行くと、おもてなしは必ず
コーヒーとまい泉のカツサンドと決めている人。
僕と相方と3人で、いつもコーヒー。
自分も自分の娘もコーヒー嫌いなのにね。
カツも好きじゃないんだよ、親子揃って。
でも、病院で一番先に売り切れるからって、
買って置いてくれたんだ。
これも、3人分。
可笑しいよね。
娘が可愛いって顔に書いてあるのに、
2人ではなかなか会話が弾まないの。
間に挟まれた人の身にもなってよ。

資格マニアで多趣味の遊び人。
早期退職して6年。
あれをしてこれをしてって、たくさん話してた。
けど・・・。
灰になっちゃった。
苦しいのは、イヤだったんだ。
きっと、そうだよ。
今頃フワフワ、空を飛んでるんだろな。

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磐田帰りのシャトルバスに乗って、
エライ時間が掛かって大変な思いをしたんだよ。
多分、それ以来久しぶりに訪れた浜松駅。
整備された広場を左手に沿って歩くと、
高架線が見えてくる。
中小私鉄にしては近代的な建物が印象的な、遠州鉄道新浜松駅。

「赤はいいね」
「名鉄より“赤”だね」
赤色に興奮するのはウチらか闘牛くらい、かも。

あれ?もう次の駅だ。
あれ?また次の駅だ。
を繰り返すこと30分。
浜松市内を縦走する赤い電車。
しかも途中までは単線ながら高架橋の上を走る。
2両編成のロングシートが全て埋まるくらいの乗車率も
なかなかのもの。

牧歌的な風景を期待していたけれど、
どうやら東武野田線より都会みたい。
終着駅の西鹿島駅だけは、ローカル線の終点らしい雰囲気。
「名前がね、○シマだから…」
「それは、関係ないんじゃない!?」

西○シマ駅からは、天竜浜名湖鉄道に乗り換え。
略して天浜線って、意味通じない気がするんだけど…。
旧国鉄の名残りのある天竜二俣駅。
列車交換を待っていると、レトロ風な気動車がやって来た。
「あ、違う色だ!」
と興奮してシャッターを押したけれど、
自分の指まで写ってたなんて。

田んぼと茶畑と建設中の高規格道路。
変化の乏しい沿線風景に、だんだん瞼が重くなる。
掛川市内に入ると、住宅や郊外型店舗が広がる。
「なんか、大都会に感じるよね」
約50分で掛川駅に到着。

JRとの連絡通路にJR券発売機はなく、
一旦改札を抜け、趣のある建物に向かう。
「ここ、渚園のとき来たよね」
「その時と変わってないね」

「あ、もうすぐ浜松行きが来るよ」
向かいのホームには赤い人と橙色が玉石混淆していた。
「さ、急ごう」
開門まで30分。
間に合うかな、どうかな。

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